高尾山~石廊崎往復2024.12/27~1/2
【年末年始のロングトレイル】
2024年末は以前から考えていた東京の高尾から伊豆の石廊崎を山を繋いで往復するというちょっと馬鹿みたいなプランを実行してみた。
年末年始の太平洋沿岸は旅を有利にする圧倒的な晴天率と引き換えに強烈な季節風対策が鍵となるが今回も連日の強風に悩まされることとなった。
どの山岳エリアもほぼ歩いたことがあり、特にこの12月は丹沢・道志山塊だけで数回同じ山に登った経緯があるのでそれらのルートは敢えて外すライン設定にした。そして新年の1/3に仕事があったので12/27からの一週間をタイムリミットにする。
新しい土地を旅するとき普段ならあまり時間など気にしないのだが、今回は既知のラインゆえにトレーニング+ゲーム要素としてタイムリミットをかなり意識してみた。
現在の走力ならあわよくば6日で…などと考えていたがこれはとんでもない間違いだった。
結果からいうと6日目からはタイムリミットに合わせてだいぶ計画を削り、かなりロードランが増えることになってしまった。
最終日も序盤は計画通り道志の稜線を走れたが藤野駅まで下山してからは目前の高尾山というニンジンに目がくらんでしまい、本来なら陣馬山を回る予定をショートカットしてしまった。
これは単純にフィジカルとメンタルの弱さだ。
1週間目まぐるしく走る続けたので詳細に記録を書くとダラダラした作文になってしまので日々の概要だけ簡潔に書く。
<1日目>
始発5時にJR高尾駅出発。
高尾、道志の山中を縦走し懸案の丹沢山地越えは弱点の犬越路をロードで繋げ越える。
丹沢湖からは大野山を盟主とする未踏のエリアに登ったがトレイルも展望も良く掘り出し物だった。
山北町のファミマで晩飯と補給食の買い出し。
矢倉岳へと続く林道を登った21世紀の森という公園(?)で野宿。
<2日目>
この日が一番標高も高く寒い一日だった。
矢倉岳をピストンし足柄峠で夜が明ける。
金時山は霧氷に包まれ寒風強かったにもかかわらず多くの人が朝早くから登っていた。
続く箱根外輪山の長い稜線を越え旧箱根街道を通って三島へと向かう。
旧箱根街道は往年の街道を偲ばせる石畳の古道で隣を走る国道1号線の喧騒とうって変わって静寂に包まれた味わい深い道だった。
デコボコして走りづらいのだけど。
三島の街まで降りてきてガストでティーブレイクしたあとスシローで早めの晩飯、翌日の長い伊豆稜線歩道に備えてドラッグストアで行動食を補給する。
強風で大荒れの駿河湾を経て戸田峠付近まで登り返しキャンプした。
<3日目>
伊豆稜線歩道はいつ歩いても気持ち良い。
個人的には三蓋山あたりのブナ林が好きだ。
旧天城峠(二本杉峠)を途中まで下り林道を使って観光客の賑わう河津七滝に降りた。
廃れつつある下田街道のトレイルで山越えしそのままロードランで伊豆急下田駅へ。
良い飯屋がなかったので仕方なくモスバーガーに入ったがなんと3000円近くも食べてしまった。
この頃になると行動と摂食のカロリーバランスが常にマイナスになっているのですぐに腹が減る。
弓ヶ浜漁港の公園の隅にテントを張ったが漁師の朝が早いことを忘れておりけたたましい漁船のエンジン音で起こされる羽目になる。
<4日目>
そういうわけで石廊崎に到着したのはまだ真っ暗な時間だった。
ここから伊豆半島西岸のトレイルに入っていくのだが、海岸線が入り組んでおり見た目以上に距離がありアップダウンも連続するのでなかなか先に進まない。
おまけに足元が悪い場所も多く一度盛大にコケて親指を突き指してしまった。
それでも海の絶景や徐々に近づいてくる富士山が疲れを癒してくれる。
みちのく潮風トレイルや紀伊半島もそうだが海の旅も山旅と同じように僕にとって大切なテーマだ。
幾つもの山や入り江を過ぎ松崎の街で食事と補給。宇久須港まで来て爆風を避けられる場所でテントを張る。
伊豆半島は風が強いがそれを避けられれば気温は高いのでわりとよく眠れた。
<5日目>
朝イチのロードで土肥まで走りセブンイレブンで朝食。
その後もロードと荒れたトレイルを交互に交えて昼頃には大瀬崎を通過。
ロード率が高くなってくると脚への負担も増加してきて膝も痛くなってくる。
大晦日だというのに交通量も多く苦行だ。
夕方に沼津アルプスに取りつくが相変わらず爆風。
