ニーチェアエックス ロッキング shikiri レビュー いつまでも座れる喜び
自宅のマンション室内が狭いこともあり、幼い2人の子供達が自由に動き回れるようにと、コロナ禍が訪れる少し前にリビングのソファを処分して、家の中のスペースをなるべく広くとっていました。
しかし、ソファを処分して間もなくコロナ禍となりました。外出する機会の減少に伴い、自然と在宅することが多くなりました。そこで、問題になったのはソファがないことです。ソファの処分と同時に、ビーズクッションを導入していましたが、子供のおもちゃ代わりとなってしまい、タイミングを逃すといつまで経っても座れない始末。だからといって、床上にそのまま座っていると背もたれがないため、長時間は座ってられません。
そこで、新たに椅子の購入を考えました。購入にあたり、以下の点を満たす椅子を探しました。
気軽に移動できて、収納できる(必要に応じてスペースを空けられます)。
簡単に片付けられる(組み立て型では面倒。出すのが億劫になります)。
子供が座りにくい(主に私がくつろぎたい)。
くつろげる(これが目的。背もたれは必須)
色々と探した結果、購入したのはコチラ。Nychair X(ニーチェアエックス)ロッキング shikiri(シキリ)です。
ニーチェアエックス
ニーチェアエックスは、デザイナーの新居猛氏によって1970年に発売された折りたたみ椅子です。日本的な住環境を背景に、折りたたんで収納がしやすい椅子として生まれた同シリーズは、「座り心地を落とさず、とにかく安く、道具のように役に立ってこそ椅子」という信念のもと、その技術を受け継ぐ作り手たちによって今なお、進化を遂げながら続くロングセラーです。
また、ニーチェアエックスには通常モデルと、ロッキングモデルが存在します。通常モデルは床に近い座面で深く腰掛けられるタイプです。一方、ロッキングモデルは、背もたれの角度は通常モデルと同様ですが、足が丸みを帯びているため揺れ動くことが可能です。背もたれの角度は大きい椅子は、リラックスするには良いのですが、一旦座ると起き上がりたくなくなります。しかし、ロッキングタイプは、揺れの反動で起き上がるのも容易です。
shikiriと無印の違い
ニーチェアエックスは無印と、shikiriの2種類のブランドが存在します。shikiriの素材は、無印とは異なっており、デザイナーの河東梨香氏によってリデザインされたものです。無印は原色でシンプルな佇まいなのに対して、shikiriは格子状の柄と落ち着いた色使いによって、和室・洋室いずれもマッチする外観となっています。なお、椅子そのものとしての機能はニーチェアエックスと同じです。
ニーチェアエックス ロッキング shikiriのカタログスペック
では、私の購入したニーチェアエックス ロッキング shikiriのカタログスペックを見ていきましょう。
質量:6.5 kg
耐荷重:95 kg
折りたたみ時の厚さ:約15 cm
定価:¥63,800(税込)購入当時
持ち運びは容易で、折りたたみ時の場所もとりません。椅子の生地には「倉敷帆布」が使用されており、非常に丈夫です。ニーチェアエックスに座る私の上に子供達2人が乗ってきても、破れる気配はありません。
収納も実に簡単で、椅子の正面に対して左右両側から中心方向へおりたたみ、肘掛けの紐を引っ掛けるだけでOKです。
強いて短所を言うなら、価格でしょうか。ここ数年で何度か値上げされているため、欲しいと思ったらすぐに購入するのがオススメです。生産速度もあまり高くないようで、私が購入する時はニーチェアエックスの在庫が殆どありませんでした。
sikiriの外観
shikiriは3種の帆布デザイン(ライトグレー・ダークグレー・ブルーグレー)と、2種の肘置き(ソープフィッシュ・チャコール)の計6種の組み合わせがラインナップされています。それで、私が購入したのはライトグレー✕ソープフィッシュの組み合わせです。
私の家のインテリアはホワイトまたは淡い木目の製品で構成されているため、それらの色遣いと馴染むように合わせました。こうやって色遣いをあわせられるのもポイントですね。
実際の座り心地は?
座ってみるとシートの帆布が適度に沈み込み、腰やお尻がシートに自然にフィットします。私は身長170 cm弱ですが、頭まで座面に包まれ、床までの距離もちょうどよく、軽い力で前後に揺れることが可能です。肘かけの高さも自然で、肘を自然に置くことができます。背もたれの角度は、くつろぐにはちょうどよく、自然に身体全体を預けられます。
リラックスした状態でテレビ鑑賞、読書ができるのはよいのですが、そのまま寝落ちしてしまいそうになるほどです。こんな折りたたみ椅子なんてアリ?と思わせられます。
さらにくつろぎたい時は、足元にクッションを置き、ニーチェアエックスのオットマン代わりに使用します。ここまですると本当によく眠れます。
この椅子は、デザインと座り心地が一体化しており、どの場所でも自然とマッチします。この普遍性が、約50年もの魅力が続く理由だと思います。