元祖平壌冷麺屋note(156)
洋服姿で訪ねた、まやむすびで、「誰が結婚するの?」と訊かれて、「S君と結婚するの」と娘が、回答していた。親戚の結婚式は、未来の結婚式の下見なのか。
新郎は、又従兄弟(ハラボジ同士が兄弟)で、教員時代の学生でもあり、新婦は現教員で、冷麺屋のアルバイトの従姉妹にあたる。
そのアルバイトの子の父は、自分の高校時代の恩師でもあり、教員時代の上司もまた、その家族の親戚であるので、要するに、遠い親戚で繋がったということになる。
知り合いを辿り続けると、皆が皆、親戚になる説。ひとつの大家庭。
従兄弟の子供が終電を逃したサラリーマンのように、並べた椅子の上で爆睡した後、寝ぼけながら義弟(妹の夫)に「パパ」と抱きついて、そのまま、また寝たのがハイライトだった。
新郎の挨拶も、新郎の父の挨拶も、新婦の手紙も、両親や周りの人への感謝の気持ちが溢れていて、愛情を受けて育った人は、それを自分以外の、人のために還元するのだという原理を感じた。
ラブ・アンド・ピース。言葉にするのは簡単。行動に起こすのは難解。
いや、難解ではないのかも知れない。難解にしているのを、人のせいにしてはいけない。
世界でいちばん新しい夫婦から、そのことを教わったのだった。
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