第77回秋季北海道高校野球大会に行ってみた
第77回秋季北海道高校野球大会に行ってみた
10月23日水曜日、大和ハウスプレミストドームでの
秋季北海道高校野球大会に行って来た。
今年は春季北海道大会、選手権大会(北海道)、
秋季北海道大会と全ての大会を一回ずつもしくは二回観戦した。
麻布球場や円山球場、エスコンフィールド北海道、
大和ハウスプレミストドームと、札幌圏の球場色々いけたのは大きな財産だ。
今回は準決勝と言うことで期待度が高く、好ゲームを期待し観戦した。
第一試合は札幌日大ー東海大札幌。第二試合は北海ー駒大苫小牧。
この4チームは全て南北海道代表で、北北海道代表はベスト4まで残る事はできなかった。
個人的にはクラーク国際や、旭川実業なども台頭するかと思ったが、
1回戦から直接対決が実現してしまう抽選結果になってしまったりとある意味残念な結果になってしまった。
だがこの4チームは今年の甲子園出場校や去年秋の準優勝校、去年優勝校、
甲子園で連覇を達成した高校など強豪校ばかり。
南北海道を代表する4校と言っても過言ではない。そんなベスト4の熾烈な戦いに試合を解説していく。
まず第一試合札幌日大ー東海大札幌の試合だ。
スターティングメンバー
札幌日大 東海大札幌
5川合 6山口
6帯川 9櫻庭
8窪田 2鈴木
2土田 3太田勝馬
4中塚 8太田勝心
1高坂 4八鍬
7松井 1矢吹
3星野 7上田
9小森 5宮崎
見どころ
今年の選手権大会、南北海道優勝校札幌日大と去年秋季北海道大会決勝まで行き惜しくも北海高校に敗れた東海大札幌の戦い。札幌日大は記憶に新しい今年の夏に見事甲子園出場した実績があり新チームになっても安定した戦いで秋も準決勝まで勝ち進んできた。三年生が抜けて一、二年生主体の新チーム。安定した守備の川合やショートの帯川、巧打の窪田などを中心にしたチームに見えた。2季連続の甲子園へ行けるのか。
一方東海大札幌はエース高橋や、矢吹など好投手を擁し打線では太田ツインズの両好打者や、切り込み隊長山口とタレント揃いの好チーム。投打にバランスが取れている。今日の先発は左の矢吹がどこまで粘れるかがポイントだ。
試合解説
一回表の東海大札幌の矢吹の立ち上がり。初球ストライクで入り、1番の川合を三振に取る最高の出だし。その後もストライク先行で危なげない素晴らしい立ち上がりだった。ストレートは138キロ前後で切れていた。まだ変化球の制球が安定しないがトータルで見れば申し分ない。
一回裏いきなり試合が動き出す。東海大札幌の怒涛の攻撃で一気に4点を先制。東海大札幌に流れがいく。特に5番の太田勝心の走者一掃タイムリースリーベースはインパクトのあるバッティングだった。札幌日大はいきなり出鼻をくじかれた。
二回表は先制してもらった直後の矢吹の投球。流れを変えない投球が求められるが、期待どうり三者凡退に抑える。
二回裏。追加点が欲しい東海大札幌。踏ん張りたい、札幌日大の高坂。東海大札幌はチャンスを作るが点は入らず。
三回表。札幌日大先頭打者が出塁。まずは少しずつ返していきたいところだが東海大札幌矢吹の強気なストレートに押されて、結局0点。流れを簡単に渡さない矢吹のピッチング。
三回裏。一回に一気に4点を取り、このまま押せ押せの感じでリードを広げるのかと思ったが、この回も札幌日大高坂の粘りのピッチングで三者凡退。
四回表。3番の好打者窪田がチーム初ヒット。これで1点でも返せば流れがググッと札幌日大にきて面白くなってくるだろう。そしてこの回東海大札幌矢吹の投球が安定しない。制球に苦しんだがなんとか粘って無失点。
四回裏も東海大札幌淡白な攻撃で無失点。
五回表。四回に少し崩れかけた矢吹がこの五回は見違える程素晴らしい投球を見せる。テンポ、制球、球速も140キロを計測するなど付け入る隙をこの回は見せないほど完璧な投球だった。
五回裏。札幌日大高坂は初回4失点したもののその後は大崩れしない粘りの投球が光っている。この回も無失点に抑える。
これで前半終了。一回裏の東海大札幌の畳み掛ける攻撃は見事だった。しかし二回以降は打線が沈黙。札幌日大高坂の粘りの投球にチャンスが作れない。高坂は133キロのストレートと変化球で抑える投球で特にこの日は変化球が良かった。札幌日大の打線は東海大札幌矢吹の強気なストレートの前にチャンスがなかなか作れない苦しい展開。後半は札幌日大はなんとか徐々に点差を詰めていきたい。一方で東海大札幌は追加点がなかなか奪えない、少しフラストレーションが溜まる流れになってしまっているので是が非でも1点、2点と取っていきたい。
六回表。後半がスタート。このイニングが始まる前にグランド整備があり、流れが変わった。なんと東海大札幌矢吹から2点を返した。これで俄然試合が面白くなってきた。六回表で4−2。まだまだ分からない試合展開。
六回裏。2点差に迫られた東海大札幌。流れが徐々に札幌日大へと行きそうな展開。しかしここで札幌日大高坂から島田に継投。この継投が裏目に出るのか。それとも札幌日大の逆転劇が生まれる展開になっていくのか。やはり継投の裏目が出た形になってしまう。東海大札幌がスクイズで欲しかった追加点。しかし2点3点と取れた場面だっただけに後々これが響かなければ良いが。
七回表。この回から東海大札幌矢吹からエース高橋に継投。前の回で2点差に詰め寄っているだけにエース高橋からも点をもぎ取ることができるか。しかし東海大札幌のエースナンバーの高橋。レベルが高い。ストレートがまだ秋なのにもう既に素晴らしい質とキレ。球速表示は143キロ程だが、プラス5キロ程速く見える。この回は無失点。
七回裏。3点差。エース高橋がマウンドなので安心だが、高校野球は何が起こるか分からない。追加点が欲しいが無得点。
八回表、高橋はこの日最速143キロをマーク。この時期でこれだけのパフォーマンスを見せているのだから、来春、来夏は大化けも期待出来る。この回も無失点。
八回裏。札幌日大島田がなんとか抑えて無失点。
九回表。ついに最終回。追いつくことが出来るか札幌日大。このまま逃げ切れるか東海大札幌。結果は・・・
札幌日大見せ場を作れず試合終了。
東海大札幌5ー札幌日大2で試合終了。東海大札幌が2年連続の決勝進出。
試合を終えて
この試合の決め手となったのはやはり1回裏の東海大札幌怒涛の攻撃で4点を奪ったイニングだろう。満塁で太田勝心が走者一掃タイムリースリーベース。この一打が試合を決めたのだった。この一打がなければさらに拮抗した違う試合展開だっただろう。東海大札幌矢吹は見事なピッチングだった。ストレートでグイグイ攻めて特に5回のピッチングは圧巻だった。2番手の高橋もお見事。ストレートのキレは一級品。球速表示以上の速さに見えるストレートをこの冬さらに磨いていってほしい。一方札幌日大。今年甲子園出場したチームからは戦力ダウンした形に見えるが、まだまだ可能性を秘めていると見ている。川合、帯川、窪田の上位打線に後ろのバッター陣が冬を超えて成長すればもっといいチームになるだろう。一時は2点差まで追い詰めた粘りの姿勢は今後の札幌日大の基盤となっていきのでは。