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クーフーリンの生まれ故郷Dundalk一日旅行

 私は語学留学でアイルランドに滞在している大学生です。
 今回の旅行の前日にどこかに一日旅行に行きたいと突然思いつき、今日は北アイルランドの手前の都市であるDundalkに行ってきました。
まず、ダブリンからはDundalkのショッピングセンター行のcoach(長距離バス)が出ているのでそれを使いました。900番もしくは901番の、Marshes SC です。大体ダブリンから二時間ほどで到着するので一日旅行にはぴったりの場所だと思います。

 私は正午にDundalkに着いて最初にCounty Museum Dundalkという博物館に行きました。入場料無料の博物館で、三階分の展示物がありました。三階は主にアイルランドの先史時代、Dundalkの地層、考古学者とは何かの展示がありました。二階は中世の展示で、その地にある十字架や、St.Brigidという聖職者について、その時代の人々の暮らし方が展示されていました。二階を見ていると職員の方に呼び止められました。どうやら一時から二時は昼食の時間で博物館が一時的に閉まるということでしたので一旦一階の展示物は後にしました。

 昼休憩で博物館に入れない間、私はあるところに向かっていました。それは英雄クーフーリンの城(Cù Chulainn`s Castle)です。前日に友達にDundalkに行くよということを伝えたところ、その街はクーフーリンの生まれた街だというのでその伝説にちなんだ場所はないかと調べていたら、街のはずれにクーフーリンの城があることを発見しました。というわけで、そのお城と博物館が今日の私の目的地でした。お城までは街からも徒歩で行けないことはないのですが少し遠かったのでバスを使いました。大体10分ほどだったと思います。バス停で降り、人気のない方に歩いていくと右手にゲートが見えました。ゲートの左側にはクーフーリンについての情報の書かれた看板があり、その情報によると、どうやらお城の近くに彼の生まれた場所を示す岩が置いてあるとの事でした。ゲートの中には舗装されてない一本道があって、無数の木が一本道沿いに生えていました。飛び交う虫やぬかるみに気を付けながらまっすぐ進むと、急に視界が開けて、丘の上に城の先端が見えました。左のほうから上に向かって進み、そして城が見えました。城と言っても大部分はもう残っておらず、塔のような場所しか残っていなかったのですが個人的に大満足でした。一通り見終わった後、同じ道を戻る際に左側を注意深く見ていたら茂みがない部分があり、そこから彼の誕生した岩を見ることができました。その岩は私有地らしき牧草地の中に立っており近くに行くことはできませんでしたが、林によってできた影と牧草地にかかる光のコントラストによってその岩が浮き出るように見えました。
 これは私の考えなのですが、このお城と岩に行く際は二人以上で行くことをお勧めします。まず、お城にたどり着くまでの道は林に囲まれており、街からも少し離れていたので何かがあっても助けを求められないと思います。次に、お城の近くに廃墟があったのですがそこは落書きが沢山書かれており、あまり治安の良い感じではありませんでした。実は私は最初に間違えてその廃墟に行ってしまったのですが、よくない雰囲気を感じ、早々に立ち去りました。

 お城のあと、私は中心街に戻りました。Dundalkにはたくさんの壁画アートがあり、聖職者St.Brigidのイラストやグリッジを活かしたアートなどがあり、街を歩くだけで心が躍りました。昼食を食べたあと、見れなかった一階部分の展示を見るために博物館に戻りました。一階の展示は主に近代で、近代におけるDundalkの産業について事細かく書かれていました。博物館は全体として情報量がとても多く、新たな発見もあり満足しました。隅から隅まで文章を読むと、4から5時間ほどかかると思います。もちろん英語がさらさら読める人はもっと素早く理解できると思います。
 またクーフーリンの情報に戻るのですが、どうやら博物館の中の展示によると、彼の死んだ場所と言われるところもDundalkの近くにあるようでした。Clochafarmore Standing Stoneという名前です。時間があれば今度の旅行にでも行ってみようと思います。

 その後私は港のほうへ歩き、北アイルランドとの境目にある高い山を海沿いに眺めていました。そのころには夕方の5時を過ぎていましたがアイルランドは高緯度の国なので、5月の5時はまだまだ明るかったです。
 そして最後にショッピングセンターに戻り、バスに乗ってダブリンに向かい私の1日が終わりました。

 Dundalkは私が持っているガイドブックには何の情報もなく、行き当たりばったりの旅行になりました。しかし、深い歴史を持ち、様々な産業の要所にもなったその街が今では私は大好きです。まだあまり知られていない場所だとは思うのですが、この文章を読んでくださった方が少しでも行きたいと思っていただけたら幸いです。

 

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