呪術廻戦最終回を迎えてモヤモヤすること
別の下書きでほんとはもっと長々と書いていたけど、ネチネチしてきた気がするので残ったモヤモヤを箇条書きで整理しよう。こういう展開がよかった!という我儘が大半だけど、呪術が好きなのはマジなので「じゃあ読むな」というのは許してください。
はじめに、
①宿儺ラスボスなのに碌な掘り下げがないこと
なのに最終回で匂わせてきたこと。あの二人の女の子は誰だったんだろう。割と本気で?になってる。
別枠で平安編を書いてほしい。あってしかるべきだと思う。
②圧倒的な尺の足りなさ
大体こいつのせい。この打ち切り感を無くすにはせめて3巻分くらいほしい。というかここまで魅力的な世界観の風呂敷を広げておいて30巻で終わらせるなんてもったいない。70巻くらい書いてください。お願いします
今年中に完結するという宣言が足を引っ張ったんだろうか。こと呪術に関しては銀魂みたくズルズル引き延ばしてほしかった。
③怒涛の回想ラッシュ
回想はワンポイントで使うから味が出るのであって、事あるごとに、「それ先に言ってね」という感じの小回想を擦るのは違うと思う。虎杖の腕の事とか、誰も触れないという不自然なことを隠すための苦肉の策だったんだろうが、後出しじゃんけんがひどすぎる。修行パートは時系列でしっかり描写してほしかった。
④敵少なすぎ問題
味方が増えるのは嬉しいんだけど、そうでもしなきゃ勝てなそうな敵サイドではあるんだけど、実力不足の連中にもスポットライトがあたるように中ボスを配置してほしかった。死滅回遊の過去の術師で敵サイドにつくやつとか絶対いてもよかった。宿儺、けんじゃく、裏梅の三人しかいないし、最適解の人選だったということだったけど宿儺以外の面々の扱いはあれでよかったのか。裏梅とけんじゃくの戦闘もっと見たかったよ。
⑤キャラクターの成長幅が小さい
前半、事変までの虎杖の成長は目覚ましくて見てて楽しかった。伏黒も伸びしろがあってよかった。でも後半は基本もともとのスペックの押し付け合いで、戦闘中、土壇場での成長だったり意表を突く工夫が少ない気がする。(前半の参考:事変での虎杖脹相戦、真人戦など)でも伏黒レジィ戦、天元防衛戦はとてもよかった。
⑥作中時間短すぎ問題
結局作中時間は一年たってないだろうし、もっと余裕があってもよかったんじゃないかと思う。⑤の成長の小ささもこれに起因するはず。十分な訓練時間が確保できないから能力的変化幅も小さいし、主人公以外の思想的変化幅も小さくなってしまう。宿儺戦の前の一か月でヤケクソのように味方強化イベントをいれるならそれまでの何か月かでどうにかしてほしかったし、天使とかカシモみたいに馴染みの薄いキャラが既存キャラと絡んでいく様子も見たかった。特に反転術式、領域をモノにしてきた虎杖は、出自とか器としての経験を理由に説明されていたけどあまりに急成長すぎるというか、全部盛りすぎて胸やけする。虎杖大好きなので正直テンション爆上がりだったけど、一個ずつモノにしていく過程が見たかった。例えばもうちょい早く術式生えてきて、扱いに迷って試行錯誤しながら最適化していくだとか、戦いからコツを掴むとか、他にいろいろあったよきっと。宿儺戦では、そういうカタルシスがほとんどなかった。いや、黒閃だけを頼りに戦ってきた虎杖に強化が入るという展開には確かにカタルシスを感じたけれど、求めていたのとは違う方向で困惑が残った。「術師は才能が8割」という言葉は散々強調されてきて、実際に乙骨とか日車を見てるとそうなんだろうなと思うけど、虎杖を急にそっち側に持っていくのはいまいち納得いかない。
まとめ
ここまで好き勝手書いてきて思ったのは、芥見先生はもともとNARUTOやワンピースのような王道少年漫画を長く書いていくつもりはなくて、最近主流の30巻付近でこじんまりと纏めようとしていたんだろうな、という事だ。でも結局うまくいかなかったんだろう。それは連載を続けるうち、呪術廻戦の世界が読者の頭の中で一人で歩き始めてしまうほどに奥行きを持ち始めてしまったからだと思う。急にシン陰の掘り下げが入ったように、まだ呪術の世界には話を広げられるタネがゴロゴロあるはずだ。僕個人の思いとして、先生にはいつか短編か何らかの形で呪術廻戦の漫画を描き続けてほしい。
最後に真人出してくれてありがとう