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2025年以降のM-1グランプリの展開を予想してみる

M-1の翌日に胃腸炎をもらってしまい、帰省できず暇で書いてみている。普段はマンゲキに週1くらいの頻度で通っている関西のお笑いライトファンです。
最近お笑いに興味を持った方向けに、僭越ながら今年のM-1の所感から、来年以降どういう漫才が台頭してきそうか、ファイナリストになりそうな漫才師を50組ほど素人目線でまとめてみた。
2万字を超えてしまっているので、興味があるところだけ読んでもらったら嬉しい。


今年のM-1の感想から。

ゲームマスター令和ロマン vs 愛すべき救世主バッテリィズ

笑御籤は全員には笑わない。
令和ロマンのトップバッターは、奇しくも例年M-1放送開始直後に披露される、前年王者の前座漫才と同じ形となった。
前年王者が見せつける、圧倒的な話術、アドリブをかませる度量、ただのあるあるでは済まさないネタの構成───、そして何より「保護者会で漫才したいだろ!!」という、なぜお笑いでなくても食っていけそうな高学歴のボンボンがここまで漫才バカなんだ…と思ってしまうような「人」の見せつけ方が、その後の流れを左右することは明白であった。結果的に、今年のM-1は「いかに人を見せるか」が一つの鍵になったように思う。

笑御籤の暴走は止まらない。
続いてヤーレンズ、真空ジェシカ、マユリカと去年のファイナリスト達が前半4組で出揃ってしまうという異常事態。これはもはや「M-1グランプリ2023 リターンズ」から「M-1グランプリ 2024」を見ているような感覚だった。
しかもヤーレンズ、真空ジェシカ、マユリカは3組とも漫才コントという、誰かは割を食ってしまう流れ。結局、ヤーレンズは令和ロマンの「人」に呑まれ、マユリカは真空ジェシカの「ボケ数」に呑まれてしまった。どちらも順番が違ったら…というたらればに思いを馳せてしまう。どんな実力者も笑御籤の前には抗えない。


ようやく始まった「M-1グランプリ 2024」。トップバッターはダイタク。初出場とは思えない技量、話術…。そりゃそうだ、今年のラストイヤーまでに何回準決勝にいたと思っているんだ、ときっと沢山のお笑いファンが思ったはず。さすがの緊張も少し伝わってきたが、それでも綺麗で、綺麗だった。
この「綺麗さ」に人は見えてこない。長年の努力と、練習の積み重ねが見えてくる。これが、ダイタクが令和ロマンに呑まれてしまった点だったように思う。
日本一の漫才師を決める大会というのなら、日本一の漫才の技術を持つ漫才師を決める大会というのなら、それはダイタクであったはずなのに、長年の漫才師としての技術でさえ、令和ロマンの前では「作り物」として見えてしまう、そんな恐怖がここで蔓延した。


「作り物」への冷遇はまだ続いた。6組目に登場したジョックロック。
結成2年の西のダークホースとして、関西の予選会場での勢いは凄まじいものがあった。爆笑を搔っ攫っていた予選や他の賞レースで披露していた医療ドラマのネタをさらに改良して挑んだM-1決勝。このコンビの強みは、分かりやすいポーズを取りながらの2段階のツッコミを畳みかけるシステマティックなスタイルであったが、それもこの「人を見せる大会」においては裏目に出た。
システム的な漫才はミルクボーイの優勝以降、若手芸人の間で流行りの形式であるが、既に台本としてかなり優秀なジョックロックのネタを、あえて型に落とし込む必要があるのか?という、審査員からの一種の問いかけであったように思う。それでも、ゆうじろーの「僕が面白くなります!」という真っすぐな言葉に、沢山の観客の心が綻んだに違いない。


やはり誰も令和ロマンを超えられないのか…と誰もが思った矢先、ここで少年漫画の主人公のようなスターが、登場する。
バッテリィズ。大阪のよしもと漫才劇場ではよく知られた存在で、エースが何か喋れば爆笑というような人気も実力を兼ね備えたコンビであったが、未だ関西の賞レースは獲ったことがなく、同期のカベポスターやダブルヒガシに押されがちの存在でもあった。
スタイルはシンプルな「しゃべくりバカ漫才」。無知なエースに寺家が物事を教えようとするも、逆に正論とも思えるような真っすぐなバカツッコミをエースが繰り出していく。大人になるにつれてあまり考えなくなってしまった視点をふと思い出したり、「俺が笑わせたる!」「生きるのに意味なんていらんねん!」という真っすぐな言葉に少し涙も出そうになる…。これこそが「人を見せる漫才」の究極形であったように思う。


そしてバカ漫才、バカ漫才と称されるが、かなり高度な技術を要する漫才でもある。まず、これはエースのキャラありきの漫才だが、エースがバカだということを初めて見る観客に分からせる必要がある。そこで、エースのバカエピソードを序盤に投入し、どの程度のバカなのかを観客に知らしめる───、これは今大会のファイナリストの中で最も自然な「つかみ」であった。
そして、エースは名言や世界遺産のことをさも初めて知ったかのようにツッコミ続けているが、もちろんこれらは劇場で何回もかけているネタであって、初めて知ったわけではない。それでも本当に寺家から初めて聞いたかのようなリアクションをし、初めて聞いたかのようにツッコむ。これは、こういう風に言うと冷めてしまう人もいるかもしれないが、「バカに見せる技術」が素晴らしいのだと思う。自身の役割を完璧に演じる漫才師としての度量が備わっている結果ゆえだと考える。
そして、寺家の「見せ方」も素晴らしい。これはエースを見せる漫才、エースのキャラを理解してもらう漫才ということに徹し、自分はあくまで陰で支えている。エースを立てるための困惑した弱いツッコミや、声の出し方まで完璧であったように思う。


令和ロマンと真空ジェシカが1位2位と君臨する中、どうやったらあのワードセンスを身に付けられるのか、何をすればあの演技ができるのか、この上どういう新しい形を生み出せばあの2組を超えられるのかに全観客が集中していた中で、真っすぐで純粋なキャラを全面に押し出すしゃべくり漫才がその2組を超えていったことは、センスに雁字搦めにされていた全ての観客を解放する、まさに救世主のような役割を果たしていたと思う。


そして、バッテリィズが令和ロマンを超えた衝撃冷めやらぬ間に、ママタルトが念力で一生懸命せり上がる。
ママタルトの漫才は、檜原の強めのツッコミをアクセントとして持つ、ホームビデオを見ているような優しい気持ちになる漫才だ。しかし今年のM-1では、檜原の長くて強いツッコミが、審査員からあまり評価されなかった。なぜなのか。これもまた、バッテリィズの「人を見せる漫才」に呑まれた結果なのかもしれない。檜原の長いワードでウケを取るツッコミはママタルトの持ち味でもあるのだが、バッテリィズの自然で端的なツッコミと比較すると若干仰々しく見えてしまった感が否めない。ここでも「作り物」感が淘汰される結果となってしまった。


