手付が大金管理責任へと変貌を遂げる時
こんにちは!
関西で大家業と子育てに精を出す、佐山 潤(さやま じゅん)です!
前回(コチラ↓)の続きです。
物件の売り主だった私は、買主さんが1000万という手付を払って下さり、
しかも買主さん側の融資が難航していて、売買の話が立ち消えかけている、
という事は、買主さんは最悪、この手付は放棄して、1000万は私に残る。
ウハ^^
とか思い
「えー?じゃあ手付はこちらのものになる?」
と脳内お花畑で聞いた私に、仲介業者さんはぴしゃり
「いやいや、そんなわけないですよ」と。
「え!?なんでですか?買主の都合で契約中止なら手付はこちらに残るでしょ?」
「いやいや、今回『融資特約』付きで契約してますんで、銀行の融資下りなかったら手付は全額返さなあきませんねん」
あきませんねん、、てアナタ、、、
もしこのブログを読んでる方で、不動産関係の方がいらっしゃれば、
「そんなもん当たり前やん」
という話ですが、佐山はこの時まで、
この掟について少なくとも手付の段階まで付きまとう話だとは、
つゆぞ思ってもみませんでした。
もちろん確かに「融資特約」については知っていました。これは、
この物件買うつもりでいるけど、
銀行融資ありきじゃないと買えないから、
融資の承認が降りる事を、買う条件としてね。
降りなかったら買わないよ。
という意味合いの特約です。
これは買い付け証明を出すときには非常によく使われる文言です。
買い付け証明自体に法的拘束力はないのですが、
そうは言っても「買う気満々だけど融資ありきなのはヨロシク」
としておかないと、揉める要因にもなりかねない。
実際、買い付け証明を出す際、前もって「全額現金で買うつもりでいる」
みたいな事を宣言してない限りは、買い付け証明に
「融資特約」
という文言をつけておくのは、もはやセットといっても過言ではない。
また、買い付け証明がでて、融資申し込みを買主さんが行い、
仮審査が通り、融資の見込みがほぼ立った段階で、
ようやく手付を入れるのが定石です。
なので、手付をもらった後で、融資特約云々とかいう話が出ること自体が、
少なくともこの時点まで私は出会ったことがなかったのですが、
この方はどうやら、かなり融資が緩い段階でポンと手付を払ってこられた。
さておき、
困ったのはここからでした。現金だけを手にするウハウハの妄想から
早々足を洗ったつもりの私は今後の手続きを業者に確認します。
「じゃあ、全額返すって事ですね。」
「いや、買主さんまだまだ銀行色々あたってみるそうなんで、手付は買う気がある証明として持っておいて欲しいそうなんです」
この時、まだ売れるかもしれない、って事ならいいか。
みたいな事を思ってしまった私はこれをやすやすと引き受けます。
で、すぐに気づきます。
いや、こんなどうなるかわからん大金ずっと持っとけへんやん!
この間にネットバンクの不正利用されるとか、
キャッシュカード落とすとか、
なんかあったら困るのこっちやん!
という訳で、この時点で、誰のものともつかない1000万という大金を、
なぜか事実上管理しないといけなくなりました。
なんとひと月弱も!
そうなんです。そもそも融資を申し込んで資料揃えて、銀行が稟議あげて、結果が出て、日取りを決めて、その日を迎える。。。
余裕でひと月位かかるんです。
それでもすでに色んな銀行とつながりのある今回の買主さんは、
これでも早い方だったかとは思います。
嫌だったなあ、あの期間。
通帳に1000万を超える金額があるけど、これは私のお金ではない。
でも私の通帳にそう書いてある。でも私のお金ではない。
このお金に何かあったら責任は?、、、、きっとワタシ、、、
変なプレッシャーと妄想に苛まれてひと月。
こうして、また一つ勉強をした私は
晴れて決済を迎え、物件を引渡し、手付管理のプレッシャーから解放され、
今度こそ、売却益、というお金を手にする事が出来ました^^
前回のお話に戻りますが、この一件以来私は手付金の話が出ると、
「あんまりいらないっす。融資特約付きでしょ?
50万くらいでもいいですよ。買主のやる気はしっかり確認して下さい」
と答える事となりました。
本日もお読みくださり、ありがとうございます。