【詩】恋を捨てる


 
 吹雪が
 私の貴方を 吹き払う

 急に生き生きとした私 を
 吹雪が歓喜の叫びをあげて
 とり囲む

 長く 空気を吸う事も忘れていた
 吹雪の中に 馳けめぐる事を忘れていた
 ただ
 細く 狭い心の中に
 貴方の姿だけを想いつめて

 私の中の “かしこさ”は何処へ行ったのか
 と
 捜し求めた事もなかった

 貴方の姿を彫み出し
 幻の様な笑いだけが額にあった

  吹雪の中で 
  きりきり舞いをしながら
  心の貴方が 吹き払われるのを
  笑いながらみている

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