国公立大学は一般選抜で最大何回受験できるのか?
「一年の計は元旦にあり」
ということで、そういえば1/13・14に大学入学共通テストがあるなと思い、ふと湧き上がった疑問
「国公立大学は最大何回受験できるのか?」
私立大学は日程さえ被らなければ期間内に毎日受験できる一方で、国公立大学は果たして理論上何回受験できるのか?
気になり、調べましたのでつらつらと書き並べてまいります。
2回?3回?
国公立大学の一般選抜においては基本3つの日程があります。
①前期日程(2/25〜)
②公立中期日程(3/8〜)
③後期日程(3/12〜)
②公立中期日程を知っているかで「2回」または「3回」という回答に分かれるかと思われます。
しかし、残念ながらどちらとも不正解です。
「え?これ以上ないだろ?」と思う方の思考は健全です。
では、答えを発表しましょう。
正解は“10回”
「多すぎだろ!」と筆者も思いました(笑)
実は、公立大学の中には独自日程を採用している大学が4校あります。
・国際教養大学(秋田県秋田市)
・新潟県立大学(新潟県新潟市)
・芸術観光専門職大学(兵庫県豊岡市)
・叡啓大学(広島県広島市)
※一応所在地も載せておきます。
順番に日程を見ていきましょう。
国際教養大学
3つの独自日程があります。
①A日程(2/3)
②B日程(2/17)
③C日程(3/14)
2004年開学。
歴史は20年と浅いながらも、公立大学の中では最難関の地位を獲得しています。
全講義が英語、1年間の海外留学必須、24時間開いている図書館などで有名です。
新潟県立大学
国際教養大学と同様に3つの日程があります。
①A日程(2/3)
②B日程(2/18)
③C日程(3/14)
前身は県立新潟女子短期大学であり、2009年に改組する形で開学。
国際系と家政系の3学部構成となっています。
芸術観光専門職大学
2つの独自日程があります。
①A日程(2/11)
②B日程(3/3)
2021年に開学。
ダンス専用スタジオなどを備えており、舞台芸術を本格的に学べる国内唯一の公立高等教育機関となっています。
叡啓大学
1つの独自日程のみです。
別日(2/23)
2021年に開学。
読み方は「えいけい」大学。
ソーシャルシステムデザイン学部の単科大学。
「実践力」「国際教養力」「グローカル」を標榜しています。
理論上最多受験スケジュール
①2/3 国際教養大学or新潟県立大学 A日程
②2/11 芸術観光専門職大学 A日程
③2/17 国際教養大学 B日程
④2/18 新潟県立大学 B日程
⑤2/23 叡啓大学
⑥2/25〜 前期日程
⑦3/3 芸術観光専門職大学 B日程
⑧3/8〜 公立中期日程
⑨3/12〜 後期日程
⑩3/14 国際教養大学or新潟県立大学 C日程
2/3と3/14は国際教養大学と新潟県立大学の日程がバッティングしてしまったため、11〜12回の可能性が現時点では消えています。
理論と実践は異なる好例
「最大10回も国公立大学にトライできる!」と嬉々として受け入れる方はいませんね(笑)
所在地を見る限り、秋田-新潟-兵庫の移動は免れません(叡啓大学はオンライン入試のため広島に行かなくてOK)。
また、前期・公立中期・後期の大学次第では更なる移動が予想され、それだけで疲弊してしまいそうです。
加えて、独自日程を持つ4大学は学部・学科の系統も異なりますし、受験する方の志望とマッチしない可能性が高いです。
そして、この理論1番の問題はコストです。
国公立大学の受験料は1回あたり約17,000円。
10回受験のため、まず170,000円が飛びます。
極め付けは、移動費と滞在費。
前泊アリなら最低10泊。
移動は新幹線または飛行機となるはずです。
怖いくらいに費用が嵩みに嵩みます。
1ヶ月ちょっとで100万円は見ないといけませんね…
ブルジョア受験生の皆さんは是非全部受験してください…
受験は計画的に
国公立大学一般選抜の回数を理論上最大化してみましたが、やはり現実的ではないですね(笑)
基本方針は前期・公立中期・後期の3回で組みましょう。
また、最近は後期日程終了後に実施される2次募集が賑やかになっています。
2次募集とはいわば国公立大学が実施する欠員充足のための追加募集です。
2023年度はなんと13校143名の募集がありました。
希望する学部・学科が残されているかは各大学のリリースまで不明ですが、全敗した時の一縷の望みとして頭の片隅に入れておいてもらえればと思います。
最後に補足
国公立大学を受験するためには、共通テスト受験票に付属している「成績請求票」を出願時に必ず添付する必要があります。
「前期日程用」「公立大学中期日程用」「後期日程用」は各1枚ずつのため、そもそも独自日程の4大学に出願できるのかという疑問が生じると思います。
しかし、ご安心を。
独自日程には「私立大学・公私立短期大学用」を使用します。
1つの受験票に18枚付属しているので7枚使って、残りは私立大学の共テ利用にお使いください(笑)
なお今後、独自日程を持つ公立大学の増減で理論値は変化していきますので、最大10回(令和6年度現在)といたします。