当然山中では誰に合うこともなく2024年最後の夕陽は沼津アルプスで見ることとなった。
沼津アルプス最北端の香貫山手前の峠から一旦沼津市街に下り旨いものでも食おうと飯屋を探したが、大晦日に営業してる店もないので仕方なく松屋で寂しく牛丼を食べる。
周りを見ると自分と同じように孤独に牛丼を食べてるオッサンばかりで少しホッとする。
香貫山に戻り市民公園でキャンプ。
夜中猫の大運動会で度々眠りを中断されてしまった。
<6日目>
新たな年2025年の始まり。
今年はどんな1年になるのだろうか。
新年一座目の香貫山に登ってから沼津市街に下山。
県道394号を北上して山中湖に向かう。途中すき家で2回ほど食事。
本来なら山中湖の南に連なる山々を縦走する予定だったが時間の都合上割愛し三国峠を越えていくが、沼津から地味に1000m以上アップしてるのでロードとはいえ脚へのダメージは大きい。
鉄砲木の頭に立ち寄って絶景を楽しんだあと道志みち(国道413号)に入る手前の最終コンビニで晩飯と補給を済ます。
富士吉田からの道志みちは延々と下りが続き、いかに山中湖が標高の高い場所にあるかがよくわかる。
しかし歩道などあるはずもない山間の狭路を年始の観光客の車が絶え間なく走り続けるので苦痛以外の何物でもない。
陽も暮れ途中から国道を外れ厳道峠への林道を登り返し峠付近でキャンプ。
4%しか残ってないスマホを充電しようとしたら20000Aあったモバイルバッテリーが完全になくなっていた。(※GPSのログが飛んでいる部分)
<7日目>
幸いGPSウォッチにもルートが入ってるので予定通り峰山まで稜線を縦走する。
藤野駅手前のコンビニでモバイルバッテリーを購入し朝食と補給。
旧甲州街道を走り相模湖から城山を経て高尾山に登り返すと山頂は年始の観光客で溢れかえっていた。
薬王院で初詣をする予定だったがあまりの混雑と一週間風呂に入ってない自分の臭さに気が引けてしまい稲荷山経由で下山。
昼過ぎにやっと高尾駅に到着することができた。
今回はいつものように軽量化で火器やらクックウェアは省略し装備も厳選したつもりだが、長距離だと僅か100gの重さの違いが数日後に影響が出てくる。
もう少し工夫できなかったかと毎回反省することになるのだが、その装備の取捨選択の駆け引きがこの遊びの面白いところでもある。
そして道具に頼らず自分自身を研鑽していく努力こそが最高の軽量化だ。
いろいろ反省点も多かったがまたひとつの旅を終えることができた。
何より一年の始まりを旅の途上で迎えられたことが良かった。
芭蕉の言うように人生は旅だ。だから旅の延長のように人生も生きてみたい。
2025年がどういう年になるかわからないが今年も自分らしく愚直に道を真っ直ぐ進んでいこう。
【装備】ベースウェイト4.51kg
<ギア>
パーゴワークス・ラッシュ30
パーゴワークス・ラッシュヒップ
ヘリテイジ・クロスオーバードームf
モンベル・ドライ シームレス ダウンハガー900 #2
モンベル・ULフォールディングポール113
エマージェンシーシート
ENDURO3
<アイテム>
エバニュー・ウォーターキャリー2L
ペツル・スイフトRL(予備バッテリー)
モバイルバッテリー20000A
プロテクトJ1
テーピング・ダクトテープ
Shokz・OpenRun
薬(バファリン・ガシンサン・絆創膏)
歯ブラシ
サングラス
BEFREE
熊鈴
日焼け止め
耳栓
ペットボトル500ml×2
レインウェア
<シューズ>
アシックス・トラブーコマックス3
<ウェア>
Clef・ランニングキャップ
BD・ビーニー
パタゴニア・フーディ二ジャケット
ファイントラック・スカイトレイルジャケット
ファイントラック・ドライレイヤーウォームロングスリーブ×2
モンベル・クロスランナーパンツライト
モンベル・メリノパンツ
インナーファクト・5本指ロングソックス×2
サロモン・ボナッティウォータープルーフミトン
R×Lマルチグローブ
ファイントラック・ドライレイヤーアンダーグローブ
ファイントラック・ドライレイヤーウォームバラクラバ
パタゴニア・マイクロパフフーディ
モンベル・レッグウォーマー
モンベル・ウェストウォーマー
山と道・アルファタイツ
山と道・アルファソックス
<食料・補給>
アミノバイタルゴールド
ウルトラミネラルタブレット
塩熱サプリ