【詩】 根っこのしゃっくり
すっかり緩んでしまった影が
地面に染み込んでいく
滑らかに すもも色を帯びた公園には
まだ 賑やかだった昼間の
火照りが残っている
蒸れた草木にまみれて 聞こえてくるのは
泡のような 空耳かなにか
「ぽく」
「かぱら かぱら」
「しゅぺぺ」
枝に引っかかった
おしゃべりのかけら
「ちっかん ちっかん」
「ぷかぷか」
「るるる。。」
土深く 新芽の
かかとを打ち鳴らす音
さっそく降りはじめた夜露が
律儀に佇む遊具の 赤錆を讃え
頼りなく瞬ぐ街灯を
じんわり ふやかしていく
夕暮れとともに 霞んでいく気配を
そっちこっち 拾って歩く
西荻窪駅界隈から善福寺周辺を会場にした、
現代アート展「トロールの森2019」の
出展作品より。
公園にあるのは、人が関わり、寄り添う自然。
さまざまな気配の交差する場所で感じた
“オノマトペ” たちです。