トム・クルーズ立ち食いそば
2022 9/1(木)
昔は大抵、どこの駅にも立ち食いそば屋があったものだが、最近は随分と減ってきている。
まとまった時間が取れなくて、電車の移動時間にすぐに入れてすぐに食べられる立ち食いそば屋の存在は大変に便利である。
俺は、乗り換え時間が15分あったら迷うことなく利用する。
そんな時に限って、慣れてない店員に当たったりもするが、それでも、そばやうどんが出てくるのに5分はかからない。
特に猫舌という訳ではないので、そばの一杯ぐらいだったら5分足らずで食べ終われる。15分あればミッションは完了する。
ミッションでもなんでもないが、乗り換え時間に食べるというのは間に合うと分かっていても、なかなかにハラハラする。
そばのつゆをこぼさないか、隣の客に絡まれないか、七味を振っていたら、いきなり蓋が外れて大パニックにならないか。
その間、俺の頭の中ではずっとミッションインポッシブルのテーマ曲が流れている。
だが絶対に、トム・クルーズは七味を振らない。
トム・クルーズが七味を振っていたら、それはもう七味の中に小型カメラが仕掛けられているのを見抜くシーンだろう。
そんなくだらない妄想をイメージしながら、わずかな乗り換えの時間に食べるそばの味は格別である。
立ち食いそば屋が減ってきている今、乗り換えの時間には、駅の売店でおにぎりなどを買って、俺は空腹を満たす。
駅のベンチに座って食べるのはちょっとした遠足気分ではあるが、立ち食いそば屋に比べたら美味しくはないし、楽しくもない。
それは、何かトラブルがあっておにぎりなどを食べ終わらなくても、電車の中で続きを食べることが、とりあえずは可能であるからだ。
これが立ち食いそば屋だったら、まだ食べ終わってない状態で、どんぶりを持ったまま電車に乗ることは出来ない。
絶対に、店で食べ終わらなければならないのがいいのである。
でも、トム・クルーズだったら、どんぶりを持ったまま電車に走って行きそうだ。
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