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はじめてのテニミュ(不動峰編)

ミュージカル『テニスの王子様』の限定配信がスタートしましたね!

前回の記事でテニミュ観るの怖いよ~とうだうだ言っていた筆者。
でもやっぱり各シーズンの最初の公演だし、何より不動峰推しなので、全部観たいじゃないですか。観たよ!!!ちゃんと観た!!!

面白かったぁ………。

すみません、本当は全部は観てないです。ドリライとか3rdチムライとか。けど本編は脱落せず観れた!!!快挙!!!やればできる子!!!

初テニミュの新鮮な感情を忘れないように逐一メモっていた感想がまとまったので、今回のnoteはテニミュ特別編。完全初見テニミュ赤ちゃんによる不動峰各公演感想回です。
(テニプリ知ってるだけで演劇やミュージカルの知識皆無のオタクが各シーズンの最初だけ見て好き勝手書いているだけの感想文なのであまり真に受けないでください)


1stシーズン 初演/Remarkable 1st Match 不動峰/side不動峰 ~special match~

原作に対して真摯に作っている印象を受けた。最初の最初なのでファンの期待を裏切らないよう慎重にやってるのが伝わってくる。全体的なスケールがこじんまりしてて控えめ、その粗削りな感じが逆にミュージカル初心者の自分にとってはとっつきやすかった。徐々にテニミュに慣れていくためにも最初に観たのがこれで良かったです。以下箇条書き感想

・試合中のテニス振り付け(?)がキャラ毎に個性出てて面白い。特に南次郎のコンテンポラリーダンスっぽいのが型に囚われない傑物っぽくてかっこいい(調べたら演技指導=南次郎役の方がそっち方面の凄い人で納得)
青学みんな似てる。ウイッグとか完全に再現してるわけではないのに体型や佇まいがそれっぽくてすごい似てる。特に海堂の再現度が半端なくて「本物だ…」ってなった
ビクトリーの女神というワードセンス
異常に歌の上手い寿司屋
・歌とダンスのレベルがレギュラー陣に負けず劣らずの一年トリオ。ハモリがめっちゃ綺麗で安定感ありますね
・不動峰、5人しかいないけど泥臭い雰囲気が最高に不動峰だった。特に橘さんがかなり理想的。中学生とは思えない貫禄と落ち着きがあり、さながら仏の橘といったところ
・『真剣勝負とはそういうこと』が好きすぎるので鬼リピートしまくってたら30分経ってた
・伊武のひと、口も大きく開けず抑揚のない話し方なのに声量がちゃんとあって物凄い技術力を感じた
・桜井はすごく人の良さそうな桜井。宮野真守の演じる石田の歌声が響く響く
・噛み男もとい神尾が何言ってるかわかんないの空耳ミュージカルだからかなと思ってたけど本編ちゃんと見ても何言ってるかわかんなかった
・カーテンコールのドリフみたいなダンスしてる不動峰が頭から離れない

・再演のほうは(元からみんな上手かったけど)歌も演技も上達してた。特に乾先輩
・ボウリングが結構面白かった。不二先輩の美しすぎる気絶は間違いなく原作を超えていた
・柳リョーマ頑張ってた、事故の規模を思うと凄いよくやってると思う。コート下の演出も後継の遠藤リョーマを活かしたものになっていて胸に来るものがあった
・再演不動峰は初演橘さんが完成度高かったから比べてしまうのは酷かもだけどやっぱり代わっちゃったの残念だったのが正直な感想。神尾は初演の反動もあってか何か頭良さそうだった

2ndシーズン 青学vs不動峰

一公演で地区大会までやる尺加減や楽曲のアレンジのおかげでかなりテンポが早い。でもスポーツ物らしい疾走感で気持ちいい。カットはあっても要所要所はしっかり押さえており、1stから舞台向けにブラッシュアップされていてかなり観やすかった。以下ざっくりの感想