ここでもう一度旋風を巻き起こしたエバース。「雑談ファンタジスタ」のキャッチコピーで登場した彼らの漫才は、雑談のようなテンポ感で進みながらも、非常にロジカルな構成で観客も頭を使う漫才だ。それが9組目で登場した時点で、観客の疲れも込みで考えると彼らにとってあまり良い出順だとは言えなかったと考えられる。しかし、彼らの漫才は真空ジェシカに1点差にまで迫った。そうなった要因として、それはネタの設定やツッコミワードの面白さだけではなく、町田の「友人の恋愛を応援する」「恋をしている女の表情くらい分かる」といったキャラクターも緻密に組み込まれていた点が挙げられるのではないだろうか。1階から3階を巡回してまで友人の初恋相手を見つけてあげたいという思いは、なんだか女子中学生を取り巻く恋愛模様を見ているような気分だった。
ロジカルなしゃべくり漫才は淡々とネタが進む分、漫才コントや情熱的なしゃべくり漫才に比べて爆発的にウケるポイントを連続して作りにくいという難点があるように見受けられることもあるが、その中でもエバースは細かな設定を確実に客に想像させる話術、リアルな雑談のような間の使い方、客を飽きさせないツッコミワード、そしてその町田のキャラクターという「人を見せる漫才」という様々な要素が組み合わさった緻密なしゃべくり漫才でその難点を克服していたように思う。間違いなく来年以降のM-1の優勝候補だろう。


最後の最後で全てをぶち壊したトム・ブラウン。もう何のネタだったか文章で説明することすら難しく、審査員の点数が割れるのも納得のネタではあったが、今年のラストイヤーまでに熟成された、一つの芸としての最終形態を見ることができたように思う。
M-1打ち上げでマヂカルラブリー野田も言っていたが、一番M-1から遠い芸風を貫き通し、もう一度決勝の舞台に上がってきたことこそが本当に素晴らしいと思う。セカンドには出ないと言っていたので、ネタ番組でまた扇風機に頭が回転させられているところを見てみたいともうしばらく経ったら思えそうだ。ラストイヤー、お疲れ様でした。



迎えた最終決戦。真空ジェシカ、令和ロマン、バッテリィズの順でのネタ披露となった。
初めて見ることになる真空ジェシカの2本目。真空ジェシカはネタの幅が広く、特に決まった形もないので、1本目と同じような大喜利漫才コントをまた見られるかと思いきや、これが衝撃であった。
ピアノがデカすぎるアンジェラ・アキという訳の分からない設定。通常の真空ジェシカのネタよりは同じ場面での展開が続き、ネタ時間の1/3ほどは無言で川北アンジェラ・アキが徘徊しているという恐怖の空間。(長渕は聞こえてくる)
いつもより展開が少なく、セリフも少ないからこそ、2人の表現力がさらに試される形となったが、川北の本当にピアノが大きいように見せる演技や首根っこを掴んでいるように見せる動き、ガクの観客の恐怖心に寄り添うリアルなリアクションなど、あの難しくて訳の分からない設定をよく爆笑を取るまで観客に分からせたと思う。恐らく来年の決勝の舞台にもいるのだと思うが、来年はどのような新境地を見せてくれるのか、ワクワクしてしまう。


続いて2本目は漫才コントで挑んだ令和ロマン。圧巻の言葉に尽きる。
戦国時代へのタイムスリップが題材。まるで一本の映画を見ているかのような満足感のある内容で、その中でくるまは10人もの役を演じ分ける。くるまは近年でも並外れてバランス良く能力値が高い芸人であり、それぞれの能力をレーダーチャートに示してみても特に低いところがないというのが一番の長所であると思うのだが、その中でもこのネタにおいて特筆すべき能力は演技力であるように思う。
4分強のネタ時間の中で10人もの役を演じ分け、場面展開をするというのは尋常ではない。それでも、表情や声色、動作を全て微妙に演じ分けることによって殿や茶々丸、爺、挙句の果てには2.5次元俳優まで様々な年齢層の人物を演じ分けていた。後に映画「SHOGUN」がこのネタの着想元だということを知ってから、本当に殿が浅野忠信に見えてくるのだから驚きだ。そして場面が変わったことが分かりやすいようにくるまは、城に到着して扉を開ける時の音、急いで扉を開ける時の音など、細かい効果音を全て自分で散りばめている。全て一人で、だ。これは恐らく努力だけで出来るものではない。このことに、羨望や諦観、様々な感情がこみ上げてくる。
対照的に、ケムリはあまり演技ができる方ではない。それがこのネタにおいては、本当に外部からタイムスリップしてきた他人の雰囲気を出していたし、最後に熊猿として敵と戦うシーンは爆笑どころながらも、この世界の仲間になったんだなという一種の感動さえあった


満を持して登場したバッティリズ。最終決戦のネタは「世界遺産」。1本目と2本目で同じシステムのネタを揃えてくるというのは珍しくなく、2019年のM-1ではミルクボーイが1本目に「コーンフレーク」、2本目に「最中」を披露し優勝した。バッティリズの2本目は同じしゃべくりバカ漫才であるが、後半に「墓」という共通した題材を置き、それを回収していく伏線回収の要素も含んだものとなった。こちらも十分に優勝を狙えるネタであったように思う。ただ、結局、またこちらも令和ロマン(と真空ジェシカ)に呑まれてしまったのかもしれない。
真空ジェシカは同じ漫才コントでも新境地を開拓した漫才コント、令和ロマンはしゃべくり漫才から漫才コントへの鞍替えといったように、全く違うタイプのネタを披露することで幅の広さを見せつけてきた。その点を比較すると、手数が少ないという風に受け取りやすくなってしまったという点は若干否めない。これもたらればだが、バッテリィズが最終決戦のトップバッターで登場していたら…、もしかしたら少し結果が違ったかもしれないと思うこともある。いずれにせよ令和ロマンに投票した審査員の票が一つでもバッテリィズに渡っていたら、バッテリィズが優勝するというまさにギリギリの戦いであった。


令和ロマンの連覇をもって、M-1グランプリ2024は幕を下ろした。前年王者の圧倒的強大さを見せつけながらも、それに肉薄したニュースターが複数いたこと、これは今後の漫才界を明るく照らす光となっただろう。現に今年のファイナリスト達は総じて平場も強く、テレビ露出も増えそうだ。

最後に、去年から優勝する実力があったものの、大会の盛り上がりに欠けたとして優勝を喜びきれていない様子だった令和ロマンが、再度M-1に果敢に挑戦し、過去最高レベルでM-1を盛り上げ、満面の笑みでトロフィーを受け取っていた姿を見れたことを、とても嬉しく思う。

ここ数年の傾向

近年のファイナリスト選考は漫才のタイプ別にバランスが取れた選考が行われており、漫才コント:しゃべくり漫才:システム漫才=3~4:3~4:2くらいの割合で選出されている。(この中で1組ほど、キテレツ枠(例:トムブラウン)が入ることもある。)

ここ数年は漫才コントの大波が打ち寄せていた。
令和ロマン、ヤーレンズ、真空ジェシカ、マユリカ、ロングコートダディといった名だたる実力漫才コント師が複数年でファイナリストになるケースが多く、あまり代替わりが起こってこなかった。しかし、敗者復活組に多数の若手漫才コント師たちが身を潜めている現状であり、どこかで決勝に進出してくると思われる。

またしゃべくり漫才にも目覚ましい動きがある。
今年のM-1ではバッテリィズとエバースという2組の若手しゃべくり漫才師が好成績を残し、その2組は来年のM-1の優勝候補となるだろう。また、敗者復活戦にも注目を集めたしゃべくり漫才師が複数いたため、今後はしゃべくり漫才の波が来る可能性もあるように思う。

