元祖平壌冷麺屋note(188)
3年前、とある縁があり、フォトジャーナリストである、安田菜津紀さんの、ルーツをめぐる旅の道案内を、少しだけしたことがある。同行する撮影者は「ブラックボックス」の著者、伊藤詩織さんだった。
ラジオでは、お互いをなっちゃん、しおりん、と呼び合うほどに仲が良いお二人の道案内をした場所は、新神戸駅から異人館通りのあたりから、元町と三宮間だった。
3年前の神戸新聞の随想欄では、安田さんがその時の、旅のきっかけについて綴っていた。
安田さんの祖母の最期に暮らした場所が、山本通り(異人館通り)だということが分かり、当時の神戸の歴史を振り返りながら、はたして、その場所を見つけ出したのだった。
道案内の下準備として読んだ本は、「神戸 闇市からの復興」「神戸・続神戸」「神戸ものがたり」の他、5冊。
超のつく方向音痴なので、地元にもかかわらず、案内日の朝は、3時間、下見で歩き回ってから、お二人を新神戸駅で迎えた。
その当時の旅の記録は、安田さんの記事「探しています、祖母の生きた証を」という記事にまとめられ、新刊「国籍と遺書、兄への手紙」で、そのルーツを巡る旅の続きがまとめられている。
新刊は、自分事として、心と身体にじっくりと言葉を浸透させながら読んでいる。まるで自分自身のルーツをめぐる旅のように。
いよいよ伊藤詩織さんがまとめた、安田菜津紀さんのドキュメンタリー「ルーツをめぐる旅の先に」が、明日(26日)の夜、NHKのEテレで20時から放送されます、という連絡を、安田さんから頂いた。
早速、普段つけることのないテレビの番組欄から予約のボタンを押した。(予約可能時間は80時間以上あった)
当時読んだ、お二人の著作に、10年後の娘宛にサインを書いていただいたのが、自分へのご褒美。娘に本をプレゼントするのは、あと7年後、中学生になってからだ。
そういえば、昨夜、観た映画では、「過去は決して死なない。過ぎ去りさえしないのだ」というフォークナーの言葉が、引用されていたのだった。
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