切りたくない

とりあえずは病院に行ってみた。 
いまから5年前の話。

医師曰く、
おそらくステージ0で切除したらおしまいの
非浸潤がんです。切りましょう!

絶対いやだ、と思った。
私の姉3人もみんな切除してる。
長姉は42歳で手遅れで見つかってて
亡くなった。
私が病気になる2年前に。

姉が亡くなってから私は一生懸命に
がんについて勉強した。
病院に行かずに治す、いわゆる
自然療法的な本ばかりを
読んでいた。

石原結實医師、安保徹医師、ムラキテルミさん、
東城百合子さん、などなど。

ヨガもしていたからそれらの東洋医学的考えは
すんなり腑に落ちた。
亡くなった姉が抗がん剤による
肺炎で亡くなってたから、
もっと穏やかに治せたはずって
ずっと思っていたし。

だからもしガンになったら
自分で治そうって決めていた。

だけど。
母と父に懇願された。
切って治るものなら、どうか切って!と…

そうしてオペを受けることになった。
切るのは嫌だったけど
切ってしまえば
病院とはオサラバ
サヨナラって安心していた。
そして
ガン患者向けのヨガクラスをするんだ、と
意気込んでいた。
せっかく乳がんになった(なれた)んだもの。

でも、
そのヨガクラスをすることもなく
病院にサヨナラもできず
その数年後
私は救急車の中で
息も絶え絶え
こんなはずではなかった、と
変に冷静な頭で考えていた。


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