反対に、いま決勝で評価が低くなりがちなのがシステム漫才である。去年と今年のM-1では、令和ロマンがトップバッターだったため、「作り物のように見える」というコメントがシステム漫才に対してネガティブな意見として送られることが多かった。直近のシステム漫才のM-1王者は2019年のミルクボーイであり、そのあたりから若手の間でもシステム漫才が流行りとなっているような印象を持つが、ここ数年のファイナリストで高評価を受けているシステム漫才師はあまり見受けられない。(しいていえば男性ブランコ)

実は2024年は大物漫才師のラストイヤーが相次いだ年でもあった。
ロングコートダディ、モグライダー、ダイタク、トム・ブラウンといった決勝経験組や、トット、セルライトスパ、カゲヤマなども2024年がラストイヤーだった。
2026年にも、ヤーレンズ、マユリカ、男性ブランコ、ダンビラムーチョなどがラストイヤーを迎える。
もはや笑い飯化している真空ジェシカも2027年にはラストイヤーだ。(彼らは優勝するまでM-1ファイナリストであり続けるだろう。)
このあたりで現在の漫才コントの決勝常連組はおおむね姿を消してしまう。その後は漫才コント師の若手が台頭しているのか、それともしゃべくり漫才の波が来ているのか、そのどちらの可能性もあるように思える。

ここからは主に吉本の話になってしまうが、劇場の勢いでも見てみよう。
東京吉本、特に神保町劇場所属の若手芸人の躍進は目覚ましいものがあり、その筆頭であった令和ロマンが卒業してなおその勢いは留まることはない。こちらはエバースを除いて漫才コント師で、来年以降の決勝進出が期待される漫才師が複数在籍する。
大阪吉本ではよしもと漫才劇場。西のしゃべくり漫才師はほとんどここの出身であると言い切っても過言ではなく、今年は準優勝のバッティリズを輩出した。しゃべくり漫才から漫才コントまで、各タイプ別に有力な若手漫才師が在籍しており、かなり幅が広い。



次の節では、決勝未経験組の中で2025年以降のM-1において現時点で優勝争いに関わりそうな有力漫才師まとめてみたいと思う。本当は今年のM-1準々決勝進出組くらい全組列挙してみたかったのだが、50組程度書いた時点で2万字を突破してしまったため、泣く泣く書くのを諦めている。すみません。ここに書ききれなかった漫才師にも応援しているところは沢山あります…。
また、著者は普段関西の劇場を中心に観劇しているため、西の漫才師の方が若干情報が厚めになることをご了承願いたい。

2025年以降のM-1ファイナリスト候補注目漫才師53組

2025年以降のM-1決勝に進出する可能性が高いと思われる注目を漫才師を、漫才のタイプ別にまとめていく。
漫才コント、しゃべくり漫才、システム漫才、キテレツ漫才の4種類に分類するが、どれかに振り分けられた漫才師が必ずしもその1種類の漫才のみをしているというわけではない。(漫才コントもしゃべくり漫才もレパートリーにある漫才師も多く存在する。また、キテレツ漫才は著者の造語である。)
ここでは、賞レースで披露したような代表的なネタで一度分類をしてみたいと思う。

・漫才コント(コント漫才)

漫才コント(コント漫才)から見ていく。

ここは超激戦区でしばらく顔ぶれが変わりそうにない。
決勝未経験組→決勝経験組の順番で書いていく。ここに書けなかったところにも多数実力者がいるので、ここに書ききれないことをご了承願いたい。

ナイチンゲールダンス(東京吉本・2017年結成)

中野なかるてぃん(左)ヤス(右)

神保町よしもと漫才劇場所属、東京NSC22期主席。
大学お笑いを感じさせる漫才コントの系譜ながらも、テンポ感がよく、小学生でも分かるような分かりやすいボケが特徴だ。中野なかるてぃんのよく通る声も持ち味で、会場中に美声を届けることができる。
2年連続で準決勝に進出しており、THE MANZAI 2024 プレマスターズもヤーレンズとともに勝ち上がるなど、機は熟しまくっているコンビなので、いつストレートで決勝に進出してもおかしくないと思う。

金魚番長(東京吉本・2018年結成)

箕輪智征(左)古市勇介(右)

神保町よしもと漫才劇場所属、東京NSC24期主席。
ナイチンゲールダンス→令和ロマン→金魚番長の流れでそれぞれ東京NSC主席であり、まさに神保町劇場の黄金期と言えるのではないだろうか。共に難関大学卒ながらも大学お笑いの出身ではなく、しゃべくり漫才も漫才コントもどちらもレパートリーにあるコンビである。漫才コントでは、箕輪が繰り出す展開の早いボケと古市のストレートなツッコミが持ち味。
2024年に準決勝に初進出し、その他にもABCお笑いグランプリの決勝進出、2023年のUNDER 5 AWARDも優勝するなど、今や若手賞レースの常連である。

家族チャーハン(東京吉本・2023年結成)

大石(左)江頭(右)

神保町よしもと漫才劇場所属。
2年目にしてどこかサンドウィッチマンの芸風を彷彿とさせる、流れのあるバカバカしいキャラのボケが痛快なコンビである。ボケは知識を必要とする高度なものから、本当にただバカバカしいものまで幅がある。
2024年のUNDER5 AWARDの決勝に進出したかと思えば、その年のM-1の準決勝まで来てしまった末恐ろしいコンビである。芸歴に関係なくここまで上手い漫才コントが出来るコンビはもう決勝に上げざるを得ない状況がすぐそこに来ているのではないか。

例えば炎(大阪吉本・2020年結成)

タキノ ルイ(左)田上(右)

よしもと漫才劇場所属。
一度大阪NSCを退学になり、大阪NSC43期生として再入学した異色の経歴を持つ。令和ロマン髙比良くるまが言った「舐めている」という言葉が少し話題になっているように、5年目とは思えない余裕のある立ち回りで、普段もこんな感じなのではないかと思わせる生っぽさは類を見ない。
こちらも2024年のUNDER5 AWARDの決勝に進出した勢いで、M-1の準決勝まで進出。敗者復活戦ではボケをかましすぎてタイムオーバーになってしまったが、来年は時間内にネタを終えることが出来るのか注目だ。

ダブルヒガシ(大阪吉本・2014年結成)

大東翔生(左)東良介(右)

よしもと漫才劇場所属。
言わずと知れたマンゲキのエースのうちの一組であり、漫才コントとしゃべくり漫才の両方をレパートリーに持つが、漫才コントでは大東が様々なキャラクターに扮し、東はそれに巻き込まれたり、一緒にボケたりする脱力感のある雰囲気が印象的なコンビである。
2023年にはytv漫才新人賞とABCお笑いグランプリでダブル優勝し、2024年には上方漫才協会大賞にて大賞を受賞。M-1では準々決勝敗退が続いているが、このタイトルホルダーはいずれファイナリスト常連になるはずだ。

天才ピアニスト(大阪吉本・2016年結成)

竹内知咲(左)ますみ(右)

