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JOMONの家族観

2015年夏、カックウと友達になった日、実はもっとJOMONに惹きつけられたものがあった。「足形付土版」である。

「足形付土版」は、粘土に子供の足を押し付けて、囲炉裏のようなところで簡易的に焼かれたものだと思われるが、なぜ「足形付土版」をつくったのか、なぜお墓から出土したのかなどを、展示されている資料を見ながら自分なりに想像したとき、JOMONの家族観に感動して涙が止まらなくなった。

自分の解釈では、なんらかの理由で亡くなってしまった子供の形見として、亡くなった子供の足形を押し付けて土版をつくった。大事なときには身につけ、普段は家の祭壇に紐をつけて、ぶら下げてあったのではないかと考えている。

亡くなった子供を悲しむ親の気持ち、その親が亡くなったときお墓に一緒に埋葬した家族の想いは、現代に生きる自分よりも、強く、正しいものなのではないかと感じた。

現代は、家族との繋がりが希薄になり、子供への虐待事件が絶えない。本当に大切なものは何なのか、カネ、モノ、発展という現代の豊かさではなく、家族や自由な時間であることをJOMONが教えてくれている。