2024年印象に残ったお笑いライブ備忘録(主に関西)
もう年跨いじゃったけど。
お笑いライブに頻繁に通い始めたのは去年の春頃からだった。
感想を書き溜めていなかったので、去年の初めの方のライブはもううろ覚えだが、今年の3月で関西を離れてしまうので、備忘録としてまとめてみる。
今回は完全に自己満足の記事になります。敬称略で書いています。
・三軍の金帯
去年一番行ったライブ。確か初めてマンゲキに行ったのもこのライブだったような気がする。各ネタ1本+コーナーの1時間ライブ。
元々金属バットが好きで行き始めたのだが、黒帯、三遊間、軍艦のネタも全て好みで都合が合えば毎月行くようになった。個人的にうるさすぎない漫才で、社会風刺があったり、持論を展開するような漫才が好みなのでドンピシャのライブだった。コーナーも良く、(三遊間・稲継を除いて)全員大喜利が強くてとても見ごたえがある。なんだかんだ稲継をいじる回が多い。
9月のライブだったか、三遊間が「友達の家」を披露した回があり、次の出番の金属バットが、三遊間のネタ中に出てくるそこまで言って委員会の放送時間の矛盾をネタにしていて爆笑してしまった思い出がある。(前列センターにいてマジの拍手笑いをしてしまったので、友保さんに気持ち悪いといじられてしまった有難くも恥ずかしい思い出もある。)
ここのライブで見たか忘れてしまったが、黒帯の去年のM-1 3回戦ネタ「バザー」もすごく好きだったネタで、黒帯は男女ネタを好む印象があるが、もっとこのテイストのネタも見てみたいなと思った。
・4/27「M-1グランプリ2023スペシャルツアー静岡公演」
前過ぎて記憶が曖昧である。(メモしとけばよかった)
トップバッターが令和ロマンで、くるまと観客が手を振り合う時間からスタートした覚えがある。
特に面白かったと記憶に残っているのは、真空ジェシカ「修行僧」とロングコートダディ「健康診断」。
真空ジェシカはさすがの大喜利の強さで、もらいゲロで特に笑った覚えがあるのだが、このネタは息を吞むような伏線回収があった。さすがだった。
ロングコートダディもやっぱり展開が面白かった。ここは本当にコントの天才だと思う。ここ数年のM-1はしゃべくり漫才で挑んでいた印象で、2021,2022の通り漫才コントで挑んでいたら余裕でファイナリストを狙えただろうに、新境地を開拓しようとしている姿勢にとても勇気をもらえた。
・6/7「男性ブランコ単独公演『駐車場』京都公演」
こちらもだいぶ記憶が曖昧になってしまっていたのだが、こちらのnoteを拝見してかなり思い出すことができた。(公演内容を知りたい方は以下のnoteを見ていただくのが良いと思う。)
男性ブランコは世界観を作り出す天才だと思っていて、この単独は途中から星新一作品を読んでいる時と似たような気分になった。おかしくて、キャラクターも変なものばかりだけれど、どこか考えさせられる。ほっこりもするし、たまに恐怖も感じる。そして特に素晴らしかったのは6本の異世界のコントがうっすら繋がっていて、最後の最後で伏線回収がされた点だ。もうコントという枠は飛び越えて、一本の演劇作品を見た感覚になった。
今年のM-1敗者復活ネタ「性vs理性」も全く見たことのない形式のネタで、漫才でも新たなシステムを生み出して結果を残せるのが本当に怪物だと感じる。また単独があったら観に行きたい。
・6/23「THE SECONDライブツアー大阪公演」
大阪夜公演に行った。
これはM-1ツアーとはかなり異なるライブで、前半組と後半組に分かれ、それぞれ全組のネタが終わった後にトークコーナーが設けられる。トークコーナーも、事前に観客から募集した質問に、質問者を当てた上で答えるというセカンド形式のものだった。これがすごく良かった。
マシンガンズ滝沢に「自撮りのコツを教えてください」と言って一緒に自撮りしてもらうファンや、個人的なことを質問する方まで様々だった。ニックネームを「松本人志」にして質問した方が金属バットに「痛い」とイジられていたところとか爆笑してしまった。あとは何故かシシガシラ脇田の性格が本当に悪いことを知ってしまった。
ネタで一番印象に残っているのはマシンガンズ。テレビで見ている時から喋りの勢いが凄まじいが、生で見るともっとすごい。第一回大会でガクテンソクが敗れてしまった理由も頷ける。
THE SECONDはもう自分の中ではM-1と並ぶくらい大好きな大会で、M-1に出られなくなった往年の漫才師が見れるだけでなく、寄席漫才のトップランナーが見られるという点でとても価値のある大会だと思う。今年のTHE SECONDも楽しみ。