よしもと漫才劇場所属。
数少ない女性コンビの実力者で、漫才とコントの両方で活躍する。ますみは上沼恵美子のものまねでテレビで見かける日も多い。
妙にいそうな人物を演じるますみに、痛快なツッコミを浴びせる竹内の相性がとてもバランスの良いコンビだ。
2022年のTHE W王者であり、同年の上方漫才コンテストでも優勝。タイトルホルダー女王が決勝の舞台に現れる日が待ち遠しい。

さすらいラビー(太田プロダクション・2014年結成)

宇野慎太郎(左)中田和伸(右)

太田プロダクション所属。
非常にレパートリーが広いコンビで、漫才とコントをどちらも行う上に、漫才においてもしゃべくり漫才も漫才コントも行う。漫才コントでは、26cmの身長差を生かし、映画や学生時代のワンシーンを再現するようなものを得意とする。
2024年のM-1では準々決勝でかなりのウケを取りながらも惜しくも敗退。2023年末放送のTHE MANZAI プレマスターズでヤーレンズやからし蓮根を抑え、マスターズへの出場権を獲得した実力者であり、未来の非吉本ファイナリストとして期待が持たれる。

きしたかの(マセキ芸能社・2012年結成)

高野正成(左)岸大将(右)

マセキ芸能社所属。
近年では漫才コントを中心に行う。コント中に岸が茶化すようなボケをふっかけ、高野が大声でキレてつっかかっていくようなネタを演じることが多い。
2023年のM-1では初の準決勝に進出。最近ではテレビ露出も増え、高野のキレ芸やドッキリをテレビで見る日も多い。その忙しさの中でネタの精度も年々上昇している印象で、2024年の準々決勝ネタも話題になった。マセキ初のM-1王者への道が見えてきている。

ビスケットブラザーズ(東京吉本・2011年結成)

きん(左)原田泰雅(右)

東京吉本所属。
漫才とコントの両方をレパートリーに持つ。漫才ではテンポ感に優れたミュージカル調の漫才コントを演じることが多く、家族や恋愛をテーマにした暖かい内容に時折組み込まれる原田自身に関するボケが秀逸である。
KOC 2022チャンピオンであり、名実ともに最強のコント師であるが、2020年のytv漫才新人賞や2021年のNHK上方漫才コンテストでも優勝を飾っており、漫才でも数多くの結果を残す。初のKOCとM-1のダブルチャンピオンになる可能性がいま最も高いコンビである。

大自然(東京吉本・2015年結成)

しんちゃん(左)ロジャー(右)

ヨシモト∞ホール所属。
一番に声が特徴的なコンビで、ロジャーの響きのある重低音を生かしたネタを行うことも多い。漫才とコントどちらもレパートリーにあるコンビであるが、漫才では恋愛模様や、しんちゃんが実は動物だったというような優しい癒し系漫才を持ち味としている。
2016年から2年連続でM-1準決勝に進出。有吉の壁など既にテレビ露出も多いが、M-1もKOCも毎年果敢に挑戦し続けている。ぜひ決勝のサンパチマイクであの重低音を響かせてほしい。

ケビンス(東京吉本・2021年結成)

仁木恭平(左)山口コンボイ(右)

ヨシモト∞ホール所属。
漫才コントを主に行っており、山口のアクロバティックな動きがキャッチーなネタでありながら、時折毒舌で腐すような流れもあり、そのバランスがなんとも絶妙である。
2021年にいきなり準々決勝に進出してからは安定した戦績を記録しており、2024年の準々決勝でも会場を盛り上げた立役者として話題になった。山口の大ジャンプを決勝の舞台で見れる日が楽しみである。

20世紀(大阪吉本・2013年結成)

木本悠斗(左)しげ(右)

よしもと漫才劇場所属。
漫才とコントをどちらも行うコンビであり、漫才ではとにかく動きがあって観客も元気になれるような活発な漫才コントを行うことが多い。彼らが繰り広げる独特な世界観に引き込まれると、あまりのバカバカしさを一瞬忘れ、最後にはハートフルな気分になれる、とても不思議な漫才だ。
2023年には初めてM-1準決勝に進出。2024年の準々決勝では、エビフライから始まるエヴァ風ネタを披露し話題になった。来年はどんな世界観を披露してくれるのか、今からワクワクが止まらない。

ここから決勝経験組をまとめてみる。

真空ジェシカ(プロダクション人力舎・2012年結成)

ガク(左)川北茂澄(右)

プロダクション人力舎所属。M-1 2021,2022,2023,2024ファイナリスト。(2024年は第3位)
「大喜利漫才コント」を特徴とし、川北が次々に変わったキャラクターを演じ、ガクがツッコむというより川北の説明をするという、大喜利ボケ要素の強い漫才が特徴である。ゼロ年代のインターネット民に刺さるボケをすることが多く、Xユーザーから絶大な人気を誇る。
M-1史に残る驚異の4年連続ストレート決勝進出を記録。2024年には初めて最終決戦に進出し、2本目で「ピアノがデカすぎるアンジェラ・アキ」を披露し話題になった。来年はどのような新境地を見せてくれるのか見ものである。

ヤーレンズ(ケイダッシュステージ・2011年結成)

楢原真樹(左)出井隼之介(右)

ケイダッシュステージ所属。M-1 2023準優勝、2024ファイナリスト。
漫才コントを得意としており、楢原演じる癖のあるキャラクターが自由にボケ続け、出井は初対面の人物として軽くツッコミつつも完全には説明しきらない、まるで日常会話を覗き見ているような気分になる漫才を持ち味としている。
2023年のM-1では令和ロマンと1票差で準優勝。優勝を期待され臨んだ2024年のM-1では出順に恵まれず、5位に終わった。ラストイヤーまでに後2年あるので、悲願のトロフィーを受け取る姿を是非見てみたいと願う。

ママタルト(サンミュージックプロダクション・2016年結成)

檜原洋平(左)大鶴肥満(右)

サンミュージックプロダクション所属。M-1 2024ファイナリスト。
コンビも漫才もするコンビであるが、近年は漫才を主に行っている。体重190kgを誇る大鶴肥満の生活の中で起こることを、檜原が長めのワードを多用した強いツッコミでツッコんでいくという、アットホーム感のある優しい漫才を特徴とする。
M-1では2年連続準決勝を経て、2024年に初めて決勝に進出。2人が祈りを込めながら一生懸命せり上がる姿が話題となった。大鶴肥満がまた決勝の舞台で暴れまわる姿をまた見れる日が待ち遠しい。

マユリカ(東京吉本・2011年結成)

阪本(左)中谷(右)

ヨシモト∞ホールを拠点に活動。M-1 2023,2024ファイナリスト。
テンションの高いツッコミの中谷と、反対に暗い雰囲気のボケの阪本からなる幼馴染コンビ。恋愛ネタが多く、少女漫画を具現化したようなネタを見ることが多い。一発一発のボケの火力が強く、下ネタを言うことも多いが、なぜかそこまで不快に感じない、不思議な魅力を持つコンビである。
今最もライブチケットが売れるコンビと呼ばれ、お笑いファンから絶大な人気を誇る。2024年のM-1では、激戦のBブロックを勝ち上がり敗者復活戦から決勝に進出。来年以降もその勢いは衰えることはないだろう。

インディアンス(東京吉本・2010年結成)

田渕章裕(左)きむ(右)

