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[17] 産休前の引継ぎを通して気づいた自分の傲慢さ

第二子出産に向けた産休まで残り2週間となりました。
第一子の産休前は、受け持っていた仕事を前任者に引き継ぐだけだったのですが、今回は、全体の6割ほどの仕事は新たに入った派遣社員に、その他は各担当に引き継いでいます。

6月頭から始まった引き継ぎが終盤に近づいてきた今、改めて実感するのは、前回の育休後からの約2年間で、自分が思った以上に知識やノウハウを蓄積してきたこと、そして担う業務の幅が広がっていたことでした。

出版社の編集者なので、基本的には自分ひとりで複数の書籍制作を担当し、勤続年数が増えるとその量もどんどん増えていきます。過去の経験があるからこそ、新しい書籍を作る際も、すでに付き合いのある関係者の中から適任者をアサインできたり、本を作りこむうえでも、より質の高いものを追求できるようになっている、ということを引き継ぎをする中で改めて実感しました。

またこの2年間で、書籍制作だけでない、細々とした業務の分担も増えており、一つ一つを引き継ぐのに苦心しています。全てをきれいに引き継ぐのは困難なため「自分が復帰する前提で、その間をなんとか繋いでもらわねば」という意識になってしまうことも多々。

そんな細々とした業務の一つに、月に1回、ある情報を英訳して更新する というものがあります。

◆ 英訳自体は全く難しくないけれど、更新までの工程が複雑すぎて引き継ぐのは気が引ける。
◆ しかし自分でやる分にはさほど手間はかからない。
◆ もし自分が育休中に継続すれば、毎月更新される自社の情報においつけ、復帰後の業務がスムーズになるのでは?

そう考えた末、この業務を引き継ぐのはやめようと思い至り、上司にも相談したところ「あなたができるのであれば是非そうしてもらえると」とのこと。しかし、それを知った同僚からは「せっかく休みをとるというのに、そんな業務をあなたが続ける意味がわからない」と言われました。

私の「継続したい」という思いを受け入れてくれた上司にも、それに疑問を呈してくれた同僚にも感謝をしつつ、改めて自分の考えを見直してみました。

◆ いつ出産になるかも分からず、出産後の状況も読めず、対応できなくなるケースも考えられる。
◆ 継続できなくなった場合、産休に入ってから急遽引き継ぐ方が会社にとっては迷惑。
◆ 自分ならではの英訳をやっている自負があったが、冷静に考えると、自分がどうしてもやらないといけない必然性はない。
◆ その業務を月に一回短時間したところで、それほど知識がアップデートされるわけでもない。
◆ 自覚していなかったけれど、一部の業務を継続することで「会社にとって必要とされている自分」でいたいという思いがあったのかも。
◆ 仕事からせっかく離れるからこそ、その分勤めていてはできない有意義な経験をした方がいいのでは。

そうして、来週にこの業務もしっかり引き継ごうと決心したのです。これまでに培ったものに自信を持つのはいいし、自分の抜ける穴がすぐに埋まらないのは事実だとしても、結局「自分にしかできない仕事」って突き詰めるとそんなにはないはず。だからこそ、産休育休中は一度仕事から離れ、しっかり休み、しっかり戻りたいなという気持ちになりました。

今日もいっぱい遊んで、また明日から気持ち新たに引継ぎに励もうと思います。
皆さんもどうかよい一日を。それでは、また*


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