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運転初心者がアメリカでドライブする③(グランドキャニオン編)
友人とラスベガス〜グランドキャニオンに行った旅の記録。
これまでの経緯はここから↓
グランドキャニオン
この旅で出会った景色は私に新しい世界を見せてくれた。
グランドキャニオン国立公園に入り車を走らせていると、突然左手に信じられない景色が現れた。
人生で1番感動したのは?と聞かれると、私は間違いなくこの瞬間をあげる。自分が走っている道は間違いなく現実世界なのに、数メートル先に広がる世界はどうだろう、同じ世界線に存在しているのか?と疑わざるをえない。
これが初めてのグランドキャニオンとの出会いだった。
はやる気持ちをおさえて運転に集中する。ここで事故を起こしては元も子もない。
駐車場に車を停め、興奮しながら展望スポットまで小走りで向かう。途中すれ違う人々が普通に歩いているのが不思議で「なんでこの景色を前に冷静にいられるの?」と不思議だった。
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世界には自分の知らないこんな素晴らしい風景が存在するんだ…
そう思うと好奇心が疼いた。
地球ってなんて面白いんだろう。この地球を遊び場にして遊び尽くしてやろうなんて野望も湧いてきた。
小学生の時、学区外で遊んではダメという校則を飛び出して、駅前で遊ぶ楽しさを覚えた感覚を思い出す。少しずつ自分の世界を広げて今はこんなところにいるよ!と小さい頃の自分に教えてあげたい。
はしゃいでいると「写真撮りましょうか?」と日本語が。妻が日本人で…という白人のお父さんに写真を撮ってもらった。「日本語お上手ですね!」と言うと「とんでもないです」と。返しも上手すぎます!国際結婚素敵だな。
夜はヤバパイロッジという面白い名前のロッジに泊まった。スーパーも近くにあって、夜は周りが真っ暗なのと、電波が一切繋がらないことを除けばとってもいい宿泊先だった。
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このロッジはヤバパイポイントという朝日が綺麗なビューポイントの近くにある。
翌朝は日の出を目指して眠い目を擦り、5:30に部屋を出た。
朝日🌅
ポイントに着くとすでに日の出待機組がそれぞれポジション取りをしていた。早速私たちも木々の間をぬって岩の上を陣取る。
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こんなにも太陽を必死に見つめたのは初めてだろうな。ジリジリと姿を見せる太陽とその光に照らされる岩をただただ見つめていた。
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日が完全に昇ってからは前日に行きそびれたビューポイントを巡った。
ここで忘れられない可愛い出会いを果たすのだ。
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動物たちとの出会い
車を置いてシャトルバスに乗り込む。駐車場がないビューポイントに行くには無料のシャトルバスが便利。
ポイントに着くと朝早いからか誰もいない。
朝ごはん中のこの子を除いて…
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いやーーー、可愛すぎだろ!てかこんな景気見ながら朝ごはんとかいいね!!
