夫婦円満の秘訣は台所にあった
"あれ、私、
今日ずっと台所に立ってる"
そう思ったのは、息子が生後9か月のころ。
離乳食が、1日3回食になり、
・作り置きはしない
・まとめて作って冷凍しない
・お出かけするときは、必ずお弁当を作る
と決めていたから、ずっと台所に立って作り続けていたのだ。
ご飯を作っては食べさせて、
ちょっと息子が寝た隙にまた作る。
自分のご飯は適当に、
白米1杯の日もあった。
2人目の娘が生後9か月のころも、私は同じように台所に立ち続けた。
背中には娘をおぶって、体を揺らしながら。
1人目の息子のときよりは、要領よく離乳食を作ることができるようにはなった。
しかし、
"あ、私、また台所に立ってる"
と思うほどだった。
こだわり続けたご飯作り
立ち続けた台所
"ここは私の居場所なのかもしれない"
と思った。
台所でご飯を作りながら、泣いた日もある。
子どもの泣き声がしんどい
ママ、ママって何度もいわないでほしい
あ、また子どもに強く言い過ぎた...
だいたいが、我が子に対しての反省だ。
怒りすぎたなと思いながら、子どもたちの笑顔に救われて、また涙が出ることもあった。
でも最近、私の居場所だと思っていた台所は、私だけの場所ではないことに気づいた。
先月のこと。
夕食を終えたあと、夫がいつものように洗い物をしてくれていた。
私がご飯を食べ終えたころには、ゴミの日だったため、ゴミをまとめてくれていた。
すると、息子が
「パパ!ゲームしよう!」
パパとゲームをすることを待っていたのだ。
私が食べ終えたのに気づいてパパを誘った。
「今、ゴミまとめてるから、待って」
夫がそういうと息子は
「ママがやったらいいやん」
といった。
夫は声色を変えた。
小さく低く、真剣な声で伝えた。
「なんでママがしないといけないの」
息子は何も言わず、夫は続けて
「これ終わったらゲームするから」
といった。
息子はパパとゲームをする約束をしていた。
でも、約束をしていたからといって、「ママがしたらいい」と言葉にしたことに対して、夫は"どうかな"と思って言たのだと思う。
もう6歳のため、大人の言っていることはある程度わかる。一人の人としてかかわったのだ。
その言葉は、私にとっても
ママがする仕事であると決めつけない
ママがすることを、当たり前と思わない
と意味するとも受けた。
とてもうれしかった。
子どもたちがもっと小さいころは、私が授乳していると、夫が一人で台所で洗い物をしていた。
その後、私と交代で、子どもたちと遊んでいてくれていた。
台所には、どちらか一人。
でも、子どもが大きくなるにつれて、子どもたち同士で遊ぶことも増えた。
すると夫は、私がご飯を作っていると洗い物を。
夫が洗い物をしていると、私は食器を拭いて片付けるようになった。
いつの間にかできた役割。
けれども、子どもとのかかわりが必要であれば、様子をみてどちらかが行く。
どちらかの役割ではなく、お互い、できる方ができることをしていた。
私はね、専業主婦だから、家のこと、育児のこと、なんでもやらなくちゃって思ってる。
"あ、またいっぱい手伝ってもらったな"って反省する。
でも、夫が「なんで、ママがしないといけないの」と息子に言ったとき、救われた。
家事は、ママがするのが当たり前、と思わずしてくれているんだと思ったから。
手伝うって気持ちでもない。
"自分がやる"って気持ちで動いてくれているんだろうなと感じる。
きっと、旦那さんに家事をしてもらっている方って、たくさんいると思う。
ご飯は作れないけど、洗い物はしてくれてる。
ゴミを奥さんがまとめたら、ゴミ出しくらいはする。
そんな旦那さんもいるだろう。
でも、私の夫は、そうではない。
ご飯作りも、娘が「ママがいい」といえば、少しの時間でも、代わりに台所に立って、野菜を炒めてくれてる。
「何しといたらいい?」って聞いて、少しでもできることを進めてくれる。
ゴミ出しだって、朝持って行くだけではない。まとめるところから一緒にやってくれる。
私がやってるからではなく、まだ集めていないところから一緒に集めてくれる。
任せっきりにしないんだ。
私はドジでのろまだよ。
それでも、夫は私がどうこうではない。
自分でできることをいつも探して、行動してくれている。
いいよね、旦那さんが優しくて
私は一人でやった方が楽
そんな声も聞こえる。
だけど、私は夫自慢をしているのではない。
夫が一緒に家事をしてくれることで、気づいたことがあるんだ。
それはね、夫が一緒に台所に立ってくれることで夫婦の会話が増えたなと。
夫は、仕事から帰ってきたら、まず台所へ来てくれる。
一緒に台所で家事をしながら、夫は職場でのことを話し、私は子どもの話をする。
今日感じたこと、思ったこと、考えたことを共有する。
笑ったり、泣いたり、どうしたらいいのかなって一緒に考える。
台所に立つと、お互いずーっと話したり聴いたりしてる。
そして、毎日話しているうちに
"あれ、私の台所が、私だけの居場所じゃない。夫と2人の居場所になってる"
うれしい気持ちと共に気づいたんだ。
横に並んで話したり、
お顔を見て「今日は疲れた顔してるね。どうしたの」ってから話が始まったり。
私は、この時間が好き。
夫と台所で話をする時間が。
でも、それは夫が、家事を私がするのが当たり前と決めつけてないからこそ、作ることのできている時間。
たまに、夫婦円満の秘訣は?って聞かれることがある。
私は、夫を尊敬して、信頼してるからっていつも答えるんだど
それって、お互いが話をする時間がないと、すれ違いが起きて、崩れることがある。
なんでも話しているからこそ、私は夫へ信頼や尊敬する気持ちが強くなっている。
私は夫の行動によって得られた、うれしい夫婦の形を伝えたい。
自分の居場所があるって大切だ。
自分の居場所がないと疲れちゃうもんね。
でも、誰かと共有する居場所は、泣いたり、イライラしたりする場所ではない。
誰かと共有する居場所は、
自分を受け入れ、相手を受け入れ、
相手に支えられて、自分も支える
大きく前に進んでいけるきっかけを与えてくれる場所なんだよ。
相手の顔を見て
あれ、今日はクマがひどいなと思ったら、
「疲れてるね、どうしたの?」と声をかける。
今日は寒いなって思ったら、温かい飲み物をコップに2つ入れる。
相手が動いているのなら、自分もできることを探す。
そしたらさ、
夫婦2人の時間が、夫婦2人の居場所になるよ。
あなたの居場所は、誰かと共有できていますか。
居場所は、ただ自分がいるだけの場所ではなく、誰かとつながり、支え合い、心を通わせる場所でもある。
もしあなたが"ひとりで頑張らなきゃ"と思うことがあれば、少し立ち止まって、隣にいる誰かとその場所を共有してみませんか。
その居場所が、あなたにとっても、誰かにとっても、"話したい"、"今日は一緒にいたい"と思える場所に変わるかもしれない。
相手に声をかけることから、あなたの居場所はもっと温かく、居心地の良いものになる。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
仕事が忙しかったり、疲れていたりすると、なかなか居場所を共有するのは難しいかもしれません。でも、私は夫と台所に一緒に立って会話をすることで、心が軽くなり、夫婦円満の理由の一つに繋がっているなと感じています。