・ラリーに緩急ができてだいぶわかりやすくなってた。1stだと決め技を打った瞬間を見逃したりとかしてたので。これは演出以外にもカメラワークの工夫とかもあるんだろうな
・不動峰全員いる嬉しい~!!2ndは第二幕冒頭がかなり好きです。青白ユニの青学のしなやかなダンスと、黒赤ユニの不動峰のきびきびとした振り付け、最高だ…。この美しい対比は最初のライバル校の特権…。締めのフルメンバーで対峙するところ、思わず背筋が伸びるかっこよさ
・2ndの橘さん、「やあやあ我こそは不動峰中の橘なり!」とか叫びだしそうな雰囲気ないですか?すごい時代がかった発声するというか……僧兵の橘さんと呼ぶことにします
・『真剣勝負~』のダンスがめっちゃくちゃ激しくなってて凄い。キック!パンチ!不良漫画か!?これ歌いながら踊るのすごい大変だと思うし実際息がかなり乱れてるのが全力感を醸し出しててたまらん。この不動峰はステゴロが強そうですね
神尾がものすごく神尾だった。動作がいちいちリズムに乗ってぴょこぴょこしてる!挑発するときめちゃくちゃムカつく顔してるのも神尾!!!
・『リズムに乗るぜ』の前に橘さんの「あの台詞だけは何とかならんかな…」が入ってて嬉しかった
・森もかなり良かった。森は原作だと正直影が薄いので、むしろこのテニミュからキャラを確立したのだとしたらイメージ通りなのは納得
・伊武はすっと通った鼻筋や吊り目メイクが歌舞伎の女形みたいだった。1stは初期っぽいギラギラさがあったけどこっちは原作後期っぽい顔立ち。妖術でスポットを引き起こすタイプの伊武。近距離攻撃型ばかりのパーティーでも困りますからね

・「どれもいい試合だったよ…」「「「橘さーーーん!!!!」」」
・「不二、不動峰中っていいチームだな!」「そうだね」

…………。

生きててよかった……。

3rdシーズン 青学vs不動峰

2ndがとても満足度の高い出来だったので3rdはどのように進化しているか楽しみだったけど、うーん…。一番、というか唯一合わなかった公演だった。出来が悪いわけではなくて好みに合わなかっただけです。この公演だけで判断するのは勿体ないので次のルド公演も観たいとは思う。以下良かったところと不満点両方の感想

・いきなりリョーマがレギュラーになっててびっくりした。もう展開知ってるでしょと言わんばかりに回想を使って大胆なカットや入れ替えをしてきて、これまでとの差別化を感じる
・でも校内ランキング戦まで回想にするのはやめてほしかったな~~ここが一番のがっかりポイントでした。ランキング戦って地味かもだけど、青学レギュラー陣の底力とそれに食らいつくリョーマのスーパールーキーっぷりを知らしめる欠かせないエピソードじゃないですか!!打倒親父一筋だったリョーマの視野が広がる重要なイベントでもある。それをあっさり流してしまったお陰で物語全体の軸が定まらないし何より青学メンバーの印象が薄まっちゃってる。この構成、ストーリー説明が不親切以前の問題では
・かたや不動峰は理不尽すぎる暴力に屈するメンバーに文字通り手を差し伸べて救済する橘さん、「お坊ちゃまは下がっていやがれ!舐めんなよ!」と猛々しさ500%アップの新曲とかなりドラマティカルで、もしかしてこの不動峰ならあの青学に勝てるんじゃないかと思えるほどだった。なんかもう既に猛獣のようなオーラ纏ってるもんな
・あと明らかに原作にないお笑い要素が増えてるのも気になった。大石の似顔絵とかリョーマ伊武のけん玉対決とか、幕間じゃなくて普通の場面にどんどん入ってくる。気になる…。わちゃわちゃしてるのは確かに中学生っぽくて親しみやすさはあったし、そういうアプローチを駄目とは思わないけど…これカゴプリの舞台化じゃねえんだよな~!まあ好みの範疇と言われればそれまでです

・ごめんなさいボロクソ言ってますがいいところもあります。まず菊丸の再現度がえぐい。重力無視してくるくるアクロバティックするじゃん!!!!とんでもない身体能力だ、本当に人類?仕草や声もアニメの菊丸を完全再現してて演者さんのプロ意識の高さを感じた
3rd橘さんは父。厳しくも優しい不動峰一家の大黒柱でした。理由はわからないけどとても一体感のある不動峰だった。情緒不安定な長男の伊武、ムードメーカーの次男桜井、間違いなく石田家の血を引いている三男の鉄、爽やか双子の森と内村(謎に爽やかじゃなかった?)、愛され末っ子の神尾といったところです。鉄が破壊僧すぎて複雑な家庭になってしまった
・2ndの神尾もよかったけど3rdの神尾もよかった!クイックモーションのキレがすごい。声も鈴木千尋に聞こえる瞬間が結構あってびびった。チャカチャカズッチャーンこと『俺の仕切ったリズム』はめちゃくちゃアホの子でやっぱりカゴプリの住人じゃねーか!!
・伊武はかなり感情のある伊武だったので「そ、そういう伊武もありか(困惑)」だったが、ぼやきが始まった途端にドスの利いた声で喋りだして怖かった。裏表のある伊武っていう解釈なんだろうか。この伊武は間違いなくCVが柿原徹也
・リョーマも含めて全体的に陽キャっぽい。大会終了後が爽やかで、特にタカさん石田桜井と大石森の掛け合いは良かった。でも…「すんまそん」はボケないで欲しかったナ…!!

