元祖平壌冷麺屋note(173)
先日、冷麺ライターの一人者である金才順氏がご来店した際、4代目のチャン・スギさんですね? 初代のチャン・モラン氏にそっくりです、と唐突に言われた。
朝鮮新報の連載「冷麺物語」で、元祖平壌冷麺屋が紹介されたのは、10年前だった。
曽祖父に似ていると言われたのは初めてだったので、父とはクローンですけどね、と定型文で返答をしてしまったのだった。
20年前、親族の大集合するチェサで、冷麺屋の一代記を書いてみないかと、提議されたことがあって、その時は教員生活の多忙な日々を送っていたから、場を濁してしまった。
けれども、いつか、それだけの力量が備わったときに実現させたいと思っている。
「サマータイムレンダ」(全25話)を観終えた。時によって上書きされ続ける夏の記憶。君だけがいない街、オール・ユー・ニード・イズ・キル、隔たる世界の二人、ハッピー・デス・デイ・・・。
上書きされる歴代のループ作品たち。
「おかえり、ただいま。」帰りの電車待ちで、最終回での、変わらない日常の更新された「美しさ」に、ちょっと泣いてしまった。
平壌冷麺を練り続けた先代たちの記憶も、日々、レンダリングされているのだ。
創り手のだけではなく、それを食べてきた人たちの記憶の蓄積と伝承によって。
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