東京吉本所属。M-1 2019,2020,2021ファイナリスト。(2021は第3位)
とにかく手数が多く、ボケ倒し続ける田淵にきむが突っ込み続けるため、漫才のスピード感はトップクラス。そのあまりのスピード感が癖になるファンも多い。
2019年から3年連続で決勝に進出しており、その後は準々決勝での敗退が続いていたが、2024年にはメタ的な要素が混じった新たな境地の漫才を披露し、惜しくも準決勝で敗退した。来年のラストイヤーに特に期待が高まっている。

からし蓮根(大阪吉本・2013年結成)

伊織(左)杉本青空(右)

よしもと漫才劇場所属。M-1 2019ファイナリスト。
漫才コント師の中でも上位の技術力の高さを有しており、淡々とした奇想天外なボケを次々と繰り出す伊織と、熊本弁で的確なツッコミをする杉本からなる共にプレイヤー力の高いコンビである。
あのM-1 2019に決勝に進出しており、その後の劇場での笑いの取り方も群を抜いている印象で、いつ決勝に戻ってきてもおかしくないコンビだ。

東京ホテイソン(グレープカンパニー・2015年結成)

たける(左)ショーゴ(右)

グレープカンパニー所属。M-1 2020ファイナリスト。
2022年のM-1では「謎解き」ネタが話題になったが、近年では漫才コントを多く演じている印象である。たけるの体と間を大きく使った歌舞伎風のツッコミは未だ健在で、ハマった時の爆発力は抜群だ。
2022年のM-1で決勝に進出して以降も好戦績を残し続けており、2024年の準々決勝ネタ「野球部」は話題になった。来年はどのようなツッコミワードを披露してくれるのか、今からワクワクしてしまう。

・しゃべくり漫才

漫才コントの興隆もさることながら、しゃべくり漫才師の若手の勢いも凄まじい。
ここでも決勝未経験組→経験組の順でまとめる。

滝音(東京吉本・2016年結成)

さすけ(左)秋定遼太郎(右)

ヨシモト∞ホール所属。
漫才とコントの両刀使いであり、漫才では穏やかな上方漫才を持ち味とし、さすけが繰り出す造語からなるツッコミワードは「ベイビーワード」と呼ばれている。さすけのワードの鋭さもさることながら、秋定の良い意味でゆるいボケも魅力的な味のあるコンビだ。
KOC 2022のファイナリストであり、2022年のNHK上方漫才コンテストでは準優勝を果たすなど、漫才とコントの両方で結果を残す多才なコンビである。スーパーマラドーナ武智が自身のYoutubeで、「来年以降に化ける」と発言しており、期待が持たれる。

豪快キャプテン(大阪吉本・2019年結成)

べーやん(左)山下ギャンブルゴリラ(右)

よしもと漫才劇場所属。
圧倒的な声量を誇る山下ギャンブルゴリラのキレ芸が最大の武器。ただのキレ芸という訳でなく、関西で暮らしている人ならよくするような日常会話が題材であるのに、キレとスピード感で爆笑の渦に巻き込んでしまう。
M-1 2023,2024の2年連続で準決勝に進出。今年の敗者復活戦でギャンゴリのキャラクターが去年より浸透した感触があったので、来年はさらなる結果が期待できるだろう。

ひつじねいり(マセキ芸能社・2019年結成)

細田祥平(左)松村祥維(右)

マセキ芸能社所属。
関東弁のボケと関西弁のツッコミという珍しい漫才スタイルであり、それぞれのテンションにもかなり温度差がある、なんとも癖になるしゃべくり漫才師である。
2023年にはツギクル芸人グランプリで準優勝し、同年のおもしろ荘にも出演するなど、業界関係者からの注目度も高いコンビと言える。2024年の敗者復活戦でも十分な爪痕を残したこのコンビはきっと来年以降の強豪となるはずだ。

カラタチ(東京吉本・2011年結成)

前田壮太(左)大山和也(右)

ヨシモト∞ホール所属。
アニメオタクの大山とアイドルオタクの前田による対立構図を用いたしゃべくり漫才を特徴とし、ボケとツッコミも頻繁に入れ替わる。2人の佇まいや喋り方がいかにもオタクのそれを彷彿とさせ、一般人でも分かりやすいオタクあるあるを披露してくれる。
2023年末のムゲンダイユースカップにて優勝し、∞ホールレギュラー入りを果たした後、2024年のM-1では初めて準決勝に進出。唯一無二の「オタク漫才」は、独自性が重視されるM-1において今後重宝される存在になるかもしれない。

豆鉄砲(ワタナベエンターテインメント・2018年結成)

東健太郎(左)ホセ(右)

ワタナベエンターテインメント所属。
独特の視点から展開される「持論系しゃべくり漫才」が持ち味で、言われてみれば確かにといった不思議な学びもあるのがこのコンビを見る上での楽しみだ。
2023年のワタナベお笑いNo.1決定戦では多数の強豪コント師を下し優勝。東のしゃべくり漫才師のホープとして、今後より注目される存在になるに違いない。

ドンデコルテ(東京吉本・2019年結成)

小橋共作(左)渡辺銀次(右)

神保町よしもと漫才劇場所属。
漫才とコントの両方をレパートリーに持つコンビで、漫才ではしゃべくり漫才を得意とする。老舗バーのマスターのような渡辺のどっしりとした話術が光る漫才であり、客席に直接問いかけているような落ち着いた芸風が持ち味である。
2024年のM-1では初めて準決勝に進出。「人」を見せる漫才としてトップレベルの技術を持っている彼らが、今後どのように語り掛けてくれるのかが楽しみだ。

ぐろう(大阪吉本・2019年結成)

家村涼太(左)高松巧(右)

よしもと漫才劇場所属。
独自の持論を展開する「持論系しゃべくり漫才」。妙に納得してしまう理論展開が多く、気付いたら笑ってしまうしゃべくりである。前述の豆鉄砲と比較されることも多く、「東の豆鉄砲、西のぐろう」と一部では言われている。(スーパーマラドーナ武智談)
よしもと漫才劇場所属の芸歴8年目以下の芸人のネタバトル「Kakeru翔GP」では、2023年以降複数回優勝。2024年のytv漫才新人賞では準優勝を果たし、マンゲキ若手のしゃべくりエースと言える存在である。

ドーナツ・ピーナツ(大阪吉本・2015年結成)

ピーナツ(左)ドーナツ(右)

よしもと漫才劇場所属。
漫才コントもしゃべくり漫才もどちらもレパートリーに持つが、最近ではしゃべくり漫才をすることも多い。しゃべくり漫才は口喧嘩スタイルのものが多く、あるテーマに対して双方が同じくらいの熱量で言い合いをする、喋りの技術が光る漫才を行う。
関西の若手芸人にとって一番の出世番組と言われる「せやねん!」のレギュラーであり、この番組のレギュラーはM-1ファイナリストになるというジンクスがある。このジンクス通りにM-1決勝でこの口喧嘩漫才が見れる日が待ち遠しい。

華山(大阪吉本・2012年結成)

やすい(左)にこらす(右)

よしもと漫才劇場所属。
にこらすの強烈なキャラクターに最初は目を奪われるが、伏線回収の要素も散りばめられた、少し古風な雰囲気も感じる正統派漫才を行う。
2019年に前コンビ名「エンペラー」としてABCお笑いグランプリで優勝。M-1でも2023年には準決勝に進出しており、にこらすのキャラクターが決勝の舞台で輝く時も近いかもしれない。

