すばらしい人生を歩むために蝉になってみた。
蝉になりたいと思ったのは今年の夏。セミファイナルなるものに久しぶりに遭遇した時のことでした。
足先が当たったのか、もしくはぎりぎりで回避したのかはわかりませんでしたが、彼はどこにそんなエネルギーが残っていたのかわからない程に藻掻き、そして羽をバタつかせました。命の火は、どうやら消える直前にもっとも激しく燃え盛るようです。
そして彼は最後の力を振り絞り、もう一度空へ飛び立ちました。そうして、一瞬だけ空の青さを堪能したであろう彼はそのまま鳥に咥えられ、さらなる高度へと旅立って