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生産財マーケティングの基本       ⑤ 誰に何を

誰に何を

「誰に何を」売るのかというのは、戦略の中心です。
消費財や生産財の規格品の場合においては、もちろん「誰に何を」というのは非常に重要ですが、受注型の生産財でも、売る側が顧客に依存しているのでどの顧客と付き合うのかは本来重要です。
しかし、受注品の場合は製品ではなく技術やノウハウを販売するという意識が強いので、どの顧客を狙うというよりも顧客からの引合の結果その顧客と付き合うという傾向が強くなり、戦略が希薄となりがちです。
メーカーの場合、一般的には業界NO1の顧客と取引を行うというのが鉄則と言われます。
それにより、業界での知名度や信頼度が高まりますし、NO1の顧客は要求も厳しいのでそれに対応することにより、企業として鍛えられるという側面もあります。
地場にある商社などは、その地場の顧客が対象となり、自然と取り扱っている商品で顧客内での棲み分けができます。
顧客と販売商品が固定化するので、何か新しい商品を取り扱わないと顧客の顔ぶれは変わっていきません。

よく言われているが…

一般的には既存顧客だけでは売上は2~3割減少すると言われます。
既存顧客だけでは、取引が打ち切られることもありますし、市場が縮小している日本では、既存顧客のインストアシェアを拡大させなければ、減少するのは当たり前です。
そこで新規開拓が言われますが、その際次のようなことが言われます。
1.伸びる先を狙う
確かに伸びる先は参入余地もあり、将来も楽しみです。
ただし、将来この企業が伸びるかどうかは正直わかりません。
昔、堺にシャープの工場が建設された際、関西の商社でエリア戦略として堺地区を選定したことがありましたが、振り返ると失敗に終わりました。
今伸びると思われているよりももっと先を見なければなりませんが、それは不可能なことです。
正直博打に近いと思っています。
結局は、経営者をよく見るしか無いと言うところでしょうか。
まあ、あまりマスコミに登場するところは避けたほうが良いとは思います。
2.空白地を狙う
この「空白地」という言葉はある企業が使っていた言葉で、自社のシェアが低い顧客のことですが、逆に言えば競合が強い顧客のことです。
シェアが低いのだから高くしようと言うのは簡単ですが、シェアが低いのはそれなりの理由があるわけですし、戦うための武器は何かという視点がありません。
武器とは、顧客からみて価値があり競合と比べて優れたものでなければなりません。


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