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Ascenders College プロコース0期 第8回 〜神経学と実践、SAQ&プライオメトリクス編〜

初めまして。太田流斗と申します。
今回は、私の所属しているAscenders Collegeで行われているプロコースの第8回の内容をまとめました。
このコースはトレーニング指導でお金を取れるようになるためのS&C塾となっています。

第 1〜7回については0期生の方々がまとめてくれていますので、そちらも是非ご覧ください!


はじめに

今回のテーマは“神経学と実践、SAQ&プライオメトリクス“でした。
これらについての学びを各項目ごとに紹介できればと思います。

神経学と実践

“フットボールヴィセラルトレーニング“など、トレーニングにおいても多く活用されている神経学。深掘りして学ぶのももちろん重要ですが、実際にトレーニングに活用する場合は簡素化する必要があるため、ここでは、4つの原理原則

  • 脳は安全第一

  • 不要な情報処理⤴︎⤴︎  身体能力⤵︎⤵︎

  • 実践への移行においては、シンプルな反復練習<ランダムな練習

  • 言語的思考を介さない状況判断と運動調整の繰り返しが有効

についてそれぞれ解説していきます。

脳は安全第一

簡単にいうと、脳が危険だと感知すると出力が下がるということです。
言い換えると、トレーニングにおいて、この安全を害する負荷は出力向上につながらないということです。
スクワットやランジの姿勢をした相手に、徒手で嫌な感じがする負荷(ニーイン、アーチ潰すなど)を加えて出力がどう変わるかの実験で、これを実感しました。

不要な情報処理⤴︎⤴︎  身体能力⤵︎⤵︎

実験として、バーベルSQをしながら、
  ・音(タイマー、耳元で拍手)、
  ・振動
  (携帯のバイブレーション、マッサージガン)
  ・他のタスク
  (計算、頭の上のものを落とさない)
  ・視覚情報(目を瞑る)
などの不要な情報処理を加えてみたところ、いまいち違いを感じないものもあれば、明確に出力の落ちを感じるものもありました。
個人的に面白かったのはマッサージガンで、バーベルに直接振動を与えられると、ただ担いで立っているだけでもかなり重く感じましたし、マッサージガンの思わぬ使い道も発見できました笑


実験の様子

実践への移行においては、シンプルな反復練習<ランダムな練習

これはゴルフのパターでの研究で、同じ場所からとランダムに指定された場所からとで練習したとき、直後のパターのテストでは前者の成績が優れていたが、 1週間後同様のテストをすると、後者の方が成績が良かったという結果が出たそうです。
要するに、いろいろな環境、状況に適応する力を養う方が実践で活きるということだと解釈しました。

言語的思考を解さない状況判断と運動調整の繰り返しが有効

 3つ目と重複する部分もありますが、言語的思考を介さない=瞬間的に・無意識に状況を判断し、それに応じた運動調整をするという過程が、省エネで持続力のある高クオリティのパフォーマンスにつながるため、この能力を引き出すために 3つ目のような刺激が重要になってきます。

トレーニングにおいて、何かプラスアルファで加える刺激を考える時、この原理原則に基づいているということが重要なのです。




SAQ & プライオメトリクス

SAQやプライオメトリクスのトレーニングを行う際、クライアントに伝えるルールがいくつか存在します。

足運びのルール

  1. 右足を踏んだら左足を踏む

  2. 地面に蓋をする

1に関しては文章だけ見ると何を当たり前なことを言っているんだと思うかもしれませんがそんな単純な話ではありません。言い換えると減速する脚と加速する脚を分けるということです。
例えば、右に進んでいて左に切り返す時、右足をついて減速し、そのままの足で加速しようとすると、右足にかかる負荷も、時間的なロスも多いため、右足で減速したらすぐ左足をついてこの足で加速しようといったことです。

2は、1の例で挙げた切り返しのための減速の時に、斜めに足をついてしまうと、次に進みたい方向に対して逆の方向に地面反力が働いてしまいます。その地面半力のロスを最小限に止めるために、地面を真下に踏む=地面に蓋をするように接地するということです。

動きの順番のルール

  1. 軽いところから移動する

  2. 体幹部で起こりを作る

1は、身体の軽いところ=末端(手、肩甲骨など)から先に動かすことで、重いところ=体幹部から動かすより早い動きが可能になります。また、人間が暗闇の中を歩く時、自然と手を伸ばして情報を得ながら歩こうとするように、手や足などの末端部位はセンサーの役割も持つため、より多くの情報を得られるとことも軽いところから動く利点になります。

2は、重心を落とす動作において、足の裏を起こりにして動くのと、体幹(腸腰筋)を起こりにして動くのとでは、後者の方が圧倒的に素早い動きが実現できます。また、1と2を組み合わせの例として、方向転換の際に、②体幹で起こりを作り重心を落としたのちに、①肩甲骨から次に進みたい方向に動くことで、より効率的に素早く動作を行えるなどがあります。

上級者にしか伝わらない身体操作

弾性力を最大限に活かすためのテンションコントロール

筋繊維はエキセントリック収縮しながらも、腱も伸長している状態から筋繊維が元に戻ろうとする力を利用することで、爆発的な出力を生み出せるという考え方です。
ルーマニアンデッドリフトを行い、ハムストリングスでの金の適度なテンションがありながら腱が伸長している感覚を掴み、立ち幅跳びで先ほどの感覚からの爆発的な出力に繋げるトレーニングを行いました。この感覚が瞬間的に全く感じられなかった時と、感じられた時とでは、記録に目に見える差がありました。

ルーマニアンデッドリフトで感覚を掴む


2拍3連のリズム

バスケやサッカーで一流と呼ばれるプレイヤーのドリブルを観察してみると、通常のリズム=2拍(タンタン)の中に、ここぞと仕掛けるタイミングでそれまでとは異なる早いリズム=3連(タタタン)が入っているという気づきから、一定のリズムの中に異なるリズムを混ぜることで、相手の不意・虚をつくことができるのではないかという考えです。

まとめ

今回の講義から、まず一流選手の動きを常に見ておくことで、クライアントの動作が良いものなのかそうでないのかを見極める能力を身につける。そしてその原因を今日あげた原理原則・ルールにより感覚でなく言語化して伝えるということが大切であると学びました。

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