泣く男と慰める女。
少し前に、仲間内で集まった時のこと。仕事についてアツくなってしまったある人たちにちょっとトラブルが。
いつも生意気な彼が泣いている。
彼は見た目のまま、チャラチャラいんだけど、多分母性本能をくすぐるタイプなのだろう。
何故か、励ましてしまう自分がいた。お酒も入っていたからか、いつもなら放っておくのにあぁ。
子供のように泣く、大人の男。ある意味物珍しさも相まって、色々話を聞いていた。
というか、「泣く男」のインパクトは想像以上にすごかった。母性本能が持っていかれるか、情けなーと放っておくかのどちらかだけ。
私はもちろん、前者だ。
話の内容はほぼ入ってこない。彼の目から溢れる涙や、鼻を啜る音、すっと通った鼻筋から落ちる雫に見入ってしまった。
人が泣くって、久しぶりに見たものだから。
彼はいう「女は悲しいから泣く時が多いと思うけど、男は悔しくて泣く時が多いんだから」
どうやら、場を鎮めるために自分が我慢していることが悔しいらしかった。自分は正しい、と思っているからこそなのだろうな。
まるで、子供のよう。いや、男性は子供の部分を大きく持ちつつ、理性が育っていく生物なのかもしれない。
私は、子供の頃の幼馴染がみんな男の子だった。6人はいたかしら。
だから、女性、女、という意識はほぼなく、むしろ自分が女性であることで、彼らと楽しく遊ぶことができないことがなによりも怖かった。
だから、男の子らしく短パンやショートカットを好んだ。
しかし、大人になるにつれ、自分が女性であることを自覚せざるを得ない環境になった。
言い訳かもしれないのだけれど、男性も女性も私は関係なく同じ人間と思ってきた。
しかし、それは違うということを、最近思い知らされている。しかし、それはもしかしたら個性の違いなのではないか?とも思う。
男性も女性も、悲しかったり悔しかったりしたら泣くのだろうし、そこに性差はない。
今までのステレオタイプを捨てて、キミも私も、OKな世界がこれからいいなぁ。
風のように変わっていく世の中なのだから、程よく受け入れ、程よく流し、気持ちよく生きるのが幸せなのだと思う。
あれほど慰めた彼から、朝LINE。
「あざーす」
なるほど、やっぱり個性だな。