4thシーズン 青学vs不動峰

結論から言うとこの公演が一番面白かった。4thテニミュの賛否両論は知っていたので観る前は不安だったが、全然良かった。ただこれまでのテニミュとは完全に別物で、従来のファンからこんなのテニミュじゃない!という意見が出るのもよくわかる内容ではあった。以下熱が強めの感想

いきなり卒業からやるの!?!?原作の終わりから始めるの、な…何故…?きっと何か意図はあるんだろうが、今までと全く違う新しいテニミュの開幕宣言であることは理解できた
・あと明確に違うな!と感じたのは音楽。作ってる人が変わってるので違うのは当然なんだけど、劇中での役割が完全に違うなと。3rdまではここぞという時の決めゴマ的に使われてる印象だったのが、4thはBGMや挿入歌っぽい、場面にヌルッとフェードインしてくる曲が増えたかな?おかげで短い曲が多くて印象に残りづらいな…という感はあるが、主張しすぎないミュージカル音楽にシフトしてるならそういうものとして受け入れられる。大石のバラードとか今までだったら絶対入らないような曲だし。
・気に入った曲は2年トリオの曲や伊武ラップ、あと『ウィニングショット』。ラァブ!フィフティーン!楽しすぎるでしょ。『ザ・レギュラー』並みに気に入りました。石田の立ち姿に貫禄がありすぎる
・4thの目玉?である汎用性クソ高舞台装置は面白かった。ただ見やすいかどうかは別なので、普通のネットが出てきた時は「いや最初からそれ使え!!!!!」とは思った
・パースの利いた舞台装置とそれを使ったボールの軌道の表現、プロジェクションマッピングで映る打球の効果線とか、かなり漫画を意識した演出になっていて、すっごい2.5次元見てる~!という新鮮さがあった

・歌と踊りと演技のレベルが最初から高い高い。シーズン冒頭だよねこれ?端役を演じてる人まで含めてマジで隙がない。私はこの方面は素人なのでよくわからないんですが、少なくとも演者の技術面では全くストレス無く見れた
・全員巧いだけでも凄いのにみんなそのキャラに見える。3rdまで少なからずあった解釈の違和感みたいなのが一番なかった。いや、うるさい通り越して物騒なタカさんガンギマリの菊丸に戸惑わなかったといえば嘘にはなるけど
・特に完成度が高いと思ったのは青学だとリョーマと不二先輩。4thのリョーマはフレッシュさと生意気さとクールさと無邪気さのバランスが一番良く感じた。不二先輩は顔立ちも声も佇まいもすっごい中性的で、よく見つけてきたな~~~と素直に見惚れてしまった。この不二先輩が観月と試合するのか……興奮してきました