この可愛すぎるリスのおかげでこの旅の思い出が5割増しぐらいになった気がする。
動物といえばもう一つ忘れられない出会いがあった。
初日の夜、暗闇の中車を走らせていると突然カーライトに照らされる車と変わらない大きさの巨大な生き物が現れた。突然すぎて助手席にいた友達は姿すら見えなかったそうだが、道の端に巨大なツノをもつ鹿(?)が歩いていたのだ。車に気が付いたのかその生き物はチラッとこちらに顔を向けた。その姿がなんとも雄大で、あぁこの森の王ってこんな感じなのかもって思った。覇王とか帝王とか、そういう名前がピッタリな威厳があった。
びっくりして慌ててハンドルをきったので、対向車がいなかったことに感謝だ。
君のことは忘れないよ。
出発、そして絶景
2日目はまだ朝のうちにグランドキャニオンを出発した。昼からアンテロープキャニオンのツアーを予約しているのでゆっくりしていられない。もう一生見られないかもしれない景色を目に焼き付けながら別れをつげた。
車窓の景色は例外なく美しく、あまり時間がないとかいいながら絶景が歩みを止めさせる。
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ホースシューベンド
途中いくつかビューポイントに立ち寄り、まずは最初の目的地、ホースシューベンドに到着した。タイムゾーンをまたぐ関係でグランドキャニオンとここでは時差があるらしい。ナビの時間と自分のスマホの時計と友達のスマホの時計が全部違う時間を指していて混乱した。
駐車場から少し歩くのだが砂に足をとられやすいのでスニーカーがおすすめ。
コロラド州の侵食により形作られたこの地形はなんともユニークだ。
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柵も何もないのでどこまでギリギリを攻めるかは個人の度胸にかかっている。私はかなりビビってここが限界だった…
アンテロープキャニオン
さてさて、ツアーの時間も迫っているので次の目的地、アンテロープキャニオンへと急ぐ。
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ちなみにアンテロープキャニオンにはアッパーとロウワーの2種類あって私たちが行ったのはロウワーのほうだ。有名な光の筋(言い方あってる?)が見られるのはアッパーの方らしいが、激混みとの情報で萎えたのでロウワーにした。ロウワーの方が高低差が激しくアスレチック感がある。
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ツアーにはカメラや飲み物を除き、カバンなどの荷物は持っていけない。また動画撮影も禁止されている。
写真撮影はオッケーなのだが、ガイドさんが「綺麗な写真を撮るコツを教えてあげよう。オレンジ色のカメラフィルターをかけるんだ。みんなが写真で見る綺麗なオレンジの岩にはこういうカラクリがあるんだよ(ニヤリ)」と教えてくれた。
でも安心して欲しい。実物はフィルターなんてなくても十二分に綺麗だ。
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ここで多分100回はシャッターを切った。距離はかなり長く、狭い岩の隙間をぬって梯子なんかを使いながら進んでいく。
途中ガイドさんにスマホ貸して?と言われ、渡すと写真を撮ってくれた。
「これがアップルのPCの壁紙に使われた場所だよ」
マジか!そう言えば見たことある景色かも?とその場では思ったけど今見返すとどれがその写真だったかは忘れた…😅
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外から見ると出口はこんな狭い隙間だ。自分が出た後、後ろを振り返ると、大地の割れ目から人が出てきて、なんともシュールで面白かった。
憧れの場所に行けた幸せ。一生大切にしたい。
あと一緒に行ってくれた行動力の塊の友よ、ありがとう!
またラスベガスへ
帰りの道のりもまあ長く、途中スピード違反でパトカーに追いかけられるというこれまた忘れられない経験をした。街中に入るタイミングで一度速度を落とす必要があったみたいなのだが…
速度制限の看板、見落としてましたすみません…(言い訳じゃないけどとても分かりにくかったと思う)
この経験をしてから世の中の怖いものが半分以上減った気がする。でも罰金は高くて、高い授業料となった。
ラスベガスに着く頃にはすっかり暗くなっていた。疲労困憊の中、遠くに街の明かりが見えた安心感はよく覚えている。本当に疲れすぎて友達に「10分単位で到着までの残り時間をカウントダウンして」とお願いしてなんとか気力を保った。
高速を降りて間違えて反対方向に曲がってしまい、深夜のラスベガスの中心部を彷徨ったのも今となってはいい思い出。
どこも車でぎゅうぎゅうなのに「次の信号までに5車線またいで右折しろ」と無理難題をナビに強いられたり、夜間工事で走っていた車線が急になくなったり、もうてんやわんやだったがなんとか車を返却することができた。
色んな意味で成長出来た旅だったと思う。
あと旅が趣味です!と自信をもって言うことが出来たのもこの時から。心がときめく趣味に出会えて人生がカラフルになった。
ありがとうアメリカ!また行きます🇺🇸