京極夏彦先生の小説が好きだ
私はもう長年京極夏彦作品が好きだ
海外旅行に行くときに持っていったら、
面白すぎて、観光がホテル読書に変わってしまった
「ヒトごろし」という一際厚い小説の初読では、
読み終わるまで数日布団から出られなかった
危険すぎる
私は読書が好きで、
特に若い頃はたくさん小説を読んだけれど
京極作品を読む時のような感覚を感じたものは
ほとんどない
普通はどこかに読んでいる自分もいるし、
自分の生活に照らし合わせて、
意味わかんないな、とか突っ込んでしまったりする
でも、京極作品は違う
圧倒的な没入感
読んで一行目からもう私は別の世界にいる
VRみたいな解像度で
何に一番似ているか、といえば、
子供の時の読書体験かもしれない
子供の頃の私は、名作とよばれる児童文学によって
ファンタジーの世界をすっかり体験することができた
今はもう、さすがよく書けているな、という感じに
読んでしまうけれど
知らない景色を私の前に浮き立たせてしまう文章
京極先生は間違いなく天才だ
圧倒的な臨場感と共に
登場人物の感情がなだれ込んでくる
話の構成や、伏線と回収、たくさんの知識も見事だけれど、
このものすごい勢いで飛び込んでくる情感と感情が
私はとても好きなのだ
鍵カッコのないセリフ
映画が作られているものもたくさんあるけれど
私としては「モモ」や「チョコレート工場の秘密」の映画を
観たときみたいなスケールダウン感があって、別物過ぎた
映像にはどこか限界があるけど、小説にはない
あんなに厚いのに
毎回読み終わりたくないな、と思ってしまう
私の中では一つ一つがパラレルワールドみたいに
その世界がまだ存在するように思えている
「ヒトごろし」も京極堂シリーズも好きだけど、
一番好きなのは、江戸怪談シリーズ
特に「覗き小平次」
またこの夏に読み返そうかなと
思っている