~ここから怒涛の不動峰褒めちぎりタイム~
「不動峰ファンは4th観るべき」という前評判は聞いていたけどここまでとは思わなかった。新テニス部の決起からこんなにちゃんと描いてくれるなんて…腐りきった先輩や顧問も実体化して……1stでは5人しかいなかったミュ不動峰の解像度をここまで引き上げてくれるなんて……感動でしばらく再生を再開できませんでした。新参者の私ですらこれなのに20年追いかけてきた不動峰ファンの人たちの衝撃はいかほどのものか。みんなすごい泣きそうに歌ってるのすげ~~~……情緒ぶっこわれる………真っ先に顧問に殴りかかるの、伊武なんだな………………
・4thの橘さん、ビジュアルを見た第一印象は顔が幼いかな…?だったんですが、動いて喋ってる姿はちゃんと橘さんでした!喋り方かなりアニメに寄せてる。カリスマ性もあり中学生っぽさもある、地に足のついた橘さん
・柿ノ木中との試合の不動峰は急に治安が悪くなって何何何!?ハイロー!?!?とびっくりしたけど、不動峰の第一印象である「暴力沙汰起こした過去がある正体不明の鬼つよ黒ずくめ集団」を表現していると気づいた瞬間にうっわぁ……と鳥肌が立った。解像度8K!!!
・伊武の話していい???いいですね無茶苦茶しますね。伊武の原作再現度すっっっっっっっっっっっっっっっっご
 既に書いた通りみんな再現度高いんですよ全員キャラに見える。でも4thの伊武は過去あらゆるメディア化の中でも限りなく原作に近い伊武が再現されてました。と思います。私にはそう見えた
 まず顔が良いです。私は伊武のパーツの中で目が一番好きなんですが、あのまばたきを一切せずに獲物をギラリと捕えて息の根を止めるまで離さない強烈な目をちゃんとしています。演者さん目カピカピじゃない?大丈夫?
 そしてフォームが美しいです。手足の伸びと重心の動かし方!無駄な動きがない。軟式経験者の方でした。納得しました
 ダンスも他のキャラと比べて振り付けが控えめで、ぐだ~って移動するしずっとポケットに手突っ込んでるんだけどポーズ決めるときは指先がスッと通っていて、この態度に反してめっちゃ芯のある感じ……冒頭のダンスタイムから伊武がいる!!!!!と目を見張りました
 一番驚いたのがぼやき。本当にボソボソ言ってる。3rdまでの伊武、けっこうハキハキぼやいてて、でも舞台だからお客さんに聞こえなきゃ意味ないしこれは仕方ないよなと思ってたんですよ。思ってたんですけど4th伊武、声ちっっさ!!!!!!台詞として聞かせる気が0です。普通の台詞も全部陰キャの喋り方です。陰キャの私にはわかる。でも伊武って別に人に聞かせるためにぼやいてる訳じゃなくて、原作では台詞もなく「ボソボソ」しか書かれてないシーンもいっぱいあることを考えると、この聞きとれないくらいのぼやきが限りなく原作に近いぼやきなんだということを思い出させてくれました。私は大切なものを忘れていた
 極めつけはリョーマに負けた後の項垂れっぷりですよ…。お辞儀拒否!!!握手拒否!!!!『we are the best team』で学ランに着替えてからもず~~~~っと背中向けて目背けて不服そうにしてるの…凄……ミュージカルという媒体で一番私が見たかった「コマの外の光景」です。その間を縫うようにテニスをする南次郎と井上さんはちょっとだいぶシュールでした
・コマの外の光景といえば表彰楯を持つ橘さんな!!!!これ以上語るのは野暮です、これが観れただけでも4th不動峰は傑作です。

・他の公演の倍くらい感想書いてるな(ほぼ伊武)
・演出とか、井上さんや他校生がいっぱい出てくるのも含めて、『漫画の』テニスの王子様の世界を再現している工夫が良かった。脚本そのまま原作使ってるのかってくらい丁寧~~に描写しているので物語の奥行きを感じ、かなり没入感があった
・原作の忠実再現が嬉しかった反面、3時間の尺にしては試合数が多くて見てて疲れる、もっと取捨選択できたんじゃない?という気持ちになったのも事実。メディア化ってただ原作通りにやればいいってものではなくて、媒体に沿ってどう再構成するかが大事だと思っている派なので。2ndがその辺のバランスが上手かったように思う
・そして青春台の解像度が高くなればなるほど「でもここには桜乃ちゃんはいないんだ…」という虚無感に苛まれた。今更出せとは言いませんけど…。だってここまでやるなら寿葉ちゃんも出るんじゃねレベルの原作なぞりっぷりだもの

・今回、各校スイッチング配信なんてあるんですね…至れり尽くせりだね…観たらしばらく放心状態になりそうなので手は出せてないです


はあ…。面白かったな、テニミュ。そんでもって全然感想まとまってないなこれ
2週間後にはルドルフ山吹公演の配信がスタートするが、こっちも各公演を比較しながら観たい。都大会、原作でも特に好きなところなので。
今夏の4th六角についても、配信購入…どうしようかな…!緑山が出るっぽいので気になる~!!と、かなり興味が湧いてきてる自分がいることに心底驚いてる。ぜんぶ4th不動峰のせいです

2.5次元を克服できたかは分からない。でもこれだけはわかる。演じる人がたくさんいたって、どんな次元になったって、面白さは変わらない。テニプリっていいな