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[13] 第2子を助産院で出産することに決めた経緯②

予定日まであと約1か月半。突き出たお腹で出勤していると「ギリギリまで働くの大変ですね」と言ってもらえ、自分でも「頑張ってる…よね?」なんて思っていましたが、仕事で海外の方と話すと、世界の妊産婦はもっとギリギリまで働き、もっと早くに復帰していることに驚かされます。

私は前回お話した通り、助産院での出産を希望しています。現在の日本で、出産場所に助産院を選ぶ人は1%にも満たないのだそう。まだまだ多くの人にとって身近な場所でないからこそ、今回も引き続き「助産院とはどういう場所か」「 私はなぜ助産院での出産を決断したのか」を綴っていきたいと思います。

助産院見学

1軒目に行くも、しっくりこず

まず見学に行ったのは、家から徒歩10分以内にある助産院でした。行く前には以下のようなプラスの面しかみていなくて「もう、ここ一択でしょ!」と思っていました。

・家からの距離がとにかく近い
・HPやSNSなどの発信で期待値が高かった
・友人の知り合いが実際にそこで出産して、良い体験ができたと言っていた

しかしいざ行ってみると、全体的に雰囲気が少しどんより感じられたこと、清掃が行き届いていないように思えたこと(我々夫婦とも若干潔癖ぎみ)により、私の中の「ここで産むぞ!」スイッチが全く入らず。タバコのような煙たい臭いがしたのもすごく気になりました(後からお灸をするようになり、あの匂いはお灸の残り香だったに違いないと思い至るのですが、時すでに遅し)。

助産師さんは大らかで素敵な人だったけれど、私のような不摂生な人間にはよりズバズバ言ってくださる方があっている気もしました。また、これから頻繁にやり取りをしていくことが予想される中、連絡手段が電話のみというのも、少しハードル高く感じてしまいました。

2軒目で「ここで産みたい!」という思いが明確に

そんなこんなで、決断しきれなかった私は、徒歩20分程度の距離にある2軒目の助産院にも見学に行くことにしました。もともと存在は知っていたものの、車でないといけない距離だと思いこんでいたのですが、Google Mapで調べてみると、徒歩でも行ける距離ということが判明。しかもHPに比較的新しく明るい院内の写真が載っていたので、期待しながら訪問しました。

結果的に、衛生面や環境面で不安を感じなかったこと、また助産師さんとのフィーリングがより合う気がしたこと(表裏なく、良い悪いをはっきり言ってくれるタイプの方です)で、この助産院で産みたいという気持ちが高まりました。健診の結果や相談事などをLINEで連絡できる、というのも安心ポイントでした。見学に行った時期の違いもあったのかもしれませんが、訪問した当日にさっそくエコーやマッサージなどをしてもらえ、今後の健診や出産までの流れのイメージが明確になったことも大きかったです。

健診を受けているかかりつけ医からの反対

2軒目の助産院で産もうという決意を、健診で通っていた近所の産科医に伝えたところ、猛反対されました。「出産はリスクがつきもので、病院で産んでも死ぬことは多い。ましてや助産院で産むなんて論外。いざというときにすぐ対処できる病院で産みなさい。いい病院を紹介するから!」とのこと。信頼していた医師からの「死ぬよ?」の一言には、さすがにひるみました。

紹介状もすんなりとはもらえなさそうだったので、そのままその医師の言う病院で産むことも検討してみました。しかし、HPや口コミを見ても自分が望んでいる出産ができるイメージは湧かず、「なんで他の人が決めた場所で産まなきゃいけないんだ、自分と赤ちゃんのための出産だぞ!」と思い至りました。結局再度話し合っても平行線な気がして、診察に行くのをやめ、受付を通して紹介状だけもらい、転院することにしました(すごく好きな先生だったのだけど、ごめんなさい)。

それでも私は、助産院で産みたいと思った

もちろんリスクについてはよくよく考えました。過去には、助産師さんの搬送の判断が遅れて死産になってしまったケースも見聞きしたし、もし突然赤ちゃんの容態が悪くなったら、私が出血多量などになったら、といったことも想定してみました。

ですが、安全に産める可能性が高い場合にしか助産院では産めないこと、私自身が第1子出産のときに予後に異常なしだったこと、そして何より、助産師さんが正しいタイミングで搬送の判断をしてくれるという信頼により、諦める理由にはなりませんでした。

すぐに搬送しても間に合わないような事態が起きたとしたら、産院で産んでいても間に合わないんじゃないか。そもそも、産科医がいれば絶対大丈夫とも限らない、とも考えました。前回の出産(いきなりの陣痛促進フルコースや緊急性のない吸引分娩)と、産科医のいない助産院での出産、単純にリスクを比べるとどっちが高いかは危ういところです。また当日誰が担当するかも分からない中、信頼できるかどうかわからない相手にお産を任せるのも、リスキーともいえるのでは。

などというのは、あくまで自分の結論を自分の中で正当化するための論理ともいえるのですが、こうして私は「何かがあっても後悔しない!」と助産院での出産を決断しました。夫は不安がぬぐえない様子でしたが、産むのは私なのだから、と渋々賛成してくれました。

あらためて、出産に関わる全ての人に感謝

現在は、主に2軒目の助産院に通いつつ、ときどき嘱託医のいる産婦人科に通うという日々を送っています。前々から思っていて、最近再度実感していることですが、お産に関わる仕事ってすごく意義深いけれど、大変そう! 普通の病気の場合は「治ったら感謝」だけど、出産の場合は「無事に生まれて当たり前、何かあったら謝罪じゃすまない、裁判になることも多い」!! (しかも妊産婦はナイーブになっている人も多い。)

きっと杜撰なことをして事故など起こしている産婦人科や助産院はとっくに淘汰されていて、長い年月存続しているところは、大変なプレッシャーや予測不能な状況が重なる中でもしっかりとした管理や工夫をなさっているのだなと感じます。(第1子を産んだ病院も、私が勝手に恨み言のようなことを言っているだけで、事故が起きていないということは医学的に大丈夫な管理がなされているのでしょう!)

そういった信頼できる出産場所が日本全国にある、その中で各妊産婦が自分に合った場所を選べる、って本当に本当にありがたいことです。つい忘れがちになってしまうけれど、お産に関わってくださる全ての方への感謝の気持ちを忘れずに、無事に出産を迎えたいなと思っています。

本日も読んでくださりありがとうございました。
それでは、また*


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