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光ファースト 〜植物育成における光の大切さ〜

こんにちは。如雨露の吉浦です。

私は植物の生育は大きく3つの要素で構成されると考えています。

生育具合≒①植物の特性×②環境要因×③メンテナンス(水やり・施肥など)

①植物の特性
サボテンならあまり水はいらない。シダなら湿ってるくらいでもいい。といった植物の個性のことです。

②環境要因
その場所にどれくらい光が入るのか。空気はどれくらい循環しているのか。
植物を置きたい場所の状況を指します。

③メンテナンス
現在の植物の状態を見て、水がどれくらい必要なのか。剪定する必要があるのか。虫はついていないか。など我々が行うアクションのことです。
(メンテナンスのアクションは多岐に渡るので今後、少しずつピックアップしながらこちらのnoteで解説していきたいと思っています。)

この記事で伝えたいのは3つの中でも環境要因、さらにその中でも”光量”が大事だというお話です。

観葉植物を取り扱う仕事に従事していると、毎日のように何十鉢、時には何百鉢の水やりや剪定などを行います。
オフィスビルからカフェなど幅広い場所に植物を置かせてもらう関係から、様々な環境[温度・光量・風通り・etc.]で植物の生育を観察する経験が得られます。

中央の大きな植物がシェフレラ

納品させてもらう植物も何十種類とありますが、その中でもフィカス類(主にゴムの木の仲間)、シェフレラ類など、空間になじみやすく育てやすい種類は有力な選択肢になります。

例えば10か所の取引先様に同じようなシェフレラを納品させてもらうとします。
その場合
①植物の特性は個体差はあれど、固定の値として考えられます。
③メンテナンスも私という1人が管理するのでスキルに大きな変動はないと考えます。
つまり10本のシェフレラの運命を左右するのは主に、②環境要因[温度・光量・風通り・etc.]ということになります。

この環境要因によって全く植物の姿は変わっていきます。

温度や風通りというのも植物にとって気をつけなければいけない要素の1つではあるのですが、最大の要素は光量です。
体感的に枯れてしまう原因の半分以上は光量不足。
(ちなみに意外に思われる人もいるかもしれませんが、自然光なのか、人口の照明なのかは、まずは重要ではありません。意外と蛍光灯で常に明るいフロアの植物が元気だったりします。)

ですので光というのは最低限置き場を決める際に気にしてほしいポイントの一つです。
植物ごとに必要な光量は異なりますが、目安となる基準は大体こんな感じです。

・日陰を好む植物(シダ類、観葉植物) :300~500ルーメン(室内の間接光で十分)
・半日陰を好む植物(多くの観葉植物):500~1000ルーメン(室内の明るい場所が適する)
・直射日光を好む植物(多肉植物、サボテン、トマトなど):1000~3000ルーメン以上(屋外や窓際の直射日光が最適)

イメージとして背が伸びない植物「シダ系」「アグラオネマ」「モンステラ」などは、自生地でも大きな樹木の木陰に生えていることが多いのであまり光を欲しません。

一方、「塊根植物」や「アガベ」などは光が必須です。美しい形状にこだわる場合は専用の育成ライトを使うなども選択肢に入ってきます。

人工光には蛍光灯、LEDライト、ハロゲンランプなどさまざまな種類がありますが、近年ではLEDライトが主流となっています。

LEDライトは、発熱量が少なくエネルギー効率が高いため、植物育成に適しています。
また、赤色光と青色光の割合を調整できるタイプのものもあり、植物の成長段階に合わせて光をカスタマイズすることが可能です。
例えば、発芽や成長初期には青色光を多めに、開花や結実期には赤色光を多めに照射することで、効率的な成長が期待できる、、、そうです。

自分も室内灯や自然光で育てることが多いので、技術はこんなに進んでいたんだと、正直驚いています。

自分と同じく自然光派の方の場合、植物の置き場所が重要です。日当たりの良い南向きの窓辺は多くの植物に適していますが、直射日光が強すぎる場合には、レースカーテンを使って光を和らげることが必要です。また、日陰を好む植物には、東向きや西向きの窓辺に置いてやると元気に育つかもしれません。

また自然光の場合、一定の方向からの光を浴び続けることが多いと思いますので、植物がその方向に向かって伸びようとします。
それ自体が悪いことではないので無理にどうにかする必要はありませんが、形がアンバランスになりそうな場合は植物の鉢を回してやるなどして、時々光の当たる面を変えてやってください。

まとめ

これから植物を育てる方は、はじめのアクションとして光量を意識した置き場選びが大事になります。すでに植物を育てていらっしゃる方は、ぜひ植物の様子を観察してみてほしいです。

窓際に置いている植物の葉っぱの色が薄くなったり、黄色くなったりするのであればその植物にとって明るすぎるのかもしれないし、新芽は出てきたけど、ヒョロヒョロの見た目になってきたという場合は光量が足りないかもしれません。解決のヒントを植物自身が発してくれている場合も多いです。

無機物のインテリアとは異なる植物の生き物としての側面を好意的に受け止めながら、少しずつ植物が過ごしやすい環境を探ってもらえるといいなと思います。

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