鬼としみちゃむ(大阪吉本・2017年結成)

しみちゃむ(左)鬼沢さん(右)

よしもと漫才劇場所属。
元々ピン芸人同士から始まったコンビ。しみちゃむが始めた話題に対し、鬼沢が「し~み~ちゃ~む~!」と言った後に痛烈な正論煽りツッコミ浴びせるスタイル。2人ともキャラクターがしっかりしている上に、鬼沢がいつツッコむのか終始ドキドキしてしまう、癖になる漫才だ。
2023年に初めてM-1準決勝に進出し、敗者復活戦の場に「し~み~ちゃ~む~!」が響き渡った。今後は是非決勝の場で響き渡らせてほしい。

ぎょうぶ(大阪吉本・2018年結成)

為国(左)澤畑健二(右)

よしもと漫才劇場所属。
少しズレた持論を展開する為国に対して澤畑がツッコむような「持論系しゃべくり漫才」から、展開の早いダブルボケスタイルの漫才コントまで様々なタイプの漫才をこなす多才なコンビ。
2023年には初めて準決勝に進出。同年の漫才劇場で開催されるKakeru翔GPで総合優勝を飾ったこともあり、今後のさらなる飛躍が期待される西の若手漫才師である。

パンプキンポテトフライ(ホリプロコム所属・2013年結成)

谷拓哉(左) 山名大貴(右)

ホリプロコム所属。
しゃべくりも漫才コントもレパートリーにあるコンビ。どちらもゆったりとした語り口調が持ち味で、それでいてギリギリのラインを攻める下ネタ漫才を扱ったりするのがこのコンビの最大の武器。つかみの面白さも有名で、つかみ集がYoutubeにアップロードされるレベルである。
M-1では2021年から3年連続で準々決勝に進出。そのネタの凶悪さから、M-1決勝の舞台でいつも通りのネタを披露している姿を想像することは難しいが、毎年何のネタをするのか色んな意味で楽しみなコンビだ。

ここから決勝経験組。

バッテリィズ(大阪吉本・2017年結成)

エース(左)寺家(右)

よしもと漫才劇場所属。M-1 2024準優勝。
エースのキャラを生かした、唯一無二の「しゃべくりバカ漫才」を特徴とする。無知なエースに寺家が物事を教えようとするも、逆に正論とも思えるような真っすぐなバカツッコミをエースが繰り出していく。
2024年に初めてM-1決勝に進出し、1位に君臨する前年王者・令和ロマンに11点差をつけファーストラウンドトップ通過。M-1に旋風を巻き起こした。2025年はテレビ露出が絶えないものと予測されるが、来年のM-1は果たして。

エバース(東京吉本・2016年結成)

佐々木隆史(左)町田和樹(右)

神保町よしもと漫才劇場。M-1 2024ファイナリスト。
しゃべくり漫才を得意としており、佐々木が話し出す少し設定に無理がある話に、町田が困惑しながらツッコんでいく内容のネタが多く、持論系しゃべくり漫才のエースとして知られる。ネタ数の多さでも知られ、2024年にはネタを一度も被らせることなく賞レースに5回出場するという偉業を成し遂げた。
2024年のNHK新人お笑い大賞を制した後、同年のM-1決勝に進出。決勝では名作「桜の木の下で」を披露し、真空ジェシカまで1点差まで迫った。来年のM-1優勝候補筆頭とも言えるだろう。

さや香(東京吉本・2014年結成)

新山(左)石井(右)

東京吉本所属。M-1 2017,2022,2023ファイナリスト。(2022は準優勝)
どこか素っ頓狂なボケの石井に対し、新山が熱血教師のような全力ツッコミを放つ、構成のしっかりしたパワー系しゃべくり漫才を得意とする。
M-1 2022では準優勝を成し遂げ、翌年には優勝が期待されたが、2本目で「見せ算」を披露し伝説となった。2024年は不出場だったが、ラストイヤーまでまだまだ年数はあるので、今後の動向に注視が必要なコンビだ。

カベポスター(大阪吉本・2014年結成)

永見大吾(左)浜田順平(右)

よしもと漫才劇場所属。M-1 2022,2023ファイナリスト。
穏やかな上方漫才を持ち味とし、ロジカルな構成のしゃべくり漫才を始めに、ストーリー性のある怪談風の漫才や、2人が対決するようなスタイルのものまで、様々な構造の漫才のレパートリーを持つ。
2022,2023年の2年連続ファイナリストであり、2022年のABCお笑いグランプリでも優勝。2024年には惜しくも準決勝敗退となったが、敗者復活戦で披露した「絵本」のネタが話題に。上方漫才のエースがどのような漫才で勝負するのか、今後も目が離せない。

オズワルド(東京吉本・2014年結成)

畠中悠(左)伊藤俊介(右)

東京吉本所属。M-1 2019,2020,2021,2022ファイナリスト。(2021は準優勝)
穏やかながらも奇妙さを感じさせるボケの畠中と、つぶやくようなツッコミをする伊藤の2人が繰り広げるシュールな漫才が持ち味。
2019年から4年連続で M-1決勝に進出し、2021年には準優勝を飾った。いまやテレビで見かけることも多い売れっ子コンビであるが、絶えずM-1に出続けており、彼らの漫才熱は冷めていない。彼らがまた決勝の舞台に戻ってくる日が待ち遠しい。

シシガシラ(東京吉本・2018年結成)

浜中英昌(左)脇田(右)

ヨシモト∞ホール所属。M-1 2023ファイナリスト。
一貫した「ハゲネタ」の使い手であり、毎度新たな角度でハゲをイジったり、途中まではおよそハゲネタとは思えない流れでやはりハゲネタだったりと、ハゲネタの新境地の開拓者とも言えるコンビである。
2023年のM-1では新たな審査システムが導入された敗者復活戦を制し、決勝に進出。2024年の敗者復活戦では脇田をひたすら追い詰めるクイズネタを披露した。しばらくハゲネタはこのコンビの寡占状態になりそうだ。

ミキ(東京吉本・2012年結成)

亜生(左)昴生(右)

東京吉本所属。M-1 2017,2018ファイナリスト。
質問を投げかける弟の亜生に、これでもかと言葉を浴びせる兄の昴生の兄弟による超しゃべくり漫才。
もう説明不要なほど売れているこのコンビは毎年M-1にエントリーし続けており、予選では巧みな技術で観客を沸かせ、かつ近年ではあえて寄席向けのネタでM-1に挑んでいる印象を持つ。いつ息継ぎをしているのか分からないほど磨き上げられた話術を、また決勝で見てみたい。

・システム漫才

ここに分類した漫才師は、漫才コントにもしゃべくり漫才にも分類できるが、「同じ流れの繰り返しがある」漫才を得意とする漫才師(例:ミルクボーイ)をここに振り分けた。
決勝未経験組→経験組の順に書く。

スタミナパン(SMA・2014年結成)

麻婆(左)トシダ タカヒデ(右)

SMA HEET Project所属。
2023年M-1敗者復活ネタで頻繁に出てきた「ほーんとにうんちしてまーす」のように、麻婆が話を一切聞かず同じ展開を繰り返し、トシダが観客の代弁者の如く全てにツッコむスタイルのネタが多い。
2022年までは2回戦進出が最高戦績だったが、2023年にいきなり準決勝に進出。2年連続で2024年も準決勝に進出し、敗者復活戦では爆笑を搔っ攫った。同年のM-1直後のSMAホープ大賞でも優勝し、来年に特に期待が持たれるコンビである。

