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「部活の育成とスポーツの育成」

※こちらの作品はまとめ版です。一つ一つの原稿も発売していますので、もし、ご購入の方は同じものですのでご注意ください。


第1回 部活の育成とスポーツの育成は異なる

長く高校野球界を取材してきましたが、ある時から、疑問というか、どのような議論をしても平行線を保ったままで答えが見えてこないと感じるようになりました。

コレには、部活動が抱えているそもそもの問題点と高校野球のシステム上の問題の二つがあるからではないかという答えにいきつくようになりました。

今日は、まず、部活動が抱えている問題点についての話をしたいと思います。

ご存知のように高校野球は部活動です。いわゆる教育の中にあります。私学全盛の時代にあって、強豪私学などの多くの学校はプロのユースチームみたいではありますけれど、部活動です。

部活動は課外活動といって、本来は授業とは離れたものでなければなりませんが、いってみれば授業の「体育」の延長戦のようなものと言えます。

 しかし、スポーツというのは授業ではありません。その語源の通り、「気晴らし」であり、「遊び」であるはずなんです。

 僕はこの違いが整理されないままに、様々なことが議論されているのではないか。そこに問題を感じています。

 では、まず、体育とスポーツの違いとは何かから整理していきたいと思います。(ここは一旦体育と表現させていただきます)

 僕が思うのは、体育は「修行」というと言い過ぎかもしれませんが、体を使った訓練であるのではないかと思っています。

 本来は各種運動技能を高めたり、協力しながら互いに成長してく学びであるはずが、多くの科目の授業がそうであるのと同じで体育も何らかしらの課題をクリアーしなければなりません。

 つまり、体育が訓練であると仮定したならば、教える側の先生と生徒の関係は対等ではなくなります。先生が課した課題に対して、生徒はこなすことで単位を受けられる。先生の指示を聞くことが由とされる文化があると思います。

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