パブリックコメントに送った全文


(多くの市民に知って欲しい)と思って書いたのですが、結局、私の送った意見はごく一部しか公開されませんでした。
以下が、全文です。
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<新座市都市計画マスタープラン(素案) >の50頁には「今後の人口動向や住宅の需給バランスなどを見据えつつ、土地区画整理事業などによる新たな市街地整備を検討します」 と、51頁には「地権者による市街化区域編入への機運が高まった際には、土地区画整理事業の実施など編入に向けた具体的な検討を行います。」と書いてありますが、今後、土地区画整理事業を行う場合には、これまでとは異なるやり方にすべきです。近年、新座市によって実施された3件の土地区画整理事業※の条例には
「保留地を設定できる要件」
が無く、この条例を守っただけでは違法な可能性があるから
です。

 保留地とはその売却代金を事業費用に充てる為に区域内で確保する土地です。土地区画整理法は、市など公共団体が施行する土地区画整理事業においては保留地の設定に
「施行後の宅地価額の総額が施行前の総額を超える場合」(土地区画整理法96条2項)
という要件を課し、設定できる状況を限定しています
。「整理後の総額が整理前の総額を超えないときは、減歩分を補う以上の価格上昇は無かったということだから、市が施行する事業の場合は事業費に充てる分の負担を区域内の住民に強いてはダメだ」という趣旨・目的だと思われます。
ところが、件の条例にはこの部分がありません。

 このような条例を基にして行われた新座駅南口第2土地区画整理事業は、公権力の恣意的な行使といえるものでした。まず最初から保留地を設定した計画を立てて、何の検証もせずにそのまま終了させています。市の担当の方は保留地について
「整理前と整理後を不動産鑑定しまして単価を算出します。整理後と整理前の総価格の差、これが保留地として取り得る面積となります」
と市議会では、説明していました
(平成 21 年 3 月 23 日の新座市議会第 1 回定例会)。

しかし当該地区の整理前(平11年)の地価公示価格(不動産鑑定評価の規準となる1㎡当りの価格)は22万7千円で、整理後(平26年)は21万7千円でした。(平均の価格はこれよりも2~3割低い価格になる)
 


 そこで、「整理後の価格が整理前よりも下がっているのではないか」と市側に尋ねたところ
「(区画整理後の総額と整理前の総額との差額の算出は)社会的情勢等を要因とする土地価格の変動は考慮しないものです。(整理後の総額は)類似の地域で土地区画整理事業が実施されている宅地の価額等と当該地区の整理前の宅地平均額を比較するなどして定めた整理後1㎡当たり予定価額に整理後宅地地積を掛けて算出されたものです」
といった回答でした。ようするに市議会で説明していた「不動産鑑定評価(額)」ではなく、「(市、自らが決めた)予定価額」によって、区画整理前に整理後の総額が決まっていたということです。そして
「予定価額によれば、法の定める要件を満たしているから違法ではない」旨の回答でした。

令和3年11月時点の市側の回答


この予定価額とは、この事業だけで使われた独自の評価価格です。しかし、このように施行者自ら決めた価格が許されるのなら法96条2項の規定は無意味になってしまいますから、それは法的にも許されないのではありませんか。

 なお、その予定価額(=平均の価格)は25万9千円で、これを根拠に定めた保留地の処分金額は「平成24年度2月末時点で14億1,663万3,312円」(平24年3月27日新座市議会第1回定例会)とのことです。もし本当の価格が25万9千円(1㎡当り)より低かったとしたら、事業区域内の住民は土地または金銭を過徴収されていたことになりますが、全く検証されませんでした。

 このようなやり方が法律に則っているとは思えません。近年行われた3件の土地区画整理事業は条例が同じこともあり、同様のやり方だと推察します。ですから今後土地区画整理事業を行う場合は、最初から保留地を定めたりせずに、客観的な評価を根拠にして法律に則ったやり方で行って欲しいです。

※ 新座駅南口第2土地区画整理事業、新座駅北口土地区画整理事業、新座市大和田2、3丁目地区土地区画整理事業

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一人でも多くの市民の方に読んでもらえますように。


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