Malaria kills my friend
WHOによると、2015年にマラリアが原因で死亡した人々は428,000人という。15年前と比較するとおおよそ半分に減少したとのこと。そのうちの75%の人々がアフリカ大陸が占めている。僕も普段からマラリア予防薬の服用を指示されており、週に1回服用する。その薬は「Mefliam」というもので、これはあくまで「予防薬」。決して、治療薬ではない。人によっては鬱っぽい症状になったり、気怠さなどの副作用がでる。
マラリア、マラリアとよく学校の授業などでも学習する極めて身近な病気である。とはいっても、身体的に身近ではなく、知識的によく聞く程度の身近さである。
ここアフリカに来ると、同僚がマラリアに罹ったから1週間くらい休む。という。マラリアってもっと深刻な病気ちゃうかったっけ?なんか風邪みたいに言うてへん?そんなもんだから、なんとなくアフリカの人は少しからず抗体を持っていて、症状が僕らと比べると軽いんやな。程度に感じていた。
そんな矢先、今日知り合いに会いに行ったら、別の友人から「マラリアで亡くなった」と聞いた。亡くなった彼はその前にもマラリアにかかってしんどかってん。くらいに話してきたものだから、また大丈夫やろうと思っていた。メールも後で返したろおもて、まだしていなかった。そして、前に撮ってあげた写真を渡せなかった。
きちんとメールを返してあげていたら、薬を渡せていたら、お金を貸していたらと、いろいろと後悔の念に苛まれる。マラリアは人の命を奪っている。マラリアだけでなくても、多くの病気が人の命を奪う。予防薬を飲んでいる僕はきっと、感染したとしても彼のように命を落とす確率は限りなく低いだろう。お金がないと言う理由で人は死を宣告されていいのだろうか。お金があれば長く生きられるのか。
いつか友達が「生きていることが人間の仕事だ。そのためのベーシックインカムは必要だ。」と言っていた。
わからない。映像で見るもの、感じるものとリアルの差。見たつもりになっていた自分。知ったつもりになっていた自分。
非力やな。
僕が唯一できることは、彼の家族に渡せなかった写真を手渡すこと。