TCクラクション(グレープカンパニー・2019年結成)

古家曇天(左)坂本No.1(右)

グレープカンパニー所属。
漫才とコントの両方を行う。漫才では、2人の掛け合いの中で同一の構造が繰り返されるシステムしゃべくり漫才のスタイルを得意とする。
M-1では2021年から4年連続準々決勝進出、KOCでは2020年から5年連続準決勝に進出しており、M-1かKOCか、先にどちらのファイナリストになってもおかしくないコンビだ。

シンクロニシティ(東京吉本・2017年結成)

西野諒太郎(左)よしおか(右)

神保町よしもと漫才劇場所属。
漫才とコントの両方を行う。よしおかのボソボソとしたボケに対し、西野が翻弄されながらツッコむスタイルで、近年では言葉遊びをテーマにした綺麗な作りのしゃべくり漫才を披露することが多い。
大学時代に双方とも結果を残してきたコンビであり、M-1では2022年に準決勝に進出。数少ない男女コンビの一角として、決勝の舞台に立つ日も近いかもしれない。

素敵じゃないか(東京吉本・2014年結成)

柏木成彦(左)吉野晋右(右)

神保町よしもと漫才劇場所属。
しゃべくり漫才も漫才コントもこなすコンビで、ある言葉や歴史といった一つのテーマに沿ってストーリーを展開する、行ったり来たり漫才のような形式で様々なスタイルの漫才を行うことが多い。
M-1では2020年から5年連続準々決勝進出し、2023年のABCお笑いグランプリでは3位という結果を残すなど、将来が期待されるコンビだ。

ストレッチーズ(太田プロダクション・2014年結成)

福島敏貴(左) 高木貫太(右)

太田プロダクション所属。
しゃべくり漫才も漫才コントもレパートリーにあるコンビで、しゃべくり漫才ではロジカルな構成を組み込んだ、見る人を選ばない正統派の漫才を得意とする。
2022年のツギクル芸人グランプリにて優勝した後、同年のM-1では準決勝に進出。2024年のラパルフェの準々決勝ネタで言及されたように「未来がある」コンビだ。

ここから決勝経験組。

ジョックロック(大阪吉本・2022年結成)

福本ユウショウ(左)ゆうじろー(右)

よしもと漫才劇場所属。M-1 2024ファイナリスト。
漫才コントをベースとし、福本がセンターマイクの前で半仁王立ちのような立ち姿でツッコむスタイルが特徴。ドラマをテーマにしたネタが多く、ゆうじろーの流れるような演技の技術も光る。
結成2年半で2024年のM-1ファイナリストに。2023年からNHK新人お笑い大賞も2年連続で準優勝を果たしており、トップスピードで駆け上がった西のダークホースとなった。「僕が面白くなります!」と真っすぐな瞳で宣言したゆうじろーが、来年どんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。

ダンビラムーチョ(東京吉本・2011年結成)

大原優一(左)原田フニャオ(右)

ヨシモト∞ホール所属。M-1 2023ファイナリスト。
歌ネタからしゃべくり漫才要素の強いものまで、幅広いネタをこなす。大原が演じるテンションの高いキャラクターに原田が翻弄されるものや、原田がほぼツッコまずに一緒に何かに挑戦するようなものなど、とにかくバカバカしくて優しい芸風が持ち味。
2023年にM-1で決勝に進出し、その勢いを保ったまま2024年にはKOCのファイナリストに。さらなる結果をコントと漫才のどちらで先に残すのだろうか。

男性ブランコ(東京吉本・2011年結成)

浦井のりひろ(左)平井まさあき(右)

東京吉本所属。 M-1 2022ファイナリスト。
非常にネタの幅が広いコンビで、今回はM-1 2022決勝ネタからシステム漫才師の枠に分類した。全く新しいシステム発案の天才であり、これまでも「音符運び」「性vs理性」という常人が誰も思いつかない設定のネタを数多く披露してきた。穏やかな語り口調ながらも、若干グロテスクな内容がネタに入ることも多く、芸風を一言で説明することが難しいコンビだ。
KOC 2021準優勝を成し遂げた後、翌年にはM-1でも決勝に進出し、コントと漫才の文字通りの両刀使いの実力者である。毎年休まずKOCとM-1の両方に出続けており、再びダブルファイナリストになる未来も近いかもしれない。

くらげ(東京吉本・2018年結成)

杉 昇(左)渡辺翔太(右)

ヨシモト∞ホール所属。M-1 2023ファイナリスト。
M-1 2023で披露した「思い出せない」のネタのような、あるシステムに則って話を展開していく漫才を得意とし、「システムメーカー」と一部で称されている。
2023年に決勝に進出し、2024年の準々決勝でも惜しくも敗退し話題となった。システム漫才の雄がこれからどのようなネタを披露するのか、注目が集まる。

キュウ(タイタン・2013年結成)

ぴろ(左)清水誠(右)

タイタン所属。M-1 2022ファイナリスト。
スローテンポなしゃべくり漫才が特徴で、ある言葉などをテーマにしたボケをゆっくりとした展開でぴろが畳みかけ、後半にいくにつれ清水が振りかぶった大きなツッコミをする。
2022年のM-1で決勝進出。2024年のM-1では、いつも通りのシステマティックな漫才のオチでぴろが踊りだすという新境地を開拓し、話題になった。今後どのように彼らの漫才が進化していくのか、目が離せない。

・キテレツ漫才

ネタの構成やストーリー、キャラクターなどにかなり個性がある漫才師をここに分類している。近年のM-1ではこの枠が毎年1組は選ばれている印象であり、金字塔のトム・ブラウンが2024年でラストイヤーを迎えたことにより、大幅な世代交代が起こると予測される。
「キテレツ漫才」は著者自身の造語であり、正式な言葉ではないので、もっと良い言葉があったら教えてください。
決勝未経験組→経験組の順でまとめる。

フースーヤ(大阪吉本・2016年結成)

田中ショータイム(左)谷口理(右)

よしもと漫才劇場所属。
漫才とコントをどちらも行うコンビで、漫才のベースとなるのは漫才コントであるが、ネタの途中で突然リズムネタやギャグが強引に挟まり、何事もなかったかのようにネタに戻っていく不思議な構成の漫才を特徴とする。
M-1では2023年から2年連続で準決勝に進出し、2024年のNHK上方漫才コンテストでも優勝。よしもと漫才劇場では2ヶ月おきの間隔で単独ライブが開かれるほど、追い風に追い風が吹いているような勢いであり、2025年に最も注目が集まるコンビのうちの1組といっても過言ではない。

十九人(ASH&Dコーポレーション・2018年結成)

ゆっちゃんw(左)松永勝忢(右)

ASH&Dコーポレーション所属。
漫才コントをベースとしており、かなり奇妙な大袈裟なリアクションをするゆっちゃんwと、もはや反応するのを諦めたかのように静観したりなんとか参加したりする松永からなるコンビ。ゆっちゃんwのあまりの声量にテレビの音量を下げたくなってしまうくらいだが、見終わった頃にはもう一度見たくなる、中毒性のあるネタが特徴だ。
2024年のM-1では敗者復活戦に登場し、各所で話題になった。もし決勝に進出したら、審査員達はどのようなコメントをするのか、一番気になるコンビかもしれない。