・9/10「シゲカズですpresentsクセツアー さらにさらにナンカゲ~神豪華全組ネタと大阪名物神クセ企画の日~」
2階席の後方から観覧。これが去年一番行って良かったライブだったと思う。各ネタ1本+コーナーたくさんの超豪華ライブだった。令和ロマンのくるまが「お笑いのスターターキットみたいなライブ!」と宣伝していて、本当にその言葉がぴったりだと感じる。
超豪華メンツだったので、ネタは当然のように全組面白かった。この日初めて話題の9番街レトロも見ることができ、キャラクターが良いし、間の取り方がすごく上手なネタで、このコンビは長尺のネタの方が良さが生きそうだと感じた。
今回はネタが制限時間を超えるとコンビのどちらかの悪口をスタッフに言われるというおまけ付きで、本当に落ち込んでいたり、スタッフを追い回す人もいたりと様々だった。
コーナーはずっと爆笑していてもう何が何だったか覚えていないくらいなのだが、フースーヤの2人と9番街レトロなかむら、そして藤崎マーケットのトキのアドリブ力が際立っており、この4人の行動で終始笑っていた気がする。(マジで書き留めておけばよかった)
特に覚えているのがジェスチャー版伝言ゲームで、フースーヤ谷口とカベポスター浜田が楽屋でいつもやっているノリをジェスチャーで伝えていくというゲームで、さや香の2人が不仲のため、一切打ち合わせをせず強行突破していくところで爆笑してしまった。
また、ライブ終盤で告知コーナーがあり、段々と告知ノリが進んでいく中で最後に藤崎マーケットのトキが「お口です!」と大きく口を開けて観客に見せていた時が本当に呼吸困難になるかと思った。
段々と他にも呼吸困難になりそうになったポイントを思い出してきたが、長くなりそうなので打ち止めにする。本当に良いライブだった。
・9/14「エバース大阪60分漫才ライブ『エバースですねん』」
M-1 2023の敗者復活ネタ「ケンタウロス」を見てからずっと気になっていたコンビで、やっと関西で観ることができた。
60分ノンストップのしゃべくり漫才で、恐らく10分程度のネタを5-6本繋げているような形だった。一箇所だいぶ苦しい繋ぎ目があったように記憶しているが(それはそれで面白かった)、それ以外は1時間の雑談を観ているような気分で、それでいて相変わらず難しい設定のネタをやっていたのでなんだか感心が勝ってしまった。何も書き留めていなかったので記憶が曖昧で本当に申し訳ないのだが、自転車のくだりで爆笑した覚えがある。
ライブ終了後、町田さんがグッズの手売りに出ていて買いに並んだのだが、ド緊張してしまってお礼しか伝えられなかった。悔やまれる。
・9/27「マンゲキフライデーナイト」
立ち見で観覧。この回がマンゲキフライデーナイトの初回だったと記憶している。夜のライブで出囃子が聞くことができる貴重なライブだ。
非常に豪華な面々でどの組も面白かったのだが、この日のトップバッターがジョックロックで、私はここでジョックロックを初めて見て、こんなキャッチーなシステムを生み出しているところがいたのか!と物凄い衝撃を覚えたのを強く記憶している。ツッコミがかなり年上に見えたので、自分が把握しきれていなかったベテランかな?と思い、ライブが終わってすぐ調べたらまだ結成2年ということも分かってまたまた衝撃だった。(福本さんは本当にベテランだが)
キャラクターの浸透をあまり必要としないネタで、かつキャッチーで分かりやすかったため、来年あたりM-1決勝に来るか…!と思っていたらすぐ来てしまった。予想は難しい。
・10/4「漫荼羅」
前述の「漫荼羅」で見かけたジョックロックのネタを他にも見なければと思って急遽行くことにしたライブ。恐らくマユリカ人気か、立ち見ありの超満員ライブだった。
この日一番笑ったネタは、からし蓮根の「フレンチレストラン」。もう全く外すボケが無く、ツッコミの鋭さも健在で、なぜM-1決勝の舞台に戻ってこないんだと本気で思ってしまった。
コーナーは下ネタ全開で、今までの人生で最悪な絵描きしりとりを観ることが出来た。笑(結局配信できたんだろうか)これでいまライブチケットが一番売れる芸人と言われるのだから、女性人気はどこで出るか分からなくて面白い。
・10/17「フースーヤ単独ライブ『シークレット佃煮サービス』」
10月はフースーヤが出ているライブに積極的に行っていて、この単独もその一つだった。
フースーヤの2人はコーナーでの立ち回りが好きで、たまにラジオも聞くくらい2人のキャラクターが好きなのだが、ネタではいつもニヤニヤは出来るが爆笑まではいかないという感じで(ごめんなさい)、ネタでも笑えるようになりたいと思い、フースーヤ月間としていた。
