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横綱空位の回避
2025年、大相撲は初場所の6日目に横綱照ノ富士が現役引退を表明(前日に現役引退の意向が伝えられた)さらに綱取りだった琴櫻が5日目にして4敗となり早々に綱取りは白紙になり、もう一人の綱取り挑戦だった豊昇龍も9日目で3敗となり横綱昇進が厳しい状況になりました。
そのため横綱が地位として定められた明治42年以降わずか2例しかない横綱空位になるかと思われました。
※横綱照ノ富士が場所中に引退しているため一時的に空位の状態ではあるが番付上は空位ではないと思われる
横綱空位の事例
1.昭和6年5月場所~昭和7年10月場所(6場所)
2.平成4年7月場所~5年1月場所(4場所)
※2は北勝海が番付発表後(番付に名前が残っている状態)の5月場所前に引退しているため番付上の数字になる。
しかし豊昇龍が3敗になって以降持ち直し、驚異的な集中力と粘りと圧倒的な相撲内容で役力士全員を破り優勝争い先頭を走っていた金峰山を破るなど白星を重ねギリギリの所で優勝の可能性を残し先頭を追っていました。
そして千秋楽に先頭を走っていた金峰山が星1つで追っていた王鵬に敗れ自力優勝の可能性が復活、結びで同じく今場所綱取りだった大関琴櫻を力強い相撲で破り決定戦に進出します。優勝決定巴戦では大関としての貫録を示し金峰山と王鵬を圧倒し大逆転で2回目の優勝を果たしました、取組後に審判部を代表して審判部長が理事長に臨時理事会の招集を要請、理事長が豊昇龍の横綱昇進について横綱審議委員会に諮問する流れになりました。
27日に開かれた横綱審議委員会の定例会合で大関豊昇龍の横綱昇進について審議しその結果全会一致で横綱推薦の答申を理事長に行いました。過去に横綱審議委員会の推薦を受けて昇進を見送られた例がないため大関豊昇龍の横綱昇進が事実上確定となりました。(正式に決まるのは29日の臨時理事会を経てになります)これにより32年ぶりの横綱空位は避けられました。