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不安

急に寒くなって暖房を投入したらヒラメとカレイの居場所が変わってボクのスペースを侵食して来なくなった。今冬は寝床を別に準備してあげようと思う。

アポをすっぽかしていた営業マンが突然やってきた。時間があるなら対応するし忙しければご遠慮願うだけで怒ったりはしない。そういう営業スタイルなんだろう。

銀行は基本的にお金があるところに貸したがりお金がないとこには貸したくないというスタンスだ。ボクはこれをずっと面白いと思っていて銀行も商売なのは分かるが時代が変わった事に気づいているのがどれ程いるんだろうかと思っている。

YouTubeでも税理士が景気が良い時にお金を借りる事を勧めている。景気が悪くなると貸さなくなるから良い時に借りて蓄えておきなさいと。道理ではある。

しかしそれは日本の殆どの企業の製造業にあてはまるってだけだ。彼らは原材料を仕入れ無ければモノを作る事が無い。

我々に仕入れというものは無い。従ってお金がある時に借り入れをする必要が全く無い。お金がある時には財務内容を強化したり借り入れの返済をしておくのがベストだろうなと思っている事を伝えた。しかし商売である以上は情があるので困っている時に助けて頂いた事を忘れるほど愚かではないと伝えた。

要するにとっとと貸せと言ってるだけだ。

営業マンさんはマニュアル的に利益が上がる時は利益を下げた方が税金を抑える効果がありますよと様々な節税方法を話し出した。要するに金融商品や保険、車を買いなさいという事だ。

別にボクは節税したくて会社を立ち上げたわけでは無い。支払うべきものは支払ってきたしこれからもそうする。

更に不安を煽られる。特許を申請しないと、従業員さんを雇わないと、新しい事務所を建てないと。

金のかかる事ばかりでボクが儲かるような話しは何もない。

そんなことに金を使うくらいなら従業員さんの報酬を何倍にもした方が良いだろうなと思っていた。

ボクが若ければ色々欲しいものはあったかも知れないが今はもう全く無い。経営理念は良いものを世に送り出して社会貢献する事だ。欲が無くなってるので心配する事が無い。なるようになるべきだと思っている。

営業マンさんにはそんなことばかり気にしてたら最後は死にたく無いと不老長寿の秘薬を探したり聖杯を探さないといけなくなるなと伝えた。
不安の対義語は安心ではなく欲だ。

この営業マンの考えている事は手に取るように分かる。彼は会社の財務内容がよくなったらお金を貸したいし様々な節税商品というものを売り込みに来るつもりだろう。ボクはそんなもんは必要とはしていない。なんやかんやと引き延ばしに来るようなとことは付き合えないなと思っている。うちみたいな会社はスピードが命なのでスピーディーに対応してくれるとこが良いのだが。こんな事ばかりやっていれば日本経済が低迷するわけだなと思う。
こちらは銀行屋さんと話したつもりだが蓋を開けてみたら節税の話ししかしない金融コンサルタントみたいだった。
今度来たらボクは税務署に表彰されたいから沢山納税したいんやと言おうと思っている。

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