横溝正史『風船魔人・黄金魔人』を読んで※ネタバレ注意
こんばんは。暑すぎますね。
横溝ジュブナイル、今回は『風船魔人・黄金魔人』の感想などを投稿します。ネタバレを盛大に含みますので、ご注意ください。
この本は、「風船魔人」「黄金魔人」という、まったく別の二つの話(それぞれ100ページくらい)から成ります。どちらにも御子柴くんと三津木さんが登場します。そして、どちらの話にも挿し絵があるのが新鮮でした。また、どちらの話でも、誰一人殺されません。ちょっと怖い事件が起き、その謎を解くタイプなので、「殺人とかそういうのはちょっと…」という方にオススメです。
○風船魔人○
特殊な風船を使った不思議な事件が起きます。(この話が現実になれば、人は空を飛べます。いいですね。)
私は、読んでいるうちに以下のことに気づきました。読んでいるうちにだんだん分かるような記載になっているので、気づく人が多いかもしれません。
・サーカス団(特に射撃が上手な広田)は怪しい。
・畔柳はサーカス団のスパイである。そして、畔柳と団長は同一人物である。
ラストシーンについては、少し物足りない(あっけない)と感じました。空魔団がもう一つくらい何か変な事件を起こして、そのあとに捕えるような展開が見たかったです。
○黄金魔人○
個人的には、こちらの話の方が好きでした。いろはにほ…の順に始まる苗字と名前。このアイデアが秀逸だと思いました。特に「ローズ蝋山」は、ちょっと無理やり感があって面白い(笑)。最後の方で犯人が分かるようになりますが、その犯人の動機も分かりやすいので、あまり余計なことを考えずに楽しく読めるストーリーだと思います。
(ちなみに「へ」から始まる名前ってなんだろう?と想像してしまいました。「ヘレン・逸見」とか…?結局出てきませんでしたが。)
最後の最後に「横溝正史の思い出を語る」という章があるので、これからそれを読みたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!