なぜフースーヤのネタで爆笑できないのかを自分なりに分析していて、フースーヤのネタの特徴である突然挟み込まれるギャグで「こ、これはどういうことだ?」と一瞬考えてしまい、考えている間に元の漫才コントの流れに戻っているので笑う時間が残されていない(要するに自分の頭の回転が遅い)ということなのではないかと思っていた。なのでネタをたくさん観ることでギャグを瞬時に理解できるようになるのではと思っていたのだが、今度はネタを見すぎてギャグがある程度予測できるようになってしまい、逆に笑えないという事態に陥ってしまった。単に自分がギャグでそんなに笑えない人間だったというだけかもしれない…。
ただ、フースーヤがこの世界で勝ち残るためにあのスタイルを貫き、現にあのネタで爆笑できるファンも沢山いるという状況なので、これからも頑張ってほしいなと思う。
この日の単独ライブで一番笑ったのはこの動画だった。これは腹を抱えて笑った。
また、この単独で初めて見たコントもすごく笑った。外国人選手のヒーローインタビューのネタだったと記憶しているが、ショータイムのなんちゃって英語が上手すぎて驚きつつ爆笑していた。行って良かったライブだった。
・10/25「劇場版黒帯会議」
去年一番笑ったライブは間違いなくこれだったと思う。
シークレットゲストが出てきた経緯が話すと長くなるのだが、このライブの前月の黒帯会議(私は行っていなかった)でEXITとフースーヤが出演予定だったものの兼近が休演に。そしてフースーヤもトラブルで森ノ宮に到着できず、出れるゲストがEXITりんたろー。のみだったと。そこで急遽関西の若手芸人が大量投入され、その中に白桃ピーチよぴぴと牛ぺぺ ゆたかもおり、りんたろー。がそれぞれと組んで即興漫才をやるという地獄の展開になったらしい。
今回はそのリベンジライブということで、ゲストは同じで、途中でシークレットゲストとして前述の2人が登場。そのまま今度は兼近とそれぞれ即興漫才をするという流れになった。
よぴぴとの即興漫才からスタートし、兼近はロクにネタの内容も聞かされてない様子で必死に食らいついていっており、少しでも兼近がよぴぴに話を合わせるとよぴぴが恥ずかしがってにゃんにゃんし始め、兼近も合わせてにゃんにゃんするというカオスな展開。笑
呼吸が苦しくなるくらい笑った。マジで面白かった。
この後気分が良くなってしまって、森ノ宮の有名な焼肉店「キョロちゃん」に一人で飲みに行ったら、1時間でジョッキ3杯を煽ってしまい、平衡感覚が失われたまま帰宅した。危なかった。
面白かったライブの後のお酒には気を付けたい。
・10/29「M-1グランプリ2024 3回戦」
M-1の予選を現地で観覧できたのはこれが初めてだった。50組弱のネタを3時間でほぼ休憩無しで見るという過酷なライブ。ただ、初めて見る組も多くいたのでたくさんの漫才を見れるという点ではかなりお得なライブだと思った。最前列の右端の席だったため、終わる頃には首が激痛だった。
前2日程の会場が重いというレポをよく見かけたので心して臨んだが、全然会場の重さは感じず、全くウケていないというところは無かったのでは?という感触だった。面白いところばかりでさすが3回戦だと感じた。
個人的にこの日のネタで特に笑ったところは、
・ライムギ「3分クッキング」
・紅点「オンライン将棋」
・いつもたいしゃ「ずらし言葉」
・山椒魚「悪口」
・涼風「嘘の話」
・センリーズ「お世辞」
・ジョックロック「探偵ドラマ」
・豪快キャプテン「小さい鞄」
・チェリー大作戦「神社の参拝」
・バッテリィズ「神社の参拝」
・からし蓮根「住職体験」
だった。
普段はマンゲキか森ノ宮にしか行かないので、そこで見れないコンビ(涼風、紅点など)を知れたことは大きな収穫だった。
マンゲキで普段爆笑を掻っ攫っているところは危なげなくウケまくっていて、これもさすがだなと感じた。
この日は私が特に面白かったと感じたところはほぼ準々に進出していて、審査にそこまで疑問を感じずに終われたところも運が良かった。今年はちゃんとしたレポを書きたい。
・11/12「C2P2」
こちらは去年の2月で一旦最終回を迎えたライブだったらしく、久々の復活回に縁があって行くことが出来た。各ネタ1本+焚き火トークの1時間ライブ。
もちろん全ネタ面白かったのだが、その後の焚き火トークが特に印象深かったのを覚えている。復活回ということもあって近況報告がメインに。東京進出組のヒューマン中村とkento fukayaが東京に行って感じた難しさや劇場事情などを語り、時期もあって賞レースの話になった際には、カベポスター浜田が美容師に言われた話などを語ってくれた。(かなりプライベートな内容だったのでここで詳細に記述するのは控える)
