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自己肯定感はあげなくていい

自己肯定感が低いと悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
私もその一人でした。
しかしこの本を読んで、考え方を少し変えることができました。


『「自傷的自己愛」の精神分析』
斎藤環著


「自分には生きてる価値がない」「ブサイクだから異性に相手にされない」など、過剰な言葉で自分を罵倒する自傷行為のように見える言動の深層心理を、ひきこもり専門医である精神科医の斎藤環さんが分析した本です。


自己肯定感はあげなくていい
印象的だったのは、自己肯定感はあげなくていいと書かれていたことでした。
自己肯定感という言葉は、高いほうが良いという認識ではないでしょうか。
しかし著者は、自己肯定感は無理にあげなくていい、むしろ自己肯定感をあげる簡便な方法は長続きしないと語っています。また、自己肯定感をあげるより、健全な自己愛を育てていくことを推奨しています。


自己愛=「自分自身でありたい」 
では自己愛とは何なのか?
自己肯定感=「自分は自分のままでいい」に対し、自己愛=「自分自身でありたい」という気持ちだそう。
自己愛は、「自分が好き、嫌い」も、「自分がわからない」もすべて含まれる許容範囲が広い言葉だということを知りました。
こちらの言葉の方が自分にはしっくりくると感じました。
自己肯定感をあげる=自分を好きで居続けるって、けっこう難しいと思うのです。
特に自分に自信がない私にとって、常に自分を肯定することは、無理矢理そう思い込もうとしている、ごまかしのように感じてしまいます。
それよりも、自分自身でありたいという、自己愛を育てていく方が、たしかに人間らしく、無理がないと共感しました。  
そして、本書を読むうちに、本当は私も自分を大切にしたいと思っていることに気づかされました。


本書では、ひきこもりや不登校の観点からの自己愛についても書かれており、最後まで興味深く読み進めることができました。

傷つきやすく、自分を否定してしまいがちな人や自己肯定感が低いと悩んでいる人の考え方を変えるきっかけになる本ではないかと思います。




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