#1 発作生誘発性舞踏アテトーゼ(PKC) 中学2年生で発症
私がスポーツを「する」ことから「支える」ことに切り替わった分岐点は中学2年生の時でした。
私の両親は習い事は、やりたい事は全てやらせるが提案はしないタイプだったので、スポーツに関わるのは体育のみ。
小学生の時からスポーツが好きになったきっかけは多分、水泳の授業。
25mプールを足着くのありで往復泳ごうというプール授業のテストがあり、最初の25mを泳ぐと自分以外周りに誰も居なくて立ち尽くしました。
スタートするタイミングをミスって1人で泳いじゃった?やらかした。
しかし、よく見ると真ん中らへんでみんなが泳いでる。
単純に爆速で自分が泳いでるだけでした。
この快感を覚えながらも、目立ちたくないと思う私は他の子が来るまで待ち、その後はゆっくりと泳いで帰りました。
このとき、周りに合わせる事を覚えはじめました。
小6で165cmあったためか、スポーツがイージーで楽しいという思いを持ちつつ、謙虚に運動を楽しむようになりました。
小学生の思い出はこれくらいです。
中学校は県立校に入学し、部活見学で楽しそうだったソフトテニス部に入部。
この頃からサッカーに対する思いはありましたが、サッカー部には入りませんでした。
理由は、単純に自分の中でサッカーが1番ではなかったから。
スポーツを「する」「見る」ことが大好きであった私は、サッカー、テニス、バスケ、野球、スキー競技、バドミントンその他もろもろ網羅してルールを覚え見て楽しんでしました。
所属する部は県大会を目指す程度の一般的なレベルで毎日楽しく活動。
しかし、ある日突然、走ると左半身に違和感。
2週間くらいは気にせず運動を続けていましたが、ある時全力で走ると
左半身が「グニャ」
そんな効果音がピッタリのねじれ現象が。
中学2年生なんて知識が全くない子供なので、ねじれる意味が理解できずただただ恐怖。
感情としては、不安と恐怖、そしてこれから全力プレーができない絶望感。
その時からパソコン操作ができたため親に相談する前に検索。
中学生なりに「左半身 ねじれる 病気 走る・・・」などのワードを考え選んで調べても出てこず1ヶ月経過。
ふと、発作という言葉を見つけ、付け加えて検索をかけると「てんかん」が出てきました。
その後見つけたのが「舞踏病」。
ここで自分の状況と合致する「発作性誘発性舞踏アテトーゼ(PKCまたはPKD)」を発見。
後日談ですが、私の地域で担当できる医師はおらず、2週間に1度数時間のみ診察してくれる県外からの派遣?医師1名のみらしく、その先生に出会えたのも奇跡であり、その先生も見当もつかない病気らしく、病名を提示してくれなかったら見つけるのが難しいと言っていました。
検索大事。
病名の第一印象は「めっちゃ名前難しいやん」。
見つけてすぐ親に報告。
この病気持ってるから病院に行きたい。
親は不安そうにして心配してくれました。
そんな感じでいろんな病院に行き、専門の先生に出会い、色々脳神経や遺伝子の検査を受け、異常はなく判定の仕方も分からないので最後は提示したものに違いないのでは?という事で病名確定。
飲み薬(抗てんかん薬)を飲み、症状の経過観察を行うも、改善されず、結論どうにもできなかった。
この頃、部活で全力を出すと立っていられなくなるため、常に力を抜いてプレー。
その後、部内で2番手だったのが3番手に降格。
ダブルスのパートナーにはもの凄く申し訳ない気持ちであり、自分以外に迷惑をかけるという病気の怖さを1番感じた瞬間でした。
「する」ことに対する熱量はこの時に止まり、「支える」に関することに目を向けれるようになりました。
病気にかかってからある期間は常に「死」の恐怖を感じていました。
このまま左半身が動かなくなって、次に脳が動かなくなって...
この事で私の性格は固まって行ったと思っています。
自分の人生なんだから好きなことしなきゃ。
みんな一度は経験するであろう、
死んだ後どうなる、
生きて存在する意味、
この世は何故あるのかについて
その期間はかなり真剣に考え、家庭を持ちただただ普通に暮らして死ぬなんて生きる意味を持たないのでは?