芸人のプライベートの事情や、賞レース常連となった芸人が生活の中でどのような重圧を感じているかなど、普段ネタを見ているだけでは分からない部分を知ることが出来た貴重なライブだった。
・11/29「漫才ホームラン」
これの前のライブ「オオサカ大作戦」を観に行っていて、その後当日券で滑り込んだライブ。
各ネタ2本+コーナーのライブ。4組中3組がM-1 準決勝進出という箔が付いたライブになっていた。この日のネタは、
・バッテリィズ「プラネタリウム」「人助け」
・豪快キャプテン「焼肉」「不倫」
・三遊間「友達の家」(もう一個忘れてしまった…)
・ジョックロック「野球ドラマ」「探偵ドラマ」
全ネタ爆笑していてもはや疲れたくらいの覚えがある。豪快キャプテンはギャンゴリが「あぁそうですか」と言った時点で笑けてきてしまい、会場中がそんな感じだった。べーやんはよくあの声量をあの距離で受け止められるなといつも思う。
ジョックロックはこのあたりで「探偵ドラマ」と「医療ドラマ」の2本でM-1に勝負を賭けるんだろうなと個人的に思っていて、この時期はウケが弱めの箇所が見るたびに改良されていたように思う。
三遊間は個人的に一番好きな「友達の家」を観ることができた。ここはネタの切り口が独創的で、櫻井が持論をばーっと喋っているところがいつも笑える。そろそろ出世しそうなコンビ。
バッテリィズもよく見る機会があって、ずっと爆笑してたんですよね。まさか準優勝してしまうとは。三連単入れなきゃダメだよなぁ。予想屋への道は遠い。
・12/3「タモンズライブ『詩芸』岐阜公演」
友人の家に遊びに行く予定があったので、都合が合って行けたライブ。
恥ずかしながらタモンズを知ったのはTHE SECONDの第二回大会で、その面白さを知ってからBSよしもと「それゆけ!大宮セブン」も毎週録画して見始め、今回このライブにも行くことになった。観客は30人弱くらいだったかな。
1時間ぶっ通しのしゃべくり漫才。2人のプライベートな事情も取り入れたネタが多く、ずっと和やかな気分で観ることが出来た。
安倍ちゃんがフィギュアスケートのジャンプの真似をしたところがあって、それ以降のネタがしばらく息切れ気味だったのが個人的爆笑ポイントだった。確かにちょっと香取慎吾に似ているかもしれない。
・12/20「マンゲキフライデーナイト」
関西でM-1前の令和ロマンを最後に見ることができ、かつ決勝&敗者復活戦出場者も多数出演するライブとあって、外れるだろうと思いながら抽選申込をしたらまさかの2列目センターを当ててしまった。
結果的にM-1決勝or敗者復活ネタを見れたのは、令和ロマン、バッテリィズ、カベポスター、フースーヤの4組。
令和ロマンは相変わらずのトップバッター。もうこれが伏線だったのではと思ってしまうくらい。実はこの時にM-1決勝1本目「名字」を披露していたのだが、あまりに雑談が多く、準々ネタということも知っていたため、まさかこれが決勝ネタだとは夢にも思っていなかった。同じネタでも全く違うように見せてしまうのだから、これも王者の余裕なのだろう。
バッテリィズも「偉人の名言」を、前に見た時と比べてセリフの順番を入れ替えたりしていて、完璧な仕上がりになっていた。そしてこの日のジョックロックは「探偵ドラマ」を披露。こちらも何回も見たネタだが、今まで弱かった2発目のツッコミを全て改変していて、よくこの短期間にここまで修正してきたなと驚いてしまった。結局M-1で披露していたのは「医療ドラマ」だったが、「探偵ドラマ」を出していたらどうだったか…というたらればを少し考えてしまう。
イチオク「魔法学校」、20世紀「コロッケ」もどちらも壮大な仕上がりでたくさん笑った。というか、この日は全組爆笑していた。
個人的にこの日一番好きだったネタはカベポスターの「絵本」だった。相変わらずの唸るようなネタの構成で、システム的ながらウケのポイントまでの時間を段々短くしていくのがとんでもなく上手い。アライグマのくだりの「君はホールで」で爆笑した。敗者復活でこれを出してきたとき勝利を確信していたのだが、自分の中ではまさかの敗退だった。やはり東京と大阪ではウケる漫才が違うのだろうか。自分の好みが世間と必ずしも一致しているわけではないということを認識として持っておく必要があることを改めて実感した瞬間だった。(重い)
こうやってまとめてみると最高の一年だったのではと思える。今年もまたやりたいので、今年からはライブの感想を書き留めるようにしたい。
最後に私が好きな出囃子を2つ置いて、この記事を終わる。ありがとうございました。
・黒帯
・令和ロマン