見出し画像

謎の痛みと闘う‐最初は微かな違和感から

発信する意味


私がこうやって自分の状況を発信しようと思えるまでに、そして実際にパソコンを手に取るまでに、症状が出てからなんと4年もかかっている。

そもそも、自分の個人的な状況を発信したところで、有用性なんかあるのだろうか。医療系の論文に症例として載せてもらうくらいじゃないと意味ないんじゃないか。今まではそのように考えていた。
しかし、どうしようもない痛みを抱えて初めて、「この病気が何なのか、せめて診断名だけでも知りたい」「同じような病状の人がいるのか知りたい」という気持ちになった。その時初めて、インターネットの海に自分の体験談を浮かべることの意義を、認識できた。

私と全く同じ経過を辿ることは稀だと思うけれど、誰かの励みになりますように。

軽い腱鞘炎かも


パソコン作業に追われている毎日を過ごす中で、最初は、左手首に違和感を感じた。手首を捻ったりすると、ちょっとだけ痛い。
そんなに手を酷使した覚えはないけれど、パソコンのせいかもしれない。軽い気持ちで整形外科に向かった。
「骨に異常はありませんね。最近手首で同じ動作を繰り返したりしましたか?」
「パソコンのタイピングのせいでしょうか…。」
適当に相槌を打って、その場をやり過ごした。
今思い返しても、それ以上に適切な答えは思い浮かばなかった。

それからしばらく湿布を貼って過ごしたけれど、痛みは一向によくならない。
もちろん、腱鞘炎の可能性を念頭に、手首に優しいマウスや、手首レストなどを買い揃えた。在宅用の椅子もちゃんとしたものに変え、姿勢も気にして過ごした。
でも、全然良くならないどころか、痛みは増していった。

2、3ヶ月経つうちに、左の前腕(肘下)と、右手首、右の前腕も痛くなってきた。
「左手をかばって家事をしたからかな…。」
それにしては、痛みが広がるなんておかしい。加えて、痛みが段々キツくなってきているのがわかり、少し焦り始めた。
違う整形外科、整骨院に行ってみたけれど、「異常はないですね」で終わり。
確かに見た目も腫れていないけれど、腕はパンパンで、揉んでも全然ほぐせない凝りのような状態になっていた。
マッサージや鍼をしてもらうと、少しは良くなるけれど、効果があるのはその日だけ。

半年も経つと、もう痛みが耐え難いものになっていた。

どうにか今、この痛みを取ってほしい


そこからはもう、終わりが見えない病院巡りが始まった。
たらい回し、って言うと悲しいから、ちょっとかわいく。

手を専門にしている整形外科に行くと、これまでより詳しく検査してくれた。
血液検査、レントゲン、エコー、MRI検査…。悲しいことにすべて「異常なし」だった。私は客観的には健康らしい。
それでも、そのころには痛みが強くなりすぎて、夜は眠りが浅くなっていた。

一刻も早くこの痛みを取ってほしい、その一心で、痛み止めの注射を手首に打ってもらった。
「これでもうこの痛みから解放されるはず!」
半分願う気持ちも込めたが、私の大きな期待はあっけなく裏切られた。
痛み止めが効かない、病名もわからない、検査も異常なし、どうしたらいいのか途方にくれてしまった。

「免疫に関係する病気かもしれませんね。もう少し詳しいところで見てもらいますか?」
その先生は、原因を突き止めてはくれなかったけれど、親切だった。
自分が判断できなかった病状をさらに上の病院に回すのって、とても悔しいだろうなぁ、なんて他人事のように考えたりして、その先生に感謝した。


大学病院に行けばさすがに原因もわかるだろうか。
淡い期待はやっぱりまた裏切られるのだけど、ただ腕の痛みだけで済んでいたこの頃はまだマシだったと、あとからしみじみ思うことになる。
続きはまた今度。

いいなと思ったら応援しよう!