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フィジー1人旅1日目

 1人という言葉の重みをすごく感じる1日だ。
1人で来てしまった。こんな遠くへ。

時差が3時間しかないだけまだましだ。

 ゲストハウスへ着くと、どっと疲れと共に涙が溢れた。

ああこれから1ヶ月ここの国でやっていけるだろうか。

外食は高い。

スーパーのごはんは味気ない。

そもそも調理器具がないから料理ができない。

ちゃんとお金はもつだろうか。

クレジットカードからお金をおろせなかったら誰かから借りるしかない。

何か労働と引き換えに泊まらせてもらうことが必要なのだろうか。

ベッドに横たわるとそんな暗いことばかり頭に浮かんできてしまった。

まるで浪人を始めて少し経った頃のように。


というのも、午前中に色々あった。

もともと1週間分予約していた(支払いはしていない)ゲストハウスは都市から遠かった。

おそらくスーパーも近くにない。

交通手段もなかった。

タクシーしかないか。
でもタクシーはちゃんとメーターが付いていることを確認すること。
ND(ナンディの公式表示かな)の表示があることを確認すること。頭で唱えてタクシーへ近づいた。

急にタクシーのおじちゃんが日本語で話し出した。

👴🏻「私おみやげショップではたらいていたから、日本語少し話せる〜」

だまされない。

これで高額を請求されるかもしれない。

👩🏻「私ここまで行きたいんだけど、いくらかかる?車だと9分!」

👴🏻「ここかあ、わからないな。ちょっと電話してみる。」

👴🏻「ここは10時から受付だって!それまでビーチとかナンディの街とか案内してあげるよ!」

👩🏻「いや、今日移動してきてすごく疲れちゃったんだ。だから現地まで早めに送ってもらいたい。」

👴🏻「いや、早すぎるよ!じゃあツアーも含めて35ドル!(2450円)」

交渉ってやつか。私が苦手なものだ。

👩🏻「いや疲れてるからナンディの街はいい。そしたらビーチだけで大丈夫。」

👴🏻「OK!じゃあとりあえずビーチへ向かおう。」

いざビーチへ。

食料の売っているスーパーまで灼熱の中バックパックを背負い3km歩いていたから、椅子に座ると解放された。

ビーチに着くと、今後のためによりよいホテルがないか探してあげる!と言って探し始めてくれた。

そしたらもともと予約していたより少し安くて、ビーチが近くて、スーパーも近い宿を見つけてくれた。

コネで安くもしてくれた。

スタッフは温かそうだった。

予約をキャンセルしてそこに泊まることに変更した。

感謝の気持ちが芽生えた。

まあ、タクシー代は20ドル(1400円)で十分だろう。と思っていた。


だけど、サービス代も込みで30ドルお願いと言われた。

高額なのだろうか、でもここまで感謝もあるし、、。

結局30ドル払った。


少し経ってから、やっぱり高かったなと思った。(ゲストハウスのスタッフによると実際高い値段だった。)

自分で払ったから仕方ないのだけど。

人生で何かを値切るという経験をしたことがなかった。

だから、値切るということに罪悪感を感じていた。

だけど、限られた所持金で来ているから、やはりお金を使うと残りのお金を考えて若干のひもじさを覚える。

そんな感情と、疲れと、空腹と、知っている人のいない寂しさでどっと涙が溢れたのだと思う。

しばらく泣き続けた。


今はとりあえず何か明るい気持ちになれることをすることが必要だ。


そう思い、ゲストハウスのスタッフのもとへ。

彼女はギターを弾いていた。

ツアーの誘いをしてくる。

また少し暗い気持ちになる。また観光客からお金を多く取ろうとするのか、と。

だけど我慢。明日は市場に行くんだ、と断る。

ギターの音を聴く。



少し気持ちが落ち着く。


ギターを弾く彼女が肩の痛みを気にする仕草をする。

私はマッサージをしてあげることにした。

何か感謝されたり必要とされたり、と相互的な想いの交換がないと、自分が壊れてしまう気がした。

「昔から母親にやってもらってたんだ。」と話しながらマッサージをした。

「Oh〜」といいながら気持ちよくなってくれた。

「Thank you.」と言ってもらった。


まだプラスの方までは感情をもってはいけないが、何とかマイナスの感情を紛らわす方法を見つけた気がした。

仲良くなることの安心感を学び
一緒にkavaという飲み物を飲んだ夜。

p.s.
随分と文が長くなってしまった。
長く書かないといけないほど、誰かにこの気持ちを知ってほしい、共感してほしい、という思いが強烈だった。
それは弱さでもあると思う。自分の日記の中だけでは消化できない弱さ。
弱さを見せたくないから、短くしようかとも思った。

だけど、偽る旅にはしたくない。
いいところばかりを見せる旅行にはしたくない。
せっかく旅をしに来たから。

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