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出雲駅伝の戦力と目標

夏合宿も終わり、いよいよ駅伝シーズンが始まります。夏の間はトレーニング期間として、時間をかけてベースとなる持久力や筋力の強化に励んできました。普段、城西大学では低酸素トレーニングを中心に強化していますが、この時期は日本で古くから行われているトレーニングにも取り組みます。クロスカントリーだけでなく、アンツーカのグラウンドでも走りますし、様々な形で自然の地形を活かしながら能力の向上を目指してきました。トレーニングは常に科学的な視点を持ち、裏付けのある合理的な方法を追求し続けなければなりませんが、伝統的なメニューも科学の知識に基づき、論理的な思考で内容を精査しながら行えば、充分、効果が得られます。この時期はトレーニング原則の一つ、全面性の原則からあらゆる形で身体へ刺激を与えるべきですし、自然豊かな環境でのトレーニングは、五感をくすぐり、感性や心の豊かさを高める狙いもあります。その意味でもメニューのバリエーションとして「温故知新」の考えを持つことも重要なのです。そして9月に入り、少しずつ強度を高めたトレーニングを増やし、ここまで準備をしてきました。

標高2000mまでのヒルランニングは
自身と向き合う心のトレーニング。
ゴール後の達成感は何ものにも代えがたい

間もなく出雲駅伝です。ここでは私たちの目標についてお知らせします。春に野村颯斗、山本唯翔、山中秀真といった力のある選手たちが多数卒業したため、戦力ダウンは非常に大きいものでした。その上で達成できるか否かのギリギリのラインで目標設定してこそ選手たちが本気で取り組めると考え、新チーム発足当初は学生三大駅伝はすべて7位を目指そうと定めました。一昨年から昨年にかけては既存戦力の成長だけを見ていればいい面も多かったのですが、この10ヶ月はそこに加え、新戦力の育成にも力を入れてきました。

雨の中、泥だらけになってのインターバル。
走っているうちにテンションもあがり、
「意外と楽しい」と選手からも好評

結果的にその育成強化は順調に進み、大きな手応えを感じています。5000mで13分40秒を切る選手が3人となり、全体的な底上げも図れ、選手層も厚みが増しました。前期トラックシーズンの結果から夏合宿直前に出雲駅伝の目標は5位以上へと上方修正し、そして最終的に今、私たちは2位以上を目指し出雲に臨みます。これは昨年の結果と同じです。前回は1区斎藤将也が転倒するアクシデントがあり、4区林晃耀は中継所までの距離を間違えるミスもありましたので、改善の余地があります。トラック種目の上位10名の平均タイムでは昨年を大幅に上回っていますし、メンバーから外れていた平林樹が今季はエース格へと大きく成長していますので、決して高い目標ではありません。昨年の総合タイムは2時間10分35秒でしたが、同じ気象条件下であれば約1分30秒は短縮が可能だと考えています。ミスなくつなげられれば先頭争いも可能ではないかと選手たちへ期待を寄せています。

今年度大きく成長したひとりである山中達貴(3年)

その顔ぶれは今後の区間エントリーを楽しみにしていただきたいのですが、基本的にはサプライズはないと思っていただいて結構です。1区、3区、6区の長距離区間には順当にエース格が並ぶことでしょう。駅伝のセオリーでもある先手必勝で前半に流れをつかみ、最長区間の6区でしっかりキープする戦い方を目指します。

昨年度は出雲2位、全日本は5位、そして箱根3位とすべてで目標を達成することができました。今年はその時以上の戦力が出来上がりつつあります。この秋も城西大学の赤いユニフォームに熱いご声援をいただけますようよろしくお願いいたします。

今年の駅伝シーズンも「楽しく」をモットーにいいスタートを切る!


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