ダイエット目的の糖尿病治療薬使用について2つだけ言わせてください。

YouTubeの広告で糖尿病治療薬がダイエットの薬として宣伝されているのを見かけてしまいました・・・。

さらに、好きだったYouTuberさんがダイエット方法として糖尿病治療薬を紹介していました・・・。

なんとも言えない気持ちです。

使用している方々が本当にリスクを理解して使っているのであれば、クリニックからの自費での購入ですし、文句は言えません。
医師からの正しい説明があれば使用できないことはありません。

ですが、

2つだけ知ってほしいことがあります。

副作用被害救済制度の対象外になる可能性が高い

副作用被害救済制度とは
適正に使用したにもかかわらず入院治療を必要とする程度の副作用が出てしまった場合、医療費や障害年金等の給付を受けられる国の制度です。

「適正な使用」とは、原則的には医薬品等の容器あるいは添付文書に記載されている用法・用量及び使用上の注意に従って使用されることが基本となりますが、個別の事例については、現在の医学・薬学の学問水準に照らして総合的な見地から判断されます

Q2 「適正な使用」とは、具体的にどのような使用をいうのですか。 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 (pmda.go.jp)

ダイエット目的での使用は適応外使用となります。
適応外使用は適正使用されているとは言えません。
よって、副作用被害救済制度を利用できない可能性が高いです。

妊婦の方は使用注意

ダイエット目的で使用するほとんどの方が20~30代の妊娠適齢期の方々だと思います。

とある内服薬では、動物試験において、臨床用量に相当する、または下回る用量において胎児毒性が認められています。
妊婦、又は2ヵ月以内に妊娠を予定するものは使用注意となっています。

妊娠希望の方はあらかじめ医師と相談しておくのがいいでしょう。

最後に

先日「GLP-1 受容体作動薬および GIP/GLP-1 受容体作動薬の適応外使用に関する 日本糖尿病学会の見解」が発表されました。
jds_statement_GLP-1.pdf

薬剤師の私が言えることは少ないです。

ただ言えることは、皆様の健康が一番です。
美を追求するのはいいことですが、それは健康な体があってこそです。

自分の体は自分しか守れません。
正しい知識をもって、使用していただけるように願っています。


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