見出し画像

Chrono Boxプレイ感想

Chrono Boxは前々からプレイしたいと思っていて、ちょうどFANZAのウィンターセールで1500円になっていたのでこの機会にDL版を購入。特にストーリー面がよくできていたこともあり、購入から5日程度であっという間にCG全回収+TRUEエンドクリアまで漕ぎつけてしまった。感想文というよりは雑な個人用のメモ書きに近いが、お付き合い頂けたらと思う。


プレイ時間:15時間程度
雑評価:85点

プレイ時間についてはゲーム内に確認できる場所が無いため、正確なところはわからず。1日平均3時間ちょいプレイしていた気がするので、×5日で15時間というざっくりした計算。正直もう少し長かった気もしてる。

評価点は100点満点中。考慮した要素は「よかった点」「気になった点」で後述。


以下ネタバレを含みます。
このゲームはネタがキモなので、事前にメタ的な情報を入れてしまうと面白さが激減すること請け合い。自らこんな記事を書いておいてなんだが、今後プレイを検討している方は強くブラウザバック推奨。





注:各世界の呼び方について
ループしているそれぞれのログワールドについて、その世界内で結ばれた人の名前を借りて、便宜上○○√と記載。
例:物語冒頭のログワールド→天美√



良かった点

・メインストーリー
Chrono Boxの面白さはこれに尽きるといっていい。序盤から撒いていたいくつもの伏線が、樺音√以降の解決編で綺麗に回収されるのは読んでいて爽快だった。例えば世界がループ(しているように見える)ことや、屍が度々使用していた超常現象的な力も、舞台がログワールドであるという事を踏まえれば概ね納得できるものになっている。天美√の終盤での天美の発言、「黒い箱の中身は食べ残し」の意味が分かってしまった時はゾッとしてしまった(誉め言葉)。伏線関連で個人的に秀逸だと思ったのが、主人公が時計をつけている腕が左腕であることについて。作中でのつつじ子との会話で「腕時計は普通利き手と逆の腕につけるもの」という言及がなされており、現実世界で主人公が右腕を消失していることの伏線となっている。この他にも、一通りプレイして真実を知った後で改めて読むと意味が分かる部分はいくつもある。樺音√(解決編)で発覚する多少ややこしい部分(ブルームシンドロームとかギフトあたりの話)も作中の説明がスマートでわかりやすかったので、すんなり話を飲みこめた。不自然でもご都合でもないオチのつけ方も個人的には満足。総じて骨太なストーリーなのにもかかわらず、無駄な難解さがなく娯楽として非常に優れていると感じた。メインストーリーは文句なく面白かった。多分ライターが上手い。

・日常シーン
メインストーリーの影に隠れがちだが、実は結構質が高かったんじゃないかと思っているポイント。序盤が退屈になりがちというループものの欠点を、日常シーンで上手にカバーしていたように感じた。結局のところキャラクターづくりが上手かったのかなぁと思っている。霍なんてもう出てくるだけで面白い。にわかわにわかわ~ww。個人的には黒蝶沼、晦、フーカあたりが絡む毒のある感じのギャグシーンが好みで、数回は声を出して笑ってしまった。フーカ√冒頭での羽瀬のエロゲ語りも、ある種のファンサービス的な要素が含まれており個人的には好きだった(現在進行形でChrono Boxをプレイしている以上プレイヤーは必ずエロゲーマーであり、テキストを描いているのは必ずエロゲ製作者である為)。どうでもいいが、僕は「エロゲの売り上げにかかわる最重要項目」の答えは「ネームバリュー」だと思っていた。メインストーリーもそうだが、この辺りのシーンもグダグダ長すぎないのが高評価。

・グロシーン
別にエグイシーンたくさん見れて楽しかった~というわけではなく、そういうシーンのほぼ全てにストーリー上でなんらかの意味があることが評価点。例えば樺音を虐めていた5人の体の部位の欠損が、教会での死後の樺音の状態に対応している、など。それらがただ単に女の子に酷い目にあっているところを見て楽しむ為だけのシーンではなく、ストーリーの一部として機能していることが、作品全体としての完成度の高さに繋がっているように感じた。(もちろんスプラッター的な趣向も十二分に含まれているのだろうが)18禁作品であることの長所を存分に生かしている。


気になった点

・Hシーン
多すぎ。
全部でどのくらいあったのか気になってギャラリーのシーン鑑賞で数えてみたら計41個もあった。(玖塚姉妹の姉妹丼など、1つのシーンを2つに分割しているものもあるため実際はもう少し少ない)。メインストーリーが面白かっただけに、随所に挟まるHシーンによるテンポの阻害がまあ気になった。そして困ったことに、シーン中にちょいちょいストーリー上意味があるセリフが混ざってくるので迂闊に飛ばせない。
そして言葉遣いが下品。
「オ゛ッ」をはじめ、日本語の発音として明らかにおかしい濁点が付いた喘ぎ声を中心に卑猥なテキストが展開される。これはイメージだけど、例えるなら昭和のエロ本的な品の無さがあった。ぶりぶりの勃起おちん〇んって何回言うんだよ…。そういった表現が好きな人にとっては実用性が高いゲームでもあったのかもしれない。

ともあれ個人的にはHシーンは作品内で最も足を引っ張っている部分だと感じていて、冒頭の雑評価ではこれがあるから90点以上はつけられないなという感覚で85点をつけた。逆に欠点らしい欠点は作品全体でこれくらいしかなかったように思う。(これを欠点だと思うかどうかも人によるはず)


その他 疑問点など


・黒ヤギの正体

葛籠井主任という事でいいんだろうか。(あるいは葛籠井主任が復讐の為にログワールドに生み出したプログラム)。見落としがあるかもしれないが、作中で明言はされてなかった気がする。

・屍の復讐相手について
復讐対象の5人について、本来ならば主人格よりもギフトの人格の方が罪も恨みも大きそうなものだが、ログワールド内で実際に復讐されたのは殆どが主人格の方であった。例外的に猶猶だけ徹底的にいたぶられるが、羽瀬や天美に関してはほぼ無傷でログワールドから消滅しただけである。ログワールド内でのギフト人格は主人格から分離させたプログラムでしかないから、という事なんだろうか。(だとしたら猶猶はどれほど恨まれていたのかという話になる)

・コートゥリーヌレータルシャ・サバト・リフォシェス
って何?
なんとなく語感が好きなので気になってGoogle先生に聞いてみたが、殆ど何もわからなかった。「サバト」については作中で「暴行・淫行」という説明があったが、ほかの部分は全くと言っていい程不明。恐らく作中の造語と思われる。スペイン語あるいはイタリア語という説も耳にしたが、真偽の程は謎である。
もし意味を知っている人がいたらよかったらコメントで教えてほしい。

・彬白先輩の飴
意識が朦朧として記憶が失われる効果があるらしいが、そもそも何のためのものなのかも、彬白先輩がそんなものを持っている理由もよくわからず。(チャイムと同じような効果があり、ブルームシンドローム治療の為という認識でいいのか)

・夛里耶猶猶
反対から読んで爆笑した。(プレイ後wikiを見て知った)



終わりに

メインストーリーを中心に全体的にいい作品としてまとまっていたと思う。機会があれば同メーカーの別タイトルや関連作品(あれば)もプレイしたいと思えるくらいには楽しめた。どう見ても万人受けするタイプの作品ではないので、気軽に人にお勧めはできないが…。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?