貞信公(藤原忠平)が百人一首に残した作品は?
貞信公(藤原忠平)が百人一首に残した作品は?
─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆歌枕
☆擬人法
☆「みゆき」とは?
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品
♪ 小倉山
峰のもみぢ葉
心あらば
今ひとたびの
みゆき待たなむ
です。
読みは、
♪ おぐらやま
みねのもみじば
こころあらば
いまひとたびの
みゆきまたなん
となります。
太字一カ所が、変わります。
☆意味
小倉山 (小倉山の)
峰のもみぢ葉 (峰の紅葉に)
心あらば
(趣を理解する心が
あるならば)
今ひとたびの (もう一度)
みゆき待たなむ
(天皇の行幸を待っていて
それまで散らないでおくれ)
☆歌枕
小倉山
(京都市:紅葉の名所)
下記記事の13.
☆擬人法
モミジに対して、
「待って欲しい」と
呼びかけている
☆「みゆき」とは?
御幸:上皇の外出
行幸:天皇の外出
☆文法解説
3句: 心あらば
ラ行変格活用
《あり》の未然形
+接続助詞《ば》
5句:待たなむ
「なむ」願望の終助詞
☆鑑賞
これは、貞信公(藤原忠平)が、宇多上皇(うだじょうこう:第59代宇多天皇が退位して宇多上皇と呼ばれた)の御幸(みゆき:上皇が外出されること)に同行した際に、小倉山を訪れ、宇多上皇が
「我が子(第60代:醍醐天皇)にも、この美しい紅葉を見せてやりたいものだ」
とおっしゃったのを受けて、詠んだ歌です。
この歌を詠んだ時が、宇多上皇の御幸(みゆき)の時で、
「今ひとたびの(もう一度)」と言っている「みゆき」が、
醍醐天皇の行幸(みゆき)を指します。
紅葉の葉に向かって、
「今度は醍醐天皇がおでましになるから、それまで散らないでいておくれ」
と、呼びかけている歌です。
この歌は、醍醐天皇に
「今が紅葉の美しい時です。
行幸なさって紅葉をご覧になってはいかがでしょうか?」
と、勧めている歌でもあるようです。
宇多上皇が
「我が子(醍醐天皇)にもこの美しい紅葉を見せたいものだ」
とおっしゃるほど、美しい紅葉だったのでしょうね。
また、宇多上皇のお気持ちをすかさず歌に詠んだ貞信公(藤原忠平)も、さすが機転がききますね。
★関連動画
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