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お遍路さん

石を高く積んでも風雨に崩れる。世の無常を悟りて憂いなし

母を亡くしてから16年が経っていた。
さいごは病院だったが、ちょうど我が家に遊びに来ていたときに心臓病で倒れて一緒に暮らすことになった。いま振り返ると少しは
恩返しができたので良かったが、、当時は
自分の親を嫁いだ家に住んでもらうことに
気遣いながら過ごしていた。それは相手の方の問題というよりは、そのことを異常に意識してしまう自分にあった。自分世代は
田舎から上京して一旗揚げることが故郷や親に対する感謝とおもっていた、、お互いが遠くに両親がいたので、親の介護も遠距離となって‥思いはあっても限りあることしか出来ないのが現実だった。夫婦は他人であるから、その親となるとそれ以上の他人である。途中から介護が必要になって同居となるのは仕様がないがギクシャクはするはずで、その辺が気になってしまっていた、、なので母に
は(認知症もでていて耳も聞こえづらくなって)ずいぶん語調キツく接してしまっていた。母は性格が明るくて一晩寝れば忘れる人だったので救われたが、、酷いことをしてしまったのだ…なにを完璧に演じたかったのか
は自分勝手としか言いようがないが…そういう形にはめながら家庭を作り上げていたのかもしれない。親を看取るのは人生の中での一大事だから気負いがあったのだろうか…
母にもう謝ることはできないけれど、、
もう自分が順繰りと親と同じ年齢になってしまってるので、訳が分からなくなるまえに子どもたちへ、そのへんをよろしくと伝えておくことは忘れないでいよう。


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