Erick’s Counseling Roomをやり始めたわけ
私は、元法務省の保護観察官だった。
勤続37年、長いと言えば長いし、短いと言えば短い。何とも中途半端な年数。
「保護観察官って名前は聞いたことはあるけど、一体どんなことをする仕事かい」
そういわれると思う。保護司は最近、「前科者」という漫画やドラマ、映画で注目を集めた。その保護司と一緒に犯罪や非行者の処遇を担当する国家公務員だ。
保護司の上司という見方をされるが、うーん。有村架純がペコペコ頭を下げているのが保護観察官だけど、上司ではない。同僚だけど、一応保護司が所属する地区全域を担当する役人だ。
保護観察官は、一般職の職員になるので、公安職の刑務官などとは違う。
しかし、手錠をはめることはできる。引致状という逮捕状に近い令状を裁判所から出してもらえれば、その執行で手錠を持つことができる。
ただし、護身術を体得したわけではない普通の公務員だ。
まあ、元暴力団員で、筋骨隆々の粗暴なお兄さんの場合には、警察に協力を要請している。
なんか頼りないと言われるかもしれないが我々も家族を持つ身だから怪我はしたくない。
そうこうしているうちに私も課長から保護観察所長になり、その後地方更生保護委員会の委員になった。
委員というのは全国の高等裁判所所在地に設置されている行政機関で、主な業務としては刑務所や少年院からの仮釈放、少年の場合は仮退院というが、それを審査して決定する仕事になる。
刑務所に朝早くから出かけていき、6人から7人の受刑者と一人60分くらい面接する。それで仮釈放に関する面接が終わりになる。その前に保護観察官の面接調査があるが、仮釈放の重要な面接としてはそれだけである。
受刑者達が舎房で心待ちにしている仮釈放の面接がたったそれだけで行われてしまい、あとは、委員3人による評議(会議)で決めてしまうのだ。
私は大規模刑事施設を担当していたため、覚醒剤取締法違反か窃盗事件の者がほとんどであった。
薬物依存者と盗癖のある者、その中にはパチンコ依存、ギャンブル依存の者がある程度含まれていたから、依存症者を中心に面接していたといっても差し支えない。
また、仮釈放の話は別ところで書いてみたいと思うが、私は委員を6年して退職した。
退職後の2021年4月からErick’s Counseling Roomという名称でカウンセリングルームを開いている。
ERICKはMILTON H ERICKSON の名前を使っている。エリクの部屋であるが、2007年から楽天ブログに「エリクの部屋」というブログを投稿していた。内容はエリクのメタファということでエリクソンがメタファを使って治療を行うため、それにちなんで私もメタファを作ろうと思い、たわいもないメタファを作っていたのだ。それが楽天ブログからFC2ブログに移籍して今も続いている。
カウンセリングのケースについては守秘義務があるため、広言できないが、カウンセラーとしての経験やその他の経験を盛り込んだ様々な作品の発表の場にしたいと思っている。
稚拙な文章ではあるが、1人でも多くの方に読んでいただければ幸いである。
よろしければ、サポートをしていただけますでしょうか。 精一杯頑張りたいと思います。