何者でもない自分

新卒で入った会社は、

仕事は殺人並みにやることが多かったが

人間関係で悩むことは、ほとんどなかった。

思い返しても、そうやっぱり言い切れるくらい

上司にも、先輩にも、同期にも、後輩にも

恵まれすぎた環境だった。

しかし、それが一歩踏み出すことを

躊躇させられる大きな理由だったのかもしれない。

私は、新卒で入った会社を約3年半勤務し

そして、25歳の秋に転職をした。

転職の1番の理由は、

毎日謀殺されるくらい仕事をして

目標達成をして、チームで賞を取って、上司に褒められて

先輩・後輩・同期に慕われて

家に帰れば仕事の話を家族にして

仕事終わりに先輩方と飲みに行って、また仕事の話をして、

そして、翌日起きたらまた仕事をして・・・・。

これだけ四六時中、仕事のことを考え

頭も心も取りつくされているのに

会社から一歩外へ踏み出した瞬間

結局、「何者でもない自分」に

気が付いてしまっていたからだ。

結局自分は、

この会社の、この部署の、この仕事の、この環境にいるから

だから仕事ができているんだ

という事実に。


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