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ふたりのおじいさん との出会い

海のまちにいったとき、ふたりのおじさんと話しました。
ふたりのおじさんとは、泊まったホテルのごはん会場で出会った。
はじめましての仲だけど、最初の一言は
「おねえちゃん、ひとり?」
だった。
少し酔っぱらったそのおじいさんともいえるおじさんは
振り返って私を見た。

「はい、ひとりです」
おいしすぎる海鮮定食を食べながら、誰かとこのおいしさ
共有できたらいいのに、と思っていたところだった。

おじいさんは、ニコッとして話を続ける。
続けているうちに、なんのはなしかな?というくらい
いろんな話題がでてきた。

「ひとりでこんなとこまできて、偉いよ。
その行動力は何かに活かせる。」

そんな誉め言葉までいただいた。
明日一緒にまわろうか なんてお誘いまでいただいて(笑)

もちろん断ったのだが、こんな話も合った。
「俺はね、見た目では人間は判断できないと思う」
もうひとりのおじいさんは言った。
娘の旦那、連れてきたときは大丈夫かな?というくらいだった。
だけど、見てるうちに立派になって。
やっぱり見た目だけではわからないね と。
でも一方で、職場に入ってきた人なんかを見ていると、この人は
大丈夫だ、といったことはわかるらしい。

年の功よ

そう言い残して、夜は終わった。

翌朝 
朝食会場も同じ席順で、また隣のテーブルだった。
おはようございます
そう朝の挨拶をできることがなんだかうれしかった。
知らない土地に来て、少し不安で でも知っている人がいる。
中身は知らないけど、
全く知らない人 じゃない人

「おはようございます、よく眠れましたか。」
「いつもと違う場所なので、あまり眠れませんでした。」
おじいさんは、はははと笑って
私は席に着く。

前までだったら 大丈夫です とか眠れました とか
安易に伝えていたかもしれない。
いや、そうするべきだったかもしれない。
相手に気を遣わせる受け答えはあまりよくないかも。
でも、その日は言えた。
そのおじいさんには言えた。
素直に、自分の調子があまりよくないことを

それだけで、自分はなんだかうつの前の自分とは
違う気がした。

そのおじいさん二人は、違うところから集合して観光しているみたいだった。私もまた、そのふたりとは違う場所からやってきて
こうして3人 出会えたのはきっと
なにかのご縁

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