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国字ってなんか奥深くない?

国字」とは、「漢字の要素や作り方を真似して日本で作られた和製漢字」のことです。日本で国字が作られるようになったのは、日本にあって中国大陸にはなかった大和言葉や概念などを表記するためです。

出典:国字をご存じですか?‐竹田印店

これだけを見て、こう思った人もいるだろう。「普段使っているのがもしかして国字なことってある?」と。そうです。普段、皆さんが当たり前に使っている漢字も国字なんです。実は、学校で習っている常用漢字にも国字が「10字」あるんです。特によく使う3字を見てみましょう。

小学3年生で習う「畑」

※中国は田も畑も『田』で表す。これは、耕地面積が広く、田や畑は異なる地域にあったので、区別する必要がなかった。一方日本は、耕地面積が狭く、田や畑が近くにあったので、区別するために『畑』という字がつくられた。

日本で作られた漢字「国字」‐TOSSランド

小学4年生で習う「働」

「人」+音符「動」の国字。人が動いて、生産活動に従事することを意味。元来儒教文化においては、生産活動は重視されていなかったため、独立した概念が確立されていなかったが、近代になって、中国に逆輸入され「労働」等の熟語で用いられた。ただし、現代では「劳动」等、「动(=動)」を用いる。

働-ウィクショナリー日本語版

小学4年生に追加された「栃」

廃藩置県後、下野国にできた「栃木県」における用字。確定前は、「杤」が多く使われ、また、「橡」も用いられていたが、明治12年(1879)「栃」に統一。字源は不詳。「杤」も国字であり、これは、「万」=「十(と)」×「千(ち)」であることをしゃれたもの。旁に垂がついた経緯は不明。漢籍に「櫔」の略字体として「萬」を「万」としたものがあり、それを参考にしたものとも言われる(参考:「励」・「勵」)。

栃-ウィクショナリー日本語版

他にも、「匂」「塀」「峠」「込」「枠」「搾」リンパ腺の「腺」
も国字である。常用漢字外でも国字はたくさんあるので、調べてみると面白い。


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