ハンドクリームと喉飴
建て替えで初代国立劇場最後となる歌舞伎
演目は「妹背山女庭訓」
とってもながいストーリーで眠くもなるし
手強い度No.3に入るとおもう。登場人物のなかに、田舎娘のお三輪さんが真っ直ぐな思いをさいごまで全うする役でいてくれるのが
唯一の救いだ。きょうの伝統芸能紙面に
歌舞伎の衣装を取り上げていた。
松竹衣装さんの細やかな説明にますます
興味がわいてきたので、忘れないように残しておこうとおもう。
まず、
お三輪さんが田舎娘であることを衣装だけで
表すという技がある。田舎娘でも主役級なので上等な絹の縮緬、そして着物の柄が面白い!
「十六むさしという昔のボードゲームの図案です。肩や胸元に柄が入らないというこういう衣装を裾模様と呼んでいます」
「三笠山御殿」(どら焼にもある三笠山)
の場面でお三輪さんが片肌を脱ぐと、浅葱色と緋色の斜めの太い縞の着物があらわれて雰囲気がかわる。
「段鹿の子と呼ばれる布地で、絞り染めの高級品です。まだ在庫がありますが作れる人はいなくなりつつあります…絞りに見えるように染めで加工した布地もありますが、やはり風合いは異なります。できる限り本物を守れるように、私たちも苦心しながら仕事をしています」
お三輪さんは一目惚れした人のために自らの命をかける…そのクライマックスには、段鹿の子の着物を肩肌抜きして赤の襦袢を露わにするのは、血を暗示しているという。
あらためて伝統とは何なのだろう、、
そして受け継がれてきたことを必死に守っている人たちがいる事に頭が下がるが、風前の灯のような現実…また娯楽のひとつなのだから笑ったり泣いたりして、楽しめばいいだけのことにすれば仕様がないことになる。
それでも、ほんもの段鹿の子の切れ端が
100年あとにも残っていることを切に祈って
やまない。
年中、歌舞伎鑑賞には欠かせないのど飴!
森下仁丹が歌舞伎座御用達である。
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