普通の家庭を持つより、非日常を経験しまくる方がいい。なんて偏屈なこと考えていました。
この時から生きる価値は自分が好きなことをしつつ、どれだけ死んだ後に何かを残せているのかによって変わるのでは無いかと思考するように。
今となってはこの病気で死ぬことは無いと分かっていますが。
死んだ後に残るものとはなんなのか、自分は何が合っているのかと考えると浮かんできたものはスポーツ。
地元のスポーツに関われればいいかなとアバウトな考えを持ち、高校に進学するうちに不完全であるが具体的な目標に変わっていきます。
地元のスポーツはどんな感じなんだ?と疑問を持ち、他のスポーツをやりたいと思い高校ではバスケ部に入部。
・・・#2へ続く
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以下、病気について
「発作性運動誘発性舞踏アテトーゼ
(PKCまたはPKD)」
名前については複数あるようです。
・特発性発作性運動誘発性舞踏アテトーシス
・発作性運動誘発性舞踏アテトーシス
・運動誘発性発作性ジストニア
詳細は参考文献一覧のURLからお調べください。
病気の概要
参考文献の③のサイトが簡潔で1番分かりやすいと思います。
①論文から
運動開始時に突然起こり、アテトーゼ不随意運動症状を起こす稀な神経系疾患である。そして、30歳を超えてくると自然治癒されるという本体不明の疾患である。
②解説サイトから
非常にまれな疾患と考えられています。運動開始時に突然起こるアテトーゼ(手足や顔等がうごめくような動き)と呼ばれる不随意運動を認めます。実際は発作が目につかないような軽度である場合も多く、一時的とされます。
症状の特徴
・手足や顔が勝手に動く
・手指に細かいふるえがある
・けいれん発作があった
・左右対称ではない、けいれん発作があった
・全身がこわばり、がくがくするようなけいれんを起こした
・顔をピクピク、肩をゆする、瞬きをする等、癖のような動作を繰り返してしまう
・意識を一時失った
参考文献をまとめると、
・動作や驚きにより突然生じる、手足の片側もしくは両側の意図しない動き(不随意運動)を伴う病気
・頻度は150,000人に1人とされ、稀な病気
・発症年齢は一般的に小児期~青年期に多いですが、報告では4か月から57歳と幅広い年齢の報告があります。家族性の場合には、男性に多い傾向があります。
・家族性の場合もあり(常染色体優性遺伝)、家族性の方がむしろ孤発性(家系内で一人のみが発症)よりも頻度が高いと報告されています。
・乳児痙攣の既往がある方が少なくありません。
・一般的には、年齢とともに発作の頻度は減少し、20歳代までには治まっていきます。女性では男性より経過がいいようです。
ひきがねについて
発作は、座った状態から立ち上がるような急な動作によって起こりやすいほか、歩行中、走行中、ベッドでの寝返り、手足の関節の屈伸などの運動で生じます。月経、寒気などで起こることもあるようです。家族性の場合には,感冒,過換気,精神的緊張も発作の引き金になることが報告されています。
頻度や状況について
多くの場合、発作は数秒から1分以内ですが、数時間続くケースもあります。
発作中も意識は保たれます。時に前兆もあります。
発作は、少ないケースでは月に1回程度ですが、多い方では1日に数十回以上起こります。
検査について
一般的に、MRIでは異常を認めません。
一般的に、脳波では異常を認めません。
てんかんの部分発作により発作性ジストニアを呈することがあるため、脳波検査も欠かせません。
薬について
一部の抗てんかん薬に治療効果があることが知られています。フェニトインやカルバマゼピンによって発作をとめたり,頻度を減少させたりすることができるため、診断に用いられます。
私からの補足
・本人以外は気付きにくいため、発見には本人の報告と、本人の運動時の動きに対する周りの大人の注目が重要となる
・発作のトリガーは個人差があり、イスから立ち上がる時から全力走の時と様々である
・抗てんかん薬による一時的に抑制についても個人差がある
・抗てんかん薬の服用には副作用として眠気、注意散漫があり、柑橘類の摂取禁止がある
以下私の症状について
中学2年生で発症
孤発性(家系内で一人のみが発症)
現在は出さないように生活していることと怪我による運動制限で全力で走れないため、治っているのか不明。
今現在も左半身の左面の皮膚全体にモヤがかかっているような違和感がある→これについてはどの先生からも気のせい(自分で左半身を意識しているから)と言われています。
発症後は左半身がねじれてかたまる。
肩と頭部がひっつき合う、左腕と左足のねじれが20秒ほどあり、徐々にほどかれる感覚です。
トリガーは、
走る時の力の出力が
・0→60程度に一気にあげる時
・出力の差が50以上に一気に上がる時
・どんな状況からも80以上になっている時
・ランニング程度では起きず、ランニングから全力走に切り替わってから10秒後くらいから発作が出る
・ヨーイドンで静止させられてから動く時の緊張があると発作の前兆を感じる
・日常生活動作では出ない
抗てんかん薬を処方されるが効果なし
2年間運動前に薬を飲んでいたが、中断し、経過観察となり、高校3年生からは通院も中断。
私自身は左半身の筋力の低下を感じているため、筋トレをしています。しかし、そのような事は起きないそうです。
積極的に同じ病の方を探していますが、会った事は一度もなく、医師の方にも私に会う前に病名を知っている方は居ませんでした。
質問、コメント等があればお気軽にどうぞ!
以下
参考文献一覧
検索日2024.8.13
①厚生労働科学研究成果データベース
(https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/17209)
公開日 2010-05-25
②発作性運動誘発舞踏アテトーシスと症状の関連性をAIで無料でチェック
(https://ubie.app/lp/search/paroxysmal-exercise-induced-dance-athetosis-d2733)
更新日 2023/01/25
特発性発作性運動誘発性舞踏アテトーシス 5 症例の検討
(https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/056030165.pdf)
公開日 2016
③はしぐち脳神経外科クリニック ホームページ内
脳ペディア 発作性運動誘発性ジスキネジア
https://hashiguchi-cl.com/page/brainpedia/発作性運動誘発性ジスキネジア/
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