ネコニスズ(タイタン・2012年結成)

舘野忠臣(左)ヤマゲン(右)

タイタン所属。
漫才とコントの両方が行うが、近年では漫才に重きを置いている印象で、ここ数年で急に「赤ちゃん」化した舘野が社会の荒波に揉まれていく、意外に構成のかなりしっかりした漫才コントを行っている。
2024年のツギクル芸人グランプリで決勝に進出し、同年のM-1準々決勝ではかなりのウケを獲得しながらも惜しくも敗退。赤ちゃんキャラが浸透した2025年以降にさらに頭角を現すことが期待されるコンビだ。

イチゴ(東京吉本・2021年結成)

イクト(左)木原優一(右)

神保町よしもと漫才劇場所属。
イクトが急に意味不明な提案をしたり、謎のキャラクターが憑依したりする流れに木原が巻き込まれるといったネタをすることが多い。イクトの奇怪な様子に目を奪われるが、木原のツッコミのワードセンスや、初めての状況を見ているかのような演技の技術力もベテランのような貫録を感じさせる。
M-1では2023年から2年連続で準々決勝に進出。2024年は前述のネコニスズとまさかの赤ちゃんネタ対決となり、話題になった。キテレツ漫才師の東のホープと言える存在だろう。

決勝経験組として1組紹介する。

ヨネダ2000(東京吉本・2020年結成)

誠(左)愛(右)

神保町よしもと漫才劇場所属。M-1 2022ファイナリスト。
どうやって思いついたのか分からない設定から始まり、どうやって思いついたのか分からない誠演じるキャラクターに、愛が疑問を感じながらも従っていくネタを主に演じており、ヨネダワールドとしか表現のしようがない。最初はあまりの意味不明さに戸惑うが、一度ヨネダワールドに入ってしまうと不思議とずっと笑えてしまう、唯一無二の世界観を持つ女性コンビである。
2022年には結成3年目という驚異的なスピードでM-1決勝に進出。その後もヨネダワールドの住人は破竹の勢いで増え続けている。

個人的に気になっている漫才師

ここからは完全に自分の好みでこの先もっと有名になってほしいな〜という漫才師を挙げていく。
著者は関西在住でマンゲキや森ノ宮に行くことが多いので、劇場で見たことのあるネタも含めて好きなところを並べてみる。

  • たくろう

ネタ合わせもしているだろうに、赤木が本当に突然振られて咄嗟に考えているように演じているのがいつもすごいなと思う。好きなコンビなのでまた準決に戻ってきて欲しい。

  • パーティーパーティー

どこか古典的なボケが逆に新しいかもと思う。ギリギリ予想できない速度で進んでいくのが本当に上手い。いつでも安心して笑えるネタで、もっと評価されてほしい。

  • 三遊間

劇場で見る機会が多い。いつもネタの切り口が斬新でそこも好きなのだが、櫻井が独り言のように喋り倒している時が一番笑ってしまう。もう来年あたり売れてしまうかも。

  • チェリー大作戦

コントも漫才も好きなのだが、どちらでも必ず一箇所は天才的なボケがある。漫才はいつも穏やかな語り口調で肩肘張らずに見れるコンビ。コントの方で先に世に出るのかな。

  • 愛凛冴

今年の9月にマンゲキ所属が決まったコンビ。ツッコミが見取り図の盛山をより輩っぽくしたような見た目で、ツッコミにも特徴があり、もう今年準決勝行くんじゃないかと思っていた。反社チェック、流行りそう。

  • 侍スライス

何も知らずにとりあえずやってみるという体のネタが多いが、ものすごくよく練られた台本だと個人的に思う。ネタの入りも好き。また準決に戻ってきてほしい。

  • ピ夜

大学を卒業したら漫才は辞めてしまうそうだが、とても好きなコンビだった。漫才を見ていてむず痒くて何を見させられているんだという気分になるのは初めて。また落ち着いたら漫才やってくれないかな。

  • 軍艦

しっかりしたネタで、ボケのワードセンスもあるのに、だるそうに漫才をするのでとても好きになってしまった。今年のM-1は不出場だったが、劇場で見れるだけでも嬉しい。出来ればまたマンゲキで見たい。

次は東京。こちらはM-1の予選動画やYoutubeに上がっているネタ動画から気になったところを書いてみる。大幅カットがあったところは見れていません…。

  • 鉄人小町

元々マンゲキに所属していたコンビ。今年の3回戦動画は「君はこの恐怖に耐えきれるかな?」でケツが迫ってくるところがもう駄目だった。漫才コント師としてもうかなりの実力だと思うので、来年はもっといいところまでいきそう。

  • カーネーション

「THIS IS パン」時代から見ているコンビ。吉田の落ち着いた貫録のあるツッコミがずっと好き。改めて見ると岡下の表現力も抜群だと思った。一回準決勝に進出していたし、また戻ってきていいのにと毎年思っている。

  • オフローズ

NSC大阪38期主席トリオ。トリオの漫才は2人でも出来るのでは…?とたまに思ってしまうこともあるが、ここの漫才は3人を必要とするものが多くてすごいと思う。今年のうんちネタは秀逸だった。初のM-1トリオファイナリストとなるか。

  • センチネル

ただの外国人ネタで終わらせないしっかりとしたネタ構成。最近の太田プロは漫才もコントも期待の若手が多い。来年以降化けそう。

  • まぐろ兄妹

今年初めて知ったコンビ。キャラクターもしっかりしているし、人の見せ方がすごく上手い。ツッコミの声も聴きやすくてキレが良い~。しかも人力舎!色んなネタを今後も見てみたい。

  • ドラゴン

元10億円の山内と鈴木バイダンからなるユニット。やっぱり上手い。山内は今年色んなユニットを組んでいたが、個人的にはここが一番しっくりくる気がした。10億円らしいボケを残した漫才コントに、鈴木の重厚感のあるツッコミのバランスが良い。コンビ組まないのかな。

  • 無尽蔵

教養系のネタだなと思っていたら、どちらも東大出身!最近ほんとに高学歴の芸人さん増えましたよね。ネタの入りこそ教養を必要とするが、誰もが分かりやすく、かつ刺さる層には刺さる展開に広げていくのが上手い。なんだか気になるコンビに非吉本が多い。

  • ボブのコーラ

2年目!歳も若い。本当に神保町は勢いが凄まじい。トレンドを入れ込む力やテンポ感、演技力もこの年で出来るものなのか…と開いた口が塞がらなくなってしまった。史上最年少ファイナリストあるんじゃないか。

  • パパスタ!?

ここも若い。しかもユニットなのか。ツッコミが麒麟・川島ばりの低音でボソッと腐すようなことを言うから笑ってしまう。ボケも聞き取りやすくて、ネタも新規性があるものばかり。グレープカンパニーは良い新人を囲っているなぁ。今年はかに道楽に詳しくなれた。


書き終わった頃には胃腸炎が治っていた。
今年のM-1は個人的に過去最高レベルで面白かった。来年はどうなるかな。来年もM-1を楽しみになんとか頑張ろう。






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三日月まるぴ。
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