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カメ爺さん


数日前、散歩&リハビリ中に
知らないお爺さんに話しかけられた。
前方からヨチヨチ歩いて来た。
どうやら同じ「杖仲間?」だ。
しかし私は初老、あちらはけっこうなお歳とお見受けした。
「それスピッツ?」
(スピッツは今時、珍しいだろ)
「いえ、マルチーズですよ」
「かわいいねー、子犬?」
「どうも…、13歳ですよ」
(また驚くのか?)
「亀は飼っちゃいけないよ…」
「・・・?」
(おいおい、亀?)
「亀は長生きだからね、人間より長生きだから…」
「…?…そうね」
(あなたもたぶんかなり長生きしてる)
「瀬戸川で溺れそうになっただよ!」
「・・はっ??」
(亀じゃないよな…)
「橋のところ、階段になってる川岸のところ!」
(あー、あそこか…)
「今、水無いよねー、いつ?」
「一緒に遊んでた幼馴染に助けてもらっただよォー!」
「はぁ… 」
そこから、溺れかけた時の話が続いた。
当然、亀ではなく本人の話で、80年くらい前のことのようだ。
「死にかけただよォ〜」
(カメ爺さん、そこから長かったじゃん)
「藤枝の生き字引だねー!長生きしてよ!」
昔のことはいつまでも覚えているんだよねー
私もそうなりつつある😓

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