海岸の葉っぱ
富山県にある砺波海岸に葉っぱがひとつ、砂浜に刺さるような形で打ち上げられていた。
どこかの木から落ちてきたものが偶然刺さったのだろう。
人々はそう思った。
実はそうではなかったのだ。
ある日白い鳩が大きな木の枝に留まって毛づくろいをしていた。
そのとき風が偶然吹いてきて鳩が留まっていた足先に大きな葉っぱが一枚ひっかかった。
鳩がそれを見て、嘴に挟んだ。
風がぴゅーんと吹き、枝を揺らしたので、鳩は飛び立ち、そのまま海岸あたりを飛んでいた。
嘴からするりと葉っぱが抜け落ち、砂辺に刺さったというわけだ。
とりとめもない話だが、葉っぱにしたら長い歴史物語だ。
そうやって一日一日過ぎていくのだ。
何気ない日々、その中には驚くような出来事が含